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大島洋平(14)、ご本人覚えているかな

コブ山田です。ようこそいらっしゃいました。

今回は、プロ野球中日ドラゴンズの5番バッターについて、記します。

2023年も中日ドラゴンズは負けが重なり、最下位争いをする勢いです。
勝利という成果が出ていないからには様々な打順の組み方を考えて実行するのは当然のことです。PDCA(最近はOODA派もあるようですが)を回すとも言います。

07月25日(火)バンテリンドームナゴヤでの横浜DeNA戦では、1番ファーストダヤン・ビシエドを試行。かつてパ・リーグでT-岡田、中田翔が1番バッターで起用されたことがありますが、それを彷彿とさせるものでした。
次の26日(水)の試合では3番ライト川越誠司、4番ファースト細川成也、5番キャッチャー宇佐見真吾というオーダーを組みました。
365日前は川越は埼玉西武、細川は横浜DeNA、宇佐見は北海道日本ハムの選手であり、中途採用社員で要職を固める状態に様々な意見がありました。

また次の日は中軸に中日から移籍したことがない選手が入ってくるなど、本当に試行錯誤と言えます。
ポイントは、その中日から移籍したことがない選手は大島洋平であり、その打順がプロ初の5番だったことです。
3番キャッチャー宇佐見、4番ライト細川、5番レフト大島です。

コメント見てみると、大島の5番起用には喜びの意見はあまり見ず、反対側のトーンが目立ちました(具体的には暗黒だという表現です)。
5番バッターである以上長打力がありホームランを狙える選手であってほしい。ホームラン期待できないのなら消去法で5番バッター選んでいるようなものだというものです。
2010年、2011年に連覇した時には和田一浩かトニ・ブランコが座り、ホームランがある怖さを見せていました。

しかし、私は大島の5番を見て、確かに長打力が期待しにくいのは認めました。
と同時に、立浪監督はひとつの成功体験にあやかり試したとも感じました。理解はできる起用だと思ったのです。

5番バッターである大島の前後には4番ライト細川、6番ファーストビシエドが右バッターボックスから長打を狙います(2023年のビシエドはホームランが激減していますが)。
この構図は1999年に似ています。4番サードレオ・ゴメス、6番ファースト山崎武司の並びです。ふたりとも右の長距離砲と言えます。
しかし、当時の星野仙一監督はこのふたりを連続させずに、間にひとり左の巧打者を置きました。理由は、ゴメスと山崎が並ぶとダブルプレーが増えてしまう点を挙げていました(情報源は当時のシーズン統括雑誌です)。
他にも右左右とバッターボックスの左右が交互になる点もメリットです。
そのために4番ゴメス、6番山崎としたのです。

結果、1999年はセ・リーグ優勝。山崎は優勝決定直前に故障してしまいますが、それまで多少の変化はあっても多くの試合でその形が採られました。
長打力がある右バッターを実績ある左バッターで挟んで4~6番を構成する…2023年は勝てておらず、すぐ違うパターンを試しましたが、1999年風キャスティングには合理性があり、うまくいけば採用したいと思ったのではないかと私は推察します。

何よりその1999年、5番セカンドを打っていたのは立浪和義です。その当事者が現在の中日ドラゴンズの監督です。
2023年の中日において当時の立浪選手に相当する実績ある左バッターとなると、大島が最有力。私が好意的に捉えることができたのはその理由です。

大島は愛知県名古屋市緑区で育ち、中日ファンとして生きてきたと発言しています。

実際に、2009年の入団会見にて、

「立浪選手みたいに40歳までやれたらと思います。」

と発言しています。

その1999年、大島は中学生でした。5番を務める立浪さんの姿に、そして中日の優勝に大喜びだったはずです。

ヒットの数が積み上がりプレッシャーも出てくる時期ですが、大島に何かインスピレーションが生まれることを願って。

ありがとうございました。

サポートいただければ、本当に幸いです。創作活動に有効活用させていただきたいと存じます。