持久性アスリートにおすすめの筋力トレーニング

Millet et al (2002)のトレーニング方法

14週間の高重量ウエイトトレーニング
持久性トレーニング:Run 48 km/week, Swim 18 km/week, 221 km/week
重量:>90%1RM
回数:3-5回
セット数:2セット(ウォームアップ)の後、3-5セット(上記の重量回数)
頻度:週2回
種目:レッグカール、レッグプレス、シーテッドショルダープレス、パラレルスクワット、レッグエクステンション、ヒールレイズ
補足:研究の中では、トレーニングは専門のトレーナーの監督下で行われた。高重量を扱うトレーニングで、特に危険性が高いので専門のトレーナー監修のもと安全性を確保して実施が推奨。このトレーニングは試合準備期に行われたもので、トレーニング期間中に試合には参加しなかった。ウォームアップセットの回数・重量は記載がないが、ごく軽量で高回数やるのが普通。ウォームアップは一般にマシンの最も軽い重量もしくはシャフトのみ程度を負荷として、20-30回程度やるとよい。回数に3-5回と幅があるがこの範囲内で限界となるように重量を調整した。研究では14週間のトレーニングを3週間ごとに期分けをした。詳細は不明だが、3週間×3回を1週間のリカバリーを挟んで行っていたよう。セット数は初めの3週間は3セットとし、次は4セット、最後の3週間は5セットとした。マシントレーニングで構成されており、ある程度取り組みやすいが、パラレルスクワットは習熟が必要なので注意。

Spurrs et al (2003)のトレーニング方法

6週間のプライオメトリックトレーニング
持久性トレーニング:Run 60-80 km/week
頻度:初めの3週間は2回/週, 最後の3週間は3回/週
ウォームアップ:トレーニング前に静的ストレッチと20分の動的ストレッチを行う
実施上の注意:なるべく短い接地時間でなるべく高く(遠く)跳ぶようにする実施場所は不明具体的メニューは下図を参照

Saunders et al (2006)のトレーニング方法

9週間のプライオメトリックトレーニング
持久性トレーニング:Run 100 km/week
頻度:1週目はプライオリトリックトレーニングに慣れることを目的とし2回/週、それ以降は3回/週のトレーニングを行った
実施場所・時間:30分間のトレーニングでジムもしくは芝生の上で行った
具体的メニューは下図参照

Paavolainen et al (1999)のトレーニング方法

9週間のプライオメトリックトレーニング
総トレーニング時間(持久性トレーニング含む):8.4時間/週(内、32%がプライオメトリック)
トレーニング時間:15-90分/回
トレーニング内容(各項目の組み合わせや回数・セット数等は不明)
●スプリント(5-10*20-100m)
●ジャンプ運動(バウンディング、デプスジャンプからのハードルジャンプ、立ち5段跳び)
●マシントレーニング(レッグプレス、レッグエクステンション、レッグカール)※重量:0-40%1RMを最大努力もしくはそれに近い出力で行う, 5-20回/セットで計30-200回行う

Mikkola et al (2007)のトレーニング方法

8週間の爆発的筋力トレーニング
総トレーニング時間(持久性トレーニング含む):8.8時間/週(内、19%が爆発的筋力トレーニング)
頻度:3回/週
トレーニング時間:30-60分/回
トレーニング内容(各項目の組み合わせや回数・セット数等は不明)
●スプリント(5-10*30-150m)
●ジャンプ運動(バウンディング、アンクルジャンプ、スクワットジャンプ、ハードルジャンプ)
●ジムトレーニング(ハーフスクワット、レッグエクステンション、レッグカール、カーフレイズ、アブドミナルカ―ル、バックエクステンション)※軽量の負荷を使い、高速度 (high action velocity)で行う, 6-10*2-3セット

Rønnestad et al (2011)のトレーニング方法

12週間の高重量ウエイトトレーニング
順序:高重量ウエイトトレーニング→持久性トレーニングの順に実施(同日に両方行う場合)
重量:4-10RM
セット数:3セット(ウォームアップ除く)
頻度:2回/週ウォームアップ:10分間の自転車漕ぎ(セルフペース)の後、2-3セットのハーフスクワット(ウォームアップ用)を徐々に負荷を上げて行う
種目:ハーフスクワット(スミスマシン)、片脚レッグプレス、片足レッグカール、トゥレイズ
実施上の注意:最初の2週間とその後少なくとも2週間に一度は専門のトレーナーの監督下でトレーニングを実施すること
重りを下すとき(エキセントリック期)は2-3秒かけてゆっくりと、重りを挙げる時(コンセントリック期)は1秒で素早く動作すること
初めの3週間:その週の1回目のトレーニング=10RM、2回目=6RM
次の3週間:その週の1回目のトレーニング=8RM、2回目=5RM
最後の6週間:その週の1回目のトレーニング=6RM、2回目=4RM
最後の一回は補助をつけても良い(しっかり高重量で行う)

総括

前回の記事:持久性アスリートは筋力トレーニングをすべきか? で取り上げた論文で用いられたトレーニング法をまとめました。
いずれのトレーニングも持久性運動パフォーマンスを高める効果が確認させている方法なので一度取り入れてみてはいかがでしょうか? 
取り入れる際には、それぞれの方法などを精査して自らのトレーニング環境で可能か検討してください。
専門のトレーナーの監督下で行っているトレーニングは、特に難易度が高いかつ間違った方法で取り組むと故障のリスクが高まりますのでご注意ください。

※参考文献は前回記事を参照のこと


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竹井尚也@スポーツ科学

東京大学大学院博士課程#日本学術振興会特別研究員#東京大学陸上運動部コーチ#早大競走部出身#100m10"43(国体3位)#科学的根拠に基づく運動指導をしています

ランニングとスポーツ科学

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