通学なんて,なくなればいいのに


最近,自分が小中学生の頃に遠隔授業があったらどうだっただろうな…そう考えることが多い。きっと登校して既に疲れているということはなかったかもしれないと思ってしまう。
遠隔授業があれば登下校で疲れることもないし,人混みが苦手な人は授業もストレスなく受けることが容易になる。

自分の学生時代

まず自分が通っていた中学だが,町に一つの学校だった。そして学区の面積がどれくらいかというとだいたい70㎢前後。
町村一つ分である。小学校についてはおおよそその半分。

「そんな数字あり?大きすぎでしょww」と突っ込まれそうな気がしたので,この小中学校の学区面積が広いのか,調べることにした。
とはいえ学区面積を調べるのは難しかった。

そこで考えた。

通常,公立学校同士は通う子供たちの数と密度が比例していると考えるのが筋だろう。
そうなれば,当時通っていた学校とその隣の学校との距離を調べてみれば,どれくらい学区が広いのか,目安にはなるのではないかと考えた。

調べた結果がこれ。

自分のいた小学校とその隣の小学校の間隔:4.3km 3.7km→平均4km程度
自分のいた中学校とその隣の中学校の間隔:8.0km 7.9km 9.1km→平均8.4km程度

今いる地域の小学校と隣の小学校との間隔:1.3km 1.7km→ 平均1.5km
今いる地域の中学校とその隣の中学校の間隔:2.1km 2.5km→平均2.3km

やはり人のいるところは学校同士の距離が近い…
このことからも自分の昔いた学校は通うのに時間がかかる生徒がいたことはお分かりいただけるだろう。

通いに使うHP:子供編

小学生のころ,自分は15分程度歩けば済む人だったが,人によっては40分(もちろん片道)歩く人もいた。スクールバスがある人であればまだ楽なものだが,人によっては冬しかバスがない人もいた。(それ以外の季節は歩き。)
自分のいた地域だがほとんどこんな景色の広がるとところだった。

20200526 学校 解説1

ぶっちゃけこんなところ10分も歩いたら体力切れを起こしそうだ。ちなみに秋など気温がちょうどいい時だけでなく残暑残る9月や雪の多い冬も歩く羽目になっている子供が自分の小学生時代はいた。今もいる可能性は高い。

今は特例でタクシーを使うケースもあるようだがこれは本当に特殊ケースだろう。

さて,自分が小学校の頃は体力なし人間だったこともあって片道15分の徒歩でもきつかった。小学校1,2年の頃は途中でその辺のベンチで休みながら帰っていた気がする。(これに関しては体力なさすぎだろうというツッコミは受け付ける。ただ筆者,ちびの頃は本当に虚弱体質だったので嘘ではない。その証拠にシャトルランの成績はクラス最下位だった。)
自分は比較的街中が通学路だったので休憩場所も困らなかったが,重いランドセルをしょってのことなので疲労はたまっていた。この歩くという作業をやった後に勉強して課題こなして宿題やっていた。今考えればよくやっていたと思う。

通学に使うHP:大人編

通学に使う体力なのだから大人関係なくない?と思ったあなた。ぜひこの項を読んでほしい。逆にタイトル見て「わかるー」となった方はこの項はすっ飛ばしていただいてOKだ。

通学するのは子供なのだから大人は関係ないだろうと思ったあなた。
大間違いである。
厳密にいうと地域によってはその常識は通用しないというのが本当だろう。
自分のいた中学校は,通学距離が長い人が結構な割合でいた。どのくらいかというとこんな感じである。
友人A:2.3km
友人B:6.3km
友人C:3.2km
友人D:3.7km
自分:400m
こんな風に徒歩圏内の人間はとても少なかった。
しかしこう突っ込む人もいるだろう。
「自転車を使えばいいじゃないか!」
ええ。自転車を使いましたとも。夏場はね。
筆者のいた地域は冬場になるとこんな風になる。

20200527  学校解説 2 修正版

こんな状況であれば自転車での通学はまず無理だ。実際自分のいた学校は雪が降ればその年度の3月末まで自転車禁止のルールであった。

自転車が使えないならば公共交通機関を使え!という人もいるだろう。

それができるならそうしたかった人はたくさんいただろう。
言っておくが公共交通機関はほとんどあてにならない。本数も路線も数えるほどしかないのでバス通できる人はほんの一握り。線路はないので電車通学の可能性は0。
ここまでくれば手段は一つしかない。

親の送迎である。

そしてこの親の送迎,経験者ならわかるだろうがHPをかなり消耗させる。
親も働いている時間を縫って車でいく必要がある。通勤と反対方向などであれば割と地獄だ。
これが毎日続くのであればなおさらだ。

考えてみてほしい。地方は今子供の数が減って学校の統廃合が進んでいる。そうなると通学距離が増えている子供は多くなるだろう。
送迎が大変な親も増えている可能性が高い。
余談だが自分の中学時代は連絡する子供も大変だった。
当時は携帯電話の持ち込みが禁止だったしそもそも持っている子供もほとんどいなかった。そのため子供も連絡のため公衆電話に並んでいた。

20200527 学校解説 公衆電話の行列

もしもあの時遠隔授業があったら

あの頃もしも遠隔授業があったらこんな利点があっただろう。
「登下校で体力を削られず勉強できる。」
これ。本当にこれ。
先ほども話した通り,筆者は子供の頃虚弱体質だった。今でもそこまで強い方ではない。
朝15分とはいえあの思い荷物を持って歩く,あるいは通学する。それだけで消耗している人はこの世界にかなり多いことだろう。
他にも通学中に変な人に声をかけられたり,車や自転車にひかれたりすることもない。何より

20200526 学校 解説1

こんなところを歩く必要がなくなる!最高である。
しかし冗談抜きで難病や病気で学校を休みがちな人は自分が学生だったころもいた。そのような人に均等に教育の機会をもたらすという意味ではこの試みはいいのではないか。

また先ほど話したように通学距離が数kmという人は親子ともども登下校でHPを消耗している。親の送迎しか方法がない人はなおさらである。この消耗が減る可能性を考えるとオンライン授業は飛躍的に学生と家族のQOLを上げるのではと思う。

朝ごはんと身支度をすればすぐ授業が受けられるのは大きな魅力である。
もちろん実技科目は一概にオンラインだとうまくいかないかもしれない。やはり全部が全部そういうわけにはいかないだろう。しかし今の毎日6時に起きて7時に家を出て!みたいな生活を週5日から例えば月2回に減らせたらだいぶ楽になるだろうと思う。

自分は人混みが苦手になりすぎて授業中も全く集中できず内容が頭に入らなかった時期がある。今考えればよく大学卒業までこぎつけたものである。人込みにいられない人も世の中には多い。そう考えるとオンライン授業の方が合う人はこちらの方がいいだろう。

もちろん普通の通学式が合う人もいるだろうから,個人的には地域に関係なくどちらでも選べる世の中になってほしい。オンライン授業には通学スタイルに合わない人の選択肢だとか,応急処置のような立ち位置ではなく,教育の選択肢の一つとして市民権を得てほしい。


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