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「Google Bard」とは?ChatGPTやBing AIとの違いは?

皆さまこんにちは。2020年に新卒として株式会社コンピュータマネジメントに入社し、Webマーケティングを担当している入社4年目のMです。

日常生活やビジネスの場面に広く浸透し、今や誰にでも使える技術としてすっかり身近な存在となった対話型生成AI「ChatGPT」ですが、Googleからも似たようなサービスとして「Bard(バード)」が提供されていることをご存知でしょうか?

ChatGPTと比べるとまだまだ認知度は低いため、「なんとなく存在は知っているけど、実はまだ一度も使ったことがない」という方や、「ChatGPTとの違いがよく分からない」という方もきっと多いと思います。

そこで今回は、Google Bardについて気になっている方向けに、その特徴や使い方、ChatGPT・Bing AIとの違いをご紹介していきたいと思います!


Google Bardとは?

「Google Bard」とは、Googleが開発した対話型AIサービスのことです。
2023年3月にアメリカとイギリスで一般公開され、同年5月からは日本語にも対応しました。

ChatGPTやBing AIなどと同様に、ユーザーからの幅広い質問やリクエストに応じて、人間のように自然で正確な回答を返してくれます。

ちなみに、サービス名の「Bard」は、日本語で「詩人」という意味があり、ユーザーからの質問に対して「詩人」のように自然でなめらかな回答を生成する、という役割を期待して名付けられたそうです。

Bardの特徴

高性能な大規模言語モデル「PaLM2」を搭載

Bardでは、リリース当初は「対話」に特化した大規模言語モデル(LLM)である「LaMDA(ラムダ)」を基盤としていました。

しかし現在は、多言語対応・推論・コーディング能力がより強化された最先端のLLM「PaLM2(パーム・ツー)」へと移行しています。

「PaLM2」の特徴
┗100言語以上に及ぶテキストの学習を行っており、慣用句や詩、なぞなぞなど、曖昧なニュアンスを含む表現も理解・生成できる
┗多くの数式を含む文章を学習しており、推論や数学に関する能力が向上している
┗大量のソースコードも学習対象に入っているため、多くのプログラミング言語によるコード生成に対応している

↓ 参考:大規模言語モデル(LLM)とは?

Google検索と連動

BardはGoogle検索と連動しているため、Web上からリアルタイムで最新の情報を取り込み、鮮度の高い回答を提供してくれます。「Google検索」というソースにより、情報の信頼性が担保されるということですね。

とはいえ、Google検索を反映した回答が絶対的に「正しい」というわけではないので、その点は注意が必要です。

Bardの始め方

Bardは、Googleアカウントを持つ18歳以上のユーザーであれば、誰でも無料で使うことができます。

まずは、Google Bardの公式サイトに行き、自身のアカウントでログインしましょう。Googleアカウントが無い場合は新規作成を行います。

ログインできたら、右下の「Bardを試す」をクリックしましょう。

利用規約が表示されます。
一番下までスクロールすると、右下のボタンが「同意する」になるので、問題なければ「同意する」をクリックします。

「試験運用中」というポップアップが表示されたら、「続行」をクリックします。

Google Bardのトップページが表示されたら、利用準備は完了です。

Bardの使い方

それでは、早速Bardを利用してみましょう。

Bardと会話する

Bardとの会話は、画面下部の入力欄に任意の質問を入力・送信するだけでスタートできます。

試しに、サンプルにある「織田信長が現代の経営者だったとしたら、新入社員にどんなアドバイスをしそうか教えて」という質問をしてみます。

すると、5秒ほどで質問の答えが返ってきました。
箇条書きも活用しつつ、簡単に分かりやすくまとめてくれています。

複数の回答案を得る

Bardならではの特徴として、1つの質問に対しそれぞれ違う観点から3パターンの回答を用意してくれるという点があります。

回答欄の右上にある「他の回答案を表示」を選択すると、最初は「回答案1」が表示されますが、それぞれ「回答案2」「回答案3」をクリックすることで表示を切り替えられます。

