紐か,鎖か,奈落の底か

 最近他人との間に障壁を感じることが多い。それは紐のように嫌らしく絡まるものでもあるし,鎖のように前に進むのをとどめるものでもあるし,溝のように限りなく共存できないものである。


 突然だが自分は話すのが大の苦手である。
伝わっていると思ったことが言葉足らずで伝わっていなかったり,逆にしっかり伝えようとしすぎて「分からない」といわれてしまったり。
 相手がどのくらいの知識レベルなのか分からないのである。
 人生この方あまり共感というものを感じたことがない。他人との間にいつも超えようとしたら落っこちそうな溝が出来ているように感じるのだ。

 他人と自分は違うと言うことをつくづく感じながら育ってきた。それなのにどうしてそこまで共感や共有が大事なのかよく分からなかった。

 相手と折り合うには質問すること,話すことといわれているがまずはなしていいタイミングが分からない,続いて盛り上がる話題が分からない。伝えたと思ったら伝わっていない。勘違いされたまま伝わっていた。

 自分にとっては相手も周りも宇宙人のようなもので分からないのが当然で動いている。こちらもそのつもりで話している。
 ところがどっこいどうも周りは自分も話している時そうじゃないようなのだ。どうも私に何かを分かっていると扱われているのだ。それがとても苦しい。

 そして明日も他人と協働しながら仕事をするのだ。そこに信頼関係はない。
 伝わっていることを常に疑わなければ他人と一緒に動くのは無理である。何せ他人と自分の間には越えられない壁があるのだから。
 

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