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「秋葉原という「場」のパワー」Community Drive 第1回再録 高橋征義さん④

技術コミュニティの受け皿としての技術書典

法林:Rubyの話からはちょっと離れて、もう1つお伺いしたいのは技術書典のことです。
高橋:2016年にスタートしてこれまでに3回実施しています。(注:変則的だった「超技術書典」を除く)
法林:はじめたきっかけを教えてください。
高橋:TechBoosterの日高さんからお話がありまして。
法林:そうなんですね。高橋さんといえば、技術書のイベントに出たりするぐらい技術書にお詳しいという印象があります。「この技術書はすごい」は人気シリーズですよね。
技術書典はサークルという一種のコミュニティの集まりと言っていいと思うんですが、それを立ち上げようと思われたあたりはすごく興味がありまして。
高橋:割と日高さんがやりたい、高橋さんどうですか?みたいな感じでいってきて、やりましょうみたいな。
法林:割と高橋さんとしては受けたという感じなんですね。
高橋:実際の運営に関しても、基本的にはTechBoosterと達人出版会の2つが主催として並んでますけれど、大体決めてるのは日高さんのほうです。コンセプトメイキングとかは全部お任せですね。
鹿野:ビジュアルを見た時にすごいかわいいなと思いまして、あれがとても人を引きつけた気がしてますが、なぜあれだけ人が集まったのでしょうか。
高橋:集まったのは謎ですよね…。
法林:高橋さんも謎なの(笑)。高橋さんも自分で思ってた以上に集まった。
高橋:そうですね。
法林:そうなんですね。
高橋:さすがに最初の時は(入場待機列が)だいぶやばくて、もうちょっと列が伸びたら警察が来たのではと。
法林:整理券を出したりもしていました。
高橋:そうですね。整理券を出す前に少しゴタゴタしてしまって、列がずらっと伸びてしまって。
鹿野:何人ぐらい来たか取ったりはするんですか。
高橋:初回は1,000人ですか。ちょっと数が怪しいですが。

注「初回は1,000人ですか。ちょっと数が怪しいですが」:実際は1,300人だったとのこと。

法林:でも1,000人ぐらいは来てた。
高橋:2回目、3回目ぐらいが3,000人ぐらいとかですかね。でも天気が悪くて、2回目も雨で3回目は台風で。
法林:天気が悪いにもかかわらずその人数はほんとうにすごいです。
高橋:それをいったらRubyKaigiの方も、2017年は台風のあとで、午前中はJRが全部止まって新幹線しか動いておらず、新幹線も途中で止まってしまいました。
法林:でもみんな来た。
高橋:来れなかった人もいましたし、翌日は飛行機が飛ばなかったので…。イベントの天気は本当に怖いですよね。
法林:技術書典に関しては、それこそ高橋さんが想像していた以上に、技術書に関心のある人がいたんですね。緩やかなコミュニティという意味ではものすごく巨大な、潜在的なのか顕在的なのかはちょっと分からないですけど、コミュニティがあるということがあのイベントで分かったような気がします。
高橋:でも技術書というのはコミュニティではないですよね。あまり。例えばあのイベントに来ている人たちは、何かのコミュニティに所属してるとはあまり思ってないのではないでしょうか。
技術書のコミュニティというでっかい括りに所属していると意識して来てる人はたぶんいなくて、もう少し狭いつながり。例えばAndroidならAndroid、Webのフロントエンドだったらフロントエンドみたいな感じのつながりです。
鹿野:あのイベント自体が小さなコミュニティの集まりみたいな感じですよね、イベントとしては。
高橋:イベント自体が1つのコミュニティではないんだと思います。
法林:やっぱり技術書典はコミュニティの受け皿というか、集まる「場」なんですかね。

秋葉原という「場」のパワー

法林:ただそれにしてもあれだけ巨大な集まりになるんだと。あれも今3回やって、たぶんまたやるんですよね。やるんですか。
高橋:一応準備はしてますが、まだいつやるかというのは決まってないんですよ。(注)

注「一応準備はしてますが、まだいつやるかというのは決まってないんですよ。」:決まりました。次回は2018年4月22日とのことです!


法林:高橋さんが大きくしたいかどうかは別として、潜在的な需要はすごいあるらしいっていうことが分かってきたので、今度すごく大きくしていかないといけないという、これはこれで大変かなと見ていて思うんですが、その辺はどんな感じですか。
高橋:そうですね。やはり秋葉原という場所はとても大事なのかなと思っています。
法林:なるほど。
高橋:会場はあそこ(秋葉原UDX アキバ・スクエア)じゃなくてもいいんですけど、でも秋葉原の近くでやりたいという。みんな来やすいと思うんですよ。例えばコミケには来ないんだけど、技術書典には来るっていう人がどうもいるようで。
たぶん、コミケにはいろいろ行きづらいっていうのがあって、もちろん、人が死ぬほどいて大変だからっていうのもありますし、遠いからみたいのがあると思うんですよ。位置的な問題というのもたぶんあると思うので。
法林:行きやすい場所ではないですよね、少なくとも。
高橋:行きやすいし、行き慣れてるかどうかっていうのもたぶんあるでしょう。で、アキバだったらそこそこなにかの用事で行ったりしてるでしょ、と。
法林:OSSオープンソースまつりをやる時に、当時は秋葉原がいわゆるPCショップの集まっている街だったから、あれは最初から秋葉原でやると考えていました。それと主催のうちの1つがぷらっとホームという会社で、そこは秋葉原にオフィスもあってショップもあったので、あのイベントは最初から秋葉原でやるっていうことが決まっていたんですが、ちょっと似たようなところもあるのかなというのも感じました。
高橋:そうですね。たとえば入場整理が始まって整理券配って、入場が30分後ですと言われたら、30分ぐらいであればあの店で時間がつぶせるか、というような感じで。
法林:確かに秋葉原の場合はそういうことが簡単にできますよね。コミケの場合は待つと言っても並ぶしかないんですよね。
高橋:コミケは整理券とか配っていませんからね。

第5回に続きます


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