関西的町田調で桃太郎を書いたら。

 ほんとうは川で洗濯なんてめんどうくさい。
おじいさんに頼めばきっとこころよく引き受
けてくれるだろう。しかしそんなことをすれ
ば世間でなんと言われるか。仕方がないから
洗濯くらいはやっておこう。そんなことを考
えながら手を動かしていたおばあさんの目の
前にどデカい桃が流れてきた。ついている。
桃なんて滅多に食べられるものじゃない。だ
れが落としたか知らんが、今ならだれも見て
ないからええかな。がぶっ、がぶっ、じゅる
る。しもた、ほとんど食べてしもた。おじい
さんに知れたら、いじきたないと思われるか
もしらん。こんなにおいしい桃ならおじいさ
んにも分けてあげたいが、もうほとんど食べ
てしもたし、いっそ残りも食べてしまいたい
なあ。もう1個流れてこんかなあ。と思った
ら、流れてきた。今日はついとる。あれはう
ちに持ち帰って、おじいさんと半分こして食
べよう。たまには川で洗濯もええもんやな。
 そして桃太郎はまだ生まれていない。

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わーい
3

まるごとホンネで世界を見たら☆

苫米地式コーチング認定コーチ。ライター。

ショートショート研究所

400字〜800字の制限の中でどこまで表現できるか実験してみます。
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