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Mirai Night #03「地域教育のトップランナー”先生"が本音で語る」

都会の中学生が、地方の公立高校に留学する地域みらい留学。今年の6月に開催した「地域みらい留学フェスタ」では、全国から26道県55校の地方の高校が集まり、2000名以上の中学生・保護者の方が来場し、「地域留学」ブームが全国で起きつつあります。
そのブームの先にあるのは毎日様々なことが起こるリアルな現場です。地域教育の現場トップランナーとして最前線で生徒の一人ひとりの日々の学びと成長に向き合う先生の本音と本気をお届けするイベントを10月24日(木)に開始しました。

今回は若手エースのためのキャリアアップ型転職サイト「Graspy」を運営するITプロパートナーズオフィスのコワーキングスペースをお借りして実施しました。とても、きれいで広々した会場で、渋谷駅から7分と好立地!

第2回目を上回る80名近い方にご参加いただき、秋の夜長、都会のど真ん中で「地域の教育」を熱く語る夜になりました。

■ゲストスピーカー
■⾹⼭真⼀ こうやましんいち 
岡⼭県⽴和気閑⾕⾼校校⻑ 1959年、岡⼭県津⼭市⽣まれ、同年に⽣まれたローバー・ミニが愛⾞。2012年本校に赴任、7年め。2013年から、地域おこし協⼒隊、地域お こし企業⼈などを学校の職員に任⽤して、地域と協働して探究⼈を育てるカリキュラムを開発。2018年から地域留学を受け⼊れ開始。今春、 ⽂科省の地域協働推進校に指定される。今秋、岡⼭県初の県⽴学校コミュニティ・スクールに指定される。中教審の新しい時代の初等中等 教育の在り⽅部会臨時委員。 
■取釜宏⾏ とりかまひろゆき 広島県⽴⼤崎海星⾼等学校・魅⼒化コーディネーター 2011年に広島県豊⽥郡⼤崎上島町へUターン。教育を核とした町づくりをテーマに公教育と私教育を⾏き来。「開きすぎた学校」と呼ばれる ⼤崎海星⾼校の魅⼒化コーディネーター、株式会社しまのみらい代表取締役。3児の⽗。 
■森⼭円⾹ もりやままどか 徳島県⽴城⻄⾼等学校神⼭校特別⾮常勤講師、(⼀社)神⼭つなぐ公社理事・ひとづくり担当 岡⼭⽣まれ。2016年に徳島県神⼭町へ移り住み、町役場とともに創⽣戦略を推進する神⼭つなぐ公社のひとづくり担当に。保育所から⾼校 までの横断的な地域教育に取り組むとともに、学校設定科⽬「神⼭創造学」のカリキュラムを開発、2017年より講師として携わる。学科再 編に向けた教職員会議の実施、地域留学⽣の受⼊体制の構築などを担う。
■梅北瑞輝 うめきたみずき 宮崎県⽴飯野⾼等学校進路指導部⻑、キャリア教育推進リーダー(⽂科省事業事務局⻑) 平成20年に飯野⾼校へ赴任。同24年より進路指導部⻑を務めるなかで学校改⾰を主導。地域をフィールドにしたキャリア教育プログラム(地 域での探究活動)を展開し、県内外から注⽬を集めている。昨年、卒業⽣らと⾼校⽣プロジェクトを⽀援する団体「APEえびの」を設⽴。代表 を務める。妻ひとり。⼦3⼈
■⽴⽯祥美たていしひろみ 島根県教育委員会教育指導課調整監 平成23年から島根中央⾼校で教務主任、教頭として勤務。地域と協働した年間インターンシップなど教育課程の改編、県外⼊学⽣募集を実 施。県内の公⽴⾼校としては最多の県外⽣在籍校となる。3⼈の⼦どもも在勤中に⼊学、卒業した。平成30年から現職。 

