まるごとホンネで世界を見たら☆

苫米地式コーチング認定コーチ。ライター。

今夜は心地よい風が吹いている。遠くのオートバイの音に掻き消されそうな微かな鈴虫の音も聞こえる。サツキとメイのお父さんが夜、書斎で風を感じながら机に向かっているシーンが自分とオーバーラップする。今夜はもう少し文章を書いていよう。

コロッケのことを考えている。揚げたてサクサクのコロッケのことではない。ものまね界の重鎮、コロッケさんのことである。彼はなぜ、ああも人の特徴を捉えるのがうまいのか。「らしさ」が溢れて本人を凌駕するほどだ。見た目の精度がさほど高くないことから、彼の技量の高さが余計に際立つ。

溶け合う境界 - 『ひきだしにテラリウム』を読んで⑥

なぜ漫画でなければならなかったか。そこ
ではイラスト、セリフ、余白が渾然一体とな
り、一気に広漠な世界を形成する。読者は外
から眺めながらも内から探るよう仕向けられ、
そこに「ないもの」を発見させられる。たっ
た2ページのショートショート・コミックが
成立するのはそういうわけだろう。それを巧
者な手口で軽やかにやってみせるのが、九井
諒子という人だ。文化庁メディア芸術祭マン
ガ部門の優秀賞を獲得し

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本と私と太陽系 - 『ひきだしにテラリウム』を読んで⑤

漫画は記号だ。情報が少ない。読者は推理
し、補加し、再編集することを余儀なくされ
る。これはショートショートのコミック集で、
最短2ページの話もある。絵柄や時代、舞台
設定は各種各様だ。文化庁メディア芸術祭マ
ンガ部門の優秀賞を獲得し、審査員に「マン
ガリテラシーが試される」と言わしめた作品
である。最初はお手上げだった。
 「知り合いの飼ってる人間が子供生んでさ」。
このセリフは出鱈目だ。二度読

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「そこにあって、ないもの」 - 『ひきだしにテラリウム』を読んで④

学園恋愛アニメを描く漫画家、モビルスー
ツを着て世界を守る少年、ペットを飼う人間
など一話完結型のショートショート・コミッ
クが全33篇も収録されている。非常に豪華な
作品だ。が、何かがおかしい。文化庁メディ
ア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞したこと
から実力のほどがうかがえる。この作品には
そこにあってないものがあった。
 九井諒子は世界を普通に描く。生まれたて
の子をもらってきてペットとして飼

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不思議感覚!ショートショート - 『ひきだしにテラリウム』を読んで③

変わり種が好きなワタシ。初めてショート
ショートの漫画を手に取りました。若草色の
絨毯が広がるカバーには、学ラン姿のサルや
龍料理を食べる人、バスを待つお姫様などが
ところ狭しと描かれています。作品中に登場
するキャラクターたちです。1作品は短くて
も、全33篇も収録されていればにぎやかです。
 1ページ目をめくるとすぐさまラリアット
を喰らいました。「イケメン男子が鼻の穴に
でっかいかんざしを刺

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