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"最推し"が決められない話

「あなたの”推し”は誰ですか?」という問いほど、私にとって困る質問はない。

“推し”がいないわけではない。
DDというわけでもない。
各ジャンルに”推し”がいる中で、ジャンルを横断して判断した上での”最推し”が決めることができないのである。

私はたくさんの趣味を持っている、節操がないほど多趣味なオタクである。
アニメ・漫画・声優・バンド・アニメソング・アイドル・お笑い・ラジオ・陸上競技・競馬・国語辞典…と、現役でオタクをやっているものだけでも、ざっとこのくらいの趣味がある。

そして、私にはそれぞれの趣味ごとに”推し”がいる。
声優の”推し”は、間島淳司。
作曲家の”推し”は、田中秀和。
例えば陸上選手の”推し”は、男子110mHの高山峻野。
アイドルの”推し”は、十束おとは(フィロソフィーのダンス)。
騎手の”推し”は、野中悠太郎。
(以上、ファン歴順で列挙した。)

好きな声優、作曲家、陸上選手、アイドル、騎手は、他にもたくさんいる。
そんな中でも、声優の中の一番、作曲家の中の一番…と、そのジャンル内の”最推し”は難なく決めることができる。
だが、上記に挙げた5人の中から”最推し”を決めることができないのである。

もちろん趣味がたくさんあるとはいえ、個々の趣味に注ぐ情熱は一定程度上がったり下がったりしており、その時々によって一番ハマっている趣味というものはある。
「だったら、その時一番ハマっている趣味の”推し”を”最推し”にすればいいのでは?」と、思うかもしれない。
しかし、どうもその考え方はしっくりこない。
アイドルや声優といった芸能関係者、作曲家などのクリエイター、そしてスポーツ選手、それぞれへの”応援する気持ち”を、同じ尺度で計ることに、どうしても違和感があるのである。

なぜならば、それぞれ“好き”の中身が全然違うから。
例えば間島淳司の声が好きという気持ちと、田中秀和の作る曲が好きという気持ちは、全く別物である。
それら別物の気持ちに優劣をつけることは、どうしてもできない。

趣味が複数あるというオタクは、私以外にもたくさんいると思う。
そんな人たちが、各ジャンルの”推し”への熱量をどのような尺度で比べているか、とても気になっている。

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