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企業導入は慎重に!コーチングは一人ひとりの幸せのために

最近、コーチングを導入する企業が増えている。しかし、企業や組織にコーチングを導入する際には注意が必要だ。

コーチングを受ける対象は、あくまで個人である。そして、コーチングは人から指示されて受けるものではない。本人が自発的に受けたいと思うから受けるというのが原則である。

では、人はなぜコーチングを受けるのか?すぐに思いつく理由を挙げれば、

  • キャリアについて悩んでいる

  • もっとパフォーマンスを上げたい

  • 起業したいが迷っている

  • 目標が見つからない

  • 仕事とプライベートのバランスを良くしたい

  • もっと人生を豊かに生きたい

などだ。

仕事にやりがいがあって、十分に能力を発揮して、さらに仕事以外でも毎日充実した日々を送りたいのだ。

要するに、幸せになりたいのだ。

ところが、企業側から勧められて従業員がコーチングを受ける時、プライベートを含めた幸せについてどこまで話せるだろうか?

ちなみに、企業がコーチングを導入する主な理由についてChatGPTに聞いてみたところ、以下のような回答が返って来た。

  • パフォーマンスの向上

  • リーターシップの発展

  • モチベーションの向上

  • タレントの育成

  • 働き方改革の一環

これらはメディアでもよく目にするので、多分、実際の理由なのだろう。

当たり前だが、どの理由も企業経営が主眼としてあり、コーチングを受ける側の従業員の「幸福」は二次的だ。

私は企業主導でコーチングを導入することに反対しているわけではない。

コーポレート・コーチングというジャンルもあって、組織にコーチングを導入することは出来る。ただそれでも企業の発展のための従業員向けコーチングという発想ではなく、本来は、まず一人ひとりがハッピーになるためのコーチングであることに変わりはない。

コーチングでは、現状の外側にゴールを設定するというのが、大原則だ。現状の内側にゴールを設定してしまったら、現状にとどまり続けることになってしまう。この変化の激しい時代に、現状にとどまり続けることほどリスクの大きいことはない。

ところが、いま日本に存在する企業の中で、現状の外側に企業のゴールを設定できるところがどれだけあるだろうか?

もし現状の中にしかゴールを持たない企業で、従業員向けにコーチングが導入されたら、弊害の方が大きいかもしれないのだ。その理由を一つ挙げてみよう。

従業員が自分自身のゴールを設定しようとした時、たぶん企業のゴールから自由に設定することはできない。コーチング費用を企業が拠出するのだろうから当然と言えば当然だ。

でも企業のゴールが現状の中であれば、従業員のゴールを現状の外側に設定するのは難しいだろう。かりに現状の外にゴールを設定できても、企業のゴールと軋轢を生みそうだ。出る杭は打たれるかもしれない。

だから、企業でコーチングを導入する際には、企業のゴールがまず現状の外側に設定されなければならない。

でも、企業が大きな組織であればあるほど、現状の外にゴール設定するのは大変だ。それはそうだろう。「現状」にうまく適応した人が経営幹部になっているのだから、その人たちがまず現状の外に出ようとするかが疑問である。さらに、そういう経営幹部がいくら集まって議論しても、現状の外側のゴールを見つけるのは難しいだろう。

もしどうしても企業にコーチングを導入したいなら、まず社長を含め、経営幹部がコーチングを受けてから、企業全体に導入することを強くお勧めする。

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