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まずは、参加者同士で4人程度にチームになり、なぜここに来たのか?などの自己紹介をしました。そして、5人のゲストの皆さまから、それぞれのご経験からのキーワードを含めた自己紹介は短く終えた後は、話を聞きたいゲストの元に集まって、少人数でのグループトークタイムに入りました

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それそれのゲストがどんな話をされていたのか?全部は伝えきれませんが少しだけご紹介しますね。

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⾹⼭  さま 
生徒が成長する体験とは何か!?そして、どんなカリキュラムなのか?
地域にとにかく出かけていってフィールドワークをする。地域の大人の方々からインタビュー形式で体験していく。そして、自分の興味関心についての時間をとり、自分のありかた・生き方を考える。自分を見つめ、地域を見つめ、それを関連付けることで見えてくる自分自身。そこから生まれるのが自己肯定感。

自分の在り方と結び付ける課題設定ってなんだろう?
わくわくする感じに出会えることが大事すること。そして、体験が少ないと、何も出会えない。広げて、少しずつ耕すこと。

新学習指導要領の「社会に開かれた教育課程」はリアルな生活や社会の文脈で知識や技能を活用して学習課題を解決することが求められており、必然的に地域との連携や協働による探究学習が必要になって来る。しかし、その際に必要なコーディネーターやコーディネートの能力が今の学校には不足していて、全国の先生方はたいへん不安になっている。

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梅北 さま
最初は学校の存続が目的だった。自分の子どもが成長したときに学校がなくなると困ると思った。色んな大人と関わることで、かっこいい大人に触れることで、自分の知らなかった地域を知る機会になっていった。そうすると、生徒にも変化がある。地域に出ていくと、学校ではできないこと、学校では見せない顔を見せるようになる。そして、成長する。そして、いつしか、学校での学びを外にアウトプットするようになっていった。

しかし、教員主導でしていることに限界もあるので、地域の人にゆだねながら、学校の中では生徒と一緒に考えたり、伴走している。地元の公友会や飲み会で一緒に飲んでその場で決まるなんてこともある。いつも、子どもの気持ちを大切に楽しみながらやっている。

最初は変態がいるけど2人目3人目はどうやってつくっているのか?
進路に繋げることを意識している。大学入試だとAO推薦が多い。これをやることで目的意識、意欲、仲間という貴重な経験ができる。実際に合格に結び付いていく、先生にもこれが大事だと伝わってきた。

親と地域と先生とどんな関係になったらいいか?
地域の大人と先生が飲み会で語り合うことが良くも悪くもなくなった。関係性がなくなり、子どもをどう育てるかをもっとフランクに語りたいと思う。

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立石 さま
学校の魅力つくりは人がいないから、学校のために人がほしいではない。こういう子を育てるという意思が必要。それを突き抜けてみんなが議論した結果「個別最適化」だった。

まち親制度とは15歳の子どもを知り合いがいない土地に送り出すのは、本人も親も不安なので、親戚のおじちゃん代わりを地域につくろうとした。下宿はハードルが高いが、何かあった時に助言するなどなら大丈夫という地域住民のボランティアで成り立っている。理由や役割や金銭面(ボランティア)ということを伝えて賛同して頂いた方が現在60名程度いる。

生徒はどのように変わったか?
多様性が増えた。例えば県外生が「死ねや」という言葉を使ったが、県外生の生まれ育った環境では普通に使う言葉。島根の生徒には言われるとショックな言葉。島根の価値観で県外生に何かを言っても、その子の中に落ちていかない。同じ価値観がある上で、指導が成り立つ。また違う文化や価値観の人間と接する事で、想像力が養われる。

中学生で地域みらい留学に行こうとしているが、まわりに同じ希望の生徒はいない。魅力をどう伝えれば良いか?
魅力は新しい価値観に出会うこと。都市部で説明会をすると親御さんから「偏差値どのくらいですか?」と聞かれるが偏差値の幅が広くここですというものがない。

