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創作意欲と時間について

フリーランスのイラストレーターになってそろそろ1年が経ちます。
この1年、創作意欲のコントロールが難しい問題に見事にぶち当たったのでそれについて書いてみようと思います。


時間があると絵が描けるかというと全然そんなことはなかった

そもそもフリーランスになった理由が、絵ももっと描きたいし仕事の依頼も増えてきたしで、平日を会社に8時間×5日+残業分捧げていたら身体がもたないぞということで、つくづくそう思うようになった頃に退職を決意しました。
そして2023/4/30をもって退職し、ヤッターー!!描いて描いて描きまくるぞ!!と思いきや…
絵とは全然関係ないことばっかりしたくなりました。

例)

  • 時間を気にせずめっっっちゃ寝たい

  • ガラにもなく部屋をめちゃくちゃ掃除したい

  • しばらく会ってなかった色んな人に会いたい

  • なんか英語とかもっと喋れるようになりたい

  • とりあえず気になった場所とか気にせず行きまくりたい

  • 運動ってニガテだけど何かしてみたいな…よし、テニスを習おう!(唐突)

  • いや、もはや何にもしたくない(崩壊)

まぁテスト前ってすごい勉強以外の全てをやりたくなるし、終わったら全然やりたくないのと一緒で、そんなことになりそうな予感はしてたんですが見事にそうなりました。

ベースが怠惰なのと何気にアウトドア派?≒家にいる力が弱く外に出がちな人間なので、クライアントワークは何とかやっていましたが個人制作の絵を描こうという気に全然なれないまま2023年が終了しました。
あとは当時、人間関係の悩みもあってそれもしんどい感じではあったので余計絵描き脳が失われていましたね…。

これが個人的には本末転倒で、もっと自分の作風を追求していくために時間を取るぞ✨と思っていたのに全然できていないので常に後ろめたいわけです。
(仕事は貰えていたのでその告知は上げていたものの)挙げる絵もなくSNSからも遠ざかり、他の人の絵も見るのも気後れするし、気づけば息してるのかもわからない感じに。せっかくフリーランスになったのに、おかしいな?

というか会社員の時の方がずっとパフォーマンス良かったんじゃないの?

会社員の時はなんで頑張れたのか

やっぱり人間ってある程度制約がある方がやる気が湧くと思います。会社員の時は時間という制約があったので、貴重な夜と土日しか使えない…!という条件のもと何とかやっていたわけです。

あとは人と継続的に話しているという状況もとても大事でした。絵の仕事において、クライアントとはほぼメール、まれにオンライン会議という形で進行するため、仕事における雑談がほぼ全くないのが自分にとってはしんどいなということを痛感しました。
会社では常に誰かと喋ったりチャットしたりチームワークで進むのに慣れていたし、ミーティングを設定することで時間が強制的に区切られる感覚が今思うと貴重だったんだなぁとつくづく思いました。ちょっとしたくだらない会話とか、悪口とか、誰々さんにはこの話したいな、とかってなんだかんだ仕事の活力になるなと思うわけです。

↑の逆の(時間が無限にあって制約がなく、人と話さない)環境がむしろめちゃくちゃ向いていてこれ以上創作に向いている状況なんてあり得ないという方も割といるんじゃないかと思いますが、自分にはあまり向いていないなと思いました。気づけばずっと人生の夏休み状態。ラクではあるんだがこれでいいのか…。
仕事の絵も何とか振り絞った力でやっているのに(当時のクライアントさんすみません)、個人制作に向けるエネルギーもなく…ヤバイ!

脳を創作に向けるための環境づくりをどうするか

そんな望ましくない感じの状況でしたが、今は創作意欲がV字回復してきて調子がいい感じになっている実感があります。一過性のものにならないよう、自戒のためにも意欲を保つために意識したいことを挙げます。

①時間を意識的に区切り、人と話す環境を作る

え?これってもしかして「会社」のコト…?まさか再就職?
と思った方もいるかもしれませんが、それはフリーになって間もなすぎじゃないの?と思いつつ、再就職ではないですが似て非なることを始めました。
というのも、今年の1月から昔個展を開催したイラストレーションのギャラリーと縁があり、レジスタッフとしてアルバイトを始めました。

もうこれが今のところ自分には本当にありがたい環境で、程よい日数で決まった時間に通う場所があり、絵描き脳を保ったまま、他の作家さんの作品を見て刺激を受けられるし、お客さんとほどよく会話ができるしでいいことしかないです。あとちゃんと服を着替えて化粧して外に出られるのもおっくうさよりも個人的には嬉しい気持ちが大きく、いい切り替えになります。

なにより会社員の時と違うのは、前職があまりにもイラストと異なる領域の事業内容だったので毎日脳の切り替えに苦労していたのが、同じ領域の仕事なのでまったく切り替えの負荷がないのも素晴らしいポイントです。

②他の人の作品に触れ続ける

上記の通り他の人の作品を見たり、話を聞いたりすることが大事で、そこから自然と絵を描きたいなと思うことが増えて、仕事以外の絵もまた描けるようになってきました。
SNSの投稿も再開したことで、色んな絵に触れてさらに絵を描きたいなという気持ちが加速しているように思います。

でもSNSで他の方の素晴らしいイラストを見るのも、自分のメンタルが整っていることが大事ですよね。絵を描いていないのにそういったものを見続けると正直ウッッとなります。
なので自分も絵を描いているぞという自負を持てている状態でSNSに健康な状態で触れる。そのバランスを崩さないでいきたいものです。

③クオリティのハードルを下げる

あとは長い間個人制作をしていなかったからか、自由に気軽に絵を描くということができなくなってしまっていました。自分が完璧主義な傾向があるというのもありますが、次はもっといい絵を描くぞと思っていたら全く手が動かなくなります。
そこで自分の中のクオリティリセットが大事なわけです。
自分的にはこんなんでいいんだろうかと思う絵でも描いて投稿する。手抜きじゃないか?と不安になりそうなレベルでもいいから描く。

仮に毎日コース料理みたいなのを食べていてもおいしさが分からなくなるので自炊もファストフードも大事だよねということと同じです。(何の話?)

最近描いた台湾の旅行記は写真の方が絵より魅力が伝わるだろうと思ったのもありますが、背景を描かなくて良かったのは自分の中でいい意味でリセットになりました。もっといい意味で手抜きしていこう。

同業の人にも何いってるの?と思われる内容もあったかもしれませんがリアルに感じたことばかりで、1年を通して改めて発見した気持ちになったので書いてみました。
今後も自分に合った時間の使い方や働き方を模索しつつ、絵を健康的に描いていき続けられればなと思っています!!!

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