春の夜長

 夜長といえば普通秋だろう.吾輩もそう思っていた.

 今は春であるが,吾輩は秋が好きである.食べ物もおいしいし,好きな寒い季節の始まりと考えるとどうもわくわくしてしまう.
 反対に春が大嫌いである.地元に戻ってからは多少マシになったが,暖かい季節がどうも苦手なのだ.周りが浮き足立つと同時に自分持ちに足がつかないような感覚になってしまう.加えて吾輩は花粉症なので,体力も気力も地の底まで落ちてしまうのが吾輩の春のデフォルトである.

 数日前,仕事帰りにふと空を見上げたところ,なんとも綺麗なお月様が光っていたのである.天気がよかったせいもあり,真っ黒な夜空とのコントラストはばっちり.まん丸でちょっと艶のある感じは,ディスプレイに飾られた一粒の真珠のようだった.そして心地よい気温も手伝って,まん丸のお月様を見て上に登っていた息や血が下におりたような感覚があった.吾輩は花より団子,満月より月見団子の人間ではあるのだが,月明かりにはそこまでの力があることを発見してしまった.論文等に載せられそうなエビデンスがないのが悔やまれるが.

 最近は仕事の行事準備や仕事関連の作業に追われてnote記事がなかなか進んでいなかった.だからかなり焦りもあったが,その瞬間のおかげで少しだけ落ち着くことが出来た.本日は祝日.吾輩は今温泉にきている.身バレが怖いので温泉紀行は伏せておくが久々に落ち着いた,笑顔丸出しの時間を過ごせている.

 今宵は満月.夜の長さがこれから短くなるこのとき,お月様は数少ない幸せな時間を過ごしている人々を寒い中暖かく見守っているのだろう.

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Thank you very much!
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WWp

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