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取釜 さま
離れた宮嶋ではあるが、地域初の塾を設立し、学力の担保を証明するとともに、コミュニティを固定しないことに心がけた。県外の方もいれば、様々な出入りがあり、多様性がある。

先生は協力的だったか?
まずはできること、小さなことから一緒にやってきました。特に成功例をつくることを大切にしていくと、効果が見えだすと自然とみんなが動き出すんです。そして、まずは、生徒を外に出すことから始めた。地道に校庭にいる子に声をかけましたね。

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森山 さま
可能性を感じられる状態とは何か?それを構成する要素。人がいる。いい住居がある。よい学校と教育がある。いきいきと働ける。富や資源が流出していない。安全性がある。そして、関係が豊かでひらかれている。この好循環。その中での「よい学校と教育」とは何か?その挑戦が城西高校神山分校の新コースです。

食、農、そして環境をめぐり、感性と技術を学ぶことを徹底している。まち全体をフィールドと捉え「神山創造学」「あゆハウス」などを実施してきた。そして、これからの町をともにつくる教育へとまさに展開している。それは、地域との関係を育成することであり、それが地域だけではなく、本人の可能性を広げていく結果となる。

生徒の言葉を一つご紹介。嫌だなと思うこともあるけれど、地元にいたら絶対にすることがないことに出会うので、充実して、満足しています。

などなど様々な話が飛び交いました。現場でいつも生徒の成長を間近に見ながら、時には一緒に泣いたり、喜んだりしている先生の苦労と喜びを少しだけ体感する機会となりました。すべてがうまくいっているなんてことはないんです。けれども波乱と困難があるからこそ、そこには生きる実感と感動がある。地域教育現場はまさに実感と感動の連続です。そして、最後に、ゲストの取釜先生が言った

「圧倒的で勝手な使命感」

という言葉で会場が引き締まりました。誰にお願いされたわけでもない自分が勝手に選んだ使命感で突き進んでいる。そして、そういう人がたくさんいる。この会場にいる人もきっとそう。そして、一人では絶対に成し遂げられないからこそ、全国にいる仲間の頑張りがまた力になるのだと感じました。

最後

さて、今まで3回実施してきました東京での地域教育のリアルを伝えるイベントですが、第4回目はなんと日本財団主催のソーシャルイノベーションフォーラム2019内でのコラボ企画の開催が決定いたしました。卒業生、保護者、先生、そしてこの大きなうねりを作り出す社会起業家ととも地域教育の当事者が語り合うイベントを開催いたします。

本イベント参加には「ソーシャルイノベーションフォーラム2019」の11月30日1日券(1000円)をご購入いただく必要があります。今回特別に、以下の申込フォームからお申込みを頂いた先着200名の皆さまには一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォームよりチケットを贈呈させて頂きます。

教育から日本の未来を変える!?11月30日開催決定

FBトップ

■申し込み方法(11月25日締切/1度の入力で複数枚の申込みも可能です)
以下のURLのGoogleフォームよりお申込みください。(FBイベントページで参加を押しただけでは申込完了となりません。必ず以下フォームからお申込みください)
https://forms.gle/o93TqufcfALZdC526
■イベント概要 ソーシャルイノベーションフォーラム内コラボ企画
日時:2019年11月30日(土)
開催時間:17:00-18:30(16:30開場)
開催場所:東京国際フォーラム ホールB5
https://www.t-i-forum.co.jp/
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5−1(JR線 有楽町駅より徒歩1分)
テーマ:教育から日本の未来を変える!?
‐地域教育の当事者が語る!若者の挑戦に溢れる未来は実現するか?‐
定員:500名
参加費:上記から事前申込し、参加URLを受け取った方のみ参加できます。
なお、3日間を通じて参加希望の方は有料となり、日本財団特設HPよりお申込みください。
https://www.social-innovation.jp/
スピーカーには弊団体共同代表の岩本悠、今村久美の日本を代表する社会起業家を始め、地域教育で活躍する卒業生、先生、保護者などが集結します。


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