回答案2
回答案3

さらに別の回答パターンも確認したい場合は、「回答案3」の右側にある「更新マーク」をクリックすることで、新たな回答案を3つ作成できます。

回答をエクスポートする

Bardから得られた回答は、コピーまたは他のサービスにエクスポートすることができます。

コピーしたい場合は、三つの点のアイコン「その他」を選択します。

「エクスポートアイコン」をクリックすると、GoogleドキュメントまたはGmailに回答内容をエクスポートできます。

会話をリセットする

今までの会話内容をリセットし、新たに質問を行いたい場合は、左上の「チャットを新規作成」をクリックすると、チャットをはじめからやり直すことができます。

BardとChatGPTの違い

Googleが提供する「Bard」と、OpenAIが提供する「ChatGPT」について、主な違いを見てみましょう。

利用料金

Bard:今のところ完全無料で利用できます。

ChatGPT:無料版有料版の2種類があり、有料版は月額20ドル(約2,700円)がかかります。

使用モデル

Bard:多言語対応・推論・コーディング機能が向上したGoogleの大規模言語モデル(LLM)「PaLM2」を基盤としています。

ChatGPT:無料版は「GPT-3.5」、有料版は「GPT-4」を基盤としています。
どちらもOpenAIが開発したLLMです。

リアルタイム性

Bard:Google検索と連携し、Web上にある最新の情報を踏まえて回答を返してくれます。

ChatGPT:無料版は2021年9月までの情報しか学習していないため、最新の情報を含んだ回答を生成することはできません。
(※有料版は、プラグインを活用することで最新情報にアクセスできる)

回答速度

ChatGPT:質問を入力するとほぼ瞬時に回答が生成されます。

Bard:Google検索を経由する分、回答が返ってくるまでに5秒ほどのタイムラグがあります。

BardとBing AIの違い

続いて、Googleが提供する「Bard」と、Microsoftが提供する「Bing AI」について、主な違いを見てみましょう。なお、どちらも無料で利用できます。

↓ Bing AIについてもっと詳しく知りたい方はこちら

検索エンジン

BardとBing AIは、どちらも検索エンジンと連携して最新情報を踏まえた回答を生成してくれますが、Bardは「Google」、Bing AIは「Bing」を利用しています。

現在、世界で最も高い検索エンジンシェア率を誇るのはGoogleなので、今後はBardがよりシェア率を伸ばすと予想されています。

使用モデル

Bard:Googleが自社開発した大規模言語モデル(LLM)「PaLM2」をベースとしています。

Bing AI:OpenAIの最新LLM「GPT-4」をベースとしています。

文字数・チャット回数の制限

Bard:一度に送信できる文字数は5,000文字ですが、チャット回数の制限はありません。

Bing AI:文字数の上限(1回あたり2,000~4,000文字まで)とチャット回数の上限(1トピックあたり30回まで)の両方が設定されています。

回答ソースの提示

Bing AI:回答には、毎回必ず情報源となったWebサイトのリンクが付いており、URLをクリックすればその内容をすぐに確認することができます。

Bard:「ソースを示すように努力している」とのことですが、回答のソースが示されない場合も多いようです。

回答速度

どちらも検索エンジンを経由する分、回答が返ってくるまでに若干タイムラグがあります。

Bardでは5秒ほど、Bing AIでは10~20秒ほどレスポンスまでに時間がかかったので、使いやすさの点で言えばBardのほうに軍配が上がります。

画像生成機能

Bing AI:入力されたテキストからイメージに近い画像を生成する「Bing Image Creator」という機能があり、画像生成モデルとしてOpenAIの「DALL・E2(ダリ・ツー)」を利用しています。
※最新版は「DALL・E3(ダリ・スリー)」

Bard:今のところ画像生成の機能はありませんが、「画像付きでの質問」や「画像を含む回答」には対応しています。

画像付きでの質問
画像を含む回答
(※画像にはソースが表示される)

Bardの注意点

必ずしも回答が正しいとは限らない

Bardだけでなく、CharGPTなど対話型生成AIサービス全体に言えることではありますが、生成された回答は鵜呑みにせず、きちんと人間の手で事実確認を行うことが重要です。

試しに、直近の2023年9月30日~10月8日にかけて開催された「男子ワールドカップバレー2023」の結果をBardに質問したところ、一部事実とは異なる情報が出力されました。

機密情報の取り扱いに注意

Bardは、質問時に入力される内容も学習データとしてインプットしているため、個人情報・営業秘密といった機密性の高い情報は不用意に入力しないようにしましょう。

また、ユーザーが送信した質問(プロンプト)やBardからの回答、提供したフィードバックの内容はGoogleアカウント上に残ってしまうため、第三者による悪用を防ぐためにも、チャット履歴は削除しておくようにしましょう。

まとめ

今回は、Google Bardについてまだよく知らないという方向けに、特徴や使い方、ChatGPT・Bing AIとの違いについてお伝えしました。

今回、文字数の関係でお伝えしきれなかった「Google Bard」の活用例については、また別記事でご紹介できればと思います。

それでは今回はこの辺で。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


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