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『バチェラー・ジャパン』 シーズン1 エピソード6

「進めば進むほど苦しいね」
わたしもだよ。

プレーヤーは 10 名まで減りました。ひとりの女性あたりに割かれる時間量は、序盤に比べるとそれこそ倍以上になってきています。また、ここで番組は折り返し点。視聴者の数だけ見方があり、推しがある。その傾向はより分化して顕著になってきたのではないかと思います。

特に今回は「サプライズ」パートがあるので、良し悪し、好き嫌い、そのあたりが強化される構成なのでは。

相変わらずローズセレモニーでは堪え切れませんでした。少なくともバチェラー目線で観てないことだけは確かだな…

バブルサッカー

横浜でバブルが弾ける。

これはもう「バブルサッカー」で検索した方が早いやつです。「バブル」と呼ばれる、人ひとりがすっぽり収まる巨大な球状の緩衝材を頭から被り、サッカー(というよりはフットサルに近い)をやります。バブルで人間の安全がある程度保証されるぶんタックルなども許容されており、球技がダメでも戦術的にさえ動くことができれば得点に貢献できるような、そういうレクリエーションのようです。なんか昔、選手に体力ゲージがついていて、タックル等でゲージが削りきられると消滅してしまう(選手は補充されない)というサッカーゲームがありました。相手のサッカーがめちゃくちゃ強くても、ゴールキーパー以外をやっつけると、勝ちです。あれだな。

「運動神経に関係なく皆が楽しめるものが良いなと思って」
とコメントしてはいるバチェラーですが、あの素の出し方で運動が苦手な飯倉ちゃんが置いてかれた感じ、わたしは忘れねえからな。もはやギャルとレクリエーション楽しんでるだけのただのにいちゃんです。これどういうコンセプトの番組だった?

話し合い - 2 ショットデート争奪

バブルサッカーには誘われなかった半数、すなわち岡ゆり、古賀、あゆ、森田、お鶴。そこに現れたコーディネーター坂東、彼の持った 2 ショットデートの招待状には、対象となる女性の名前が書かれていません。

「デートの参加者は、皆さんで話し合って決めてください」

じゃんけん、くじ等の消極的な選出は無し。バブルサッカーの(表層を滑るような)ワイワイとは対極の、ドロドロレクリエーション(?)が始まったぞ。しかもプレーヤーが全員こういう局面で映える人間ばっかり。素晴らしい…こういうのが見たかった…うそです…。自意識アレルギーの人が観たらアナフィラキシーショック出そうですね、ほんとに。

途中途中で差し込まれるバブルサッカーパートはもはや気休めにすらなりません。完全にどうでも良くなりました。

俯瞰・余裕、そしてどこかストイシズムを漂わせるお鶴は、むしろ他の女性を送り込むことでバチェラーの気持ちを吟味したいと様子見を決めこみます。

コメンタリーでは、そのお鶴の余裕へのイライラを隠さない森田。ですが森田は他の全員から現状「格下」に見られており、逆に貴女なら 2 ショットデートに行っても大丈夫かなとほぼ全員からレビューされる始末。「本気出しますよホント?」とインタビュアーに向かっているときの歯の剥き方がマジ。当然、森田にも他を格下に見たいというマウンティング心情が働きます。
表(話し合い)「唯一私と同じでちゃんとしたデートを楽しめてない(古賀)あかねっちを推すよ」
→ 裏(コメンタリー)「あかねちゃんって、恋愛とかー、してなさそうじゃないですかー」
ヒャ~~。
「私だってあゆちゃん(格)下に見たいですよあの子料理しかないし
すまん、シンパシーあるわたしでも逆に森田に何かスキルあったかって問われたらたぶん何も出てこない。ごめんな。

古賀は、つるんでいたくるみちゃんがいなくなってから確実に一皮むけた感じがあります。独特の間延びのあるトークには表裏がほぼ感じられず、序盤とは対照的なマイペース、素を始終みせつづけるようなキャラクターに。コメンタリーからもエピソード 2 までは強かった、角が落ちましたね。

岡ゆりは年相応に不器用な面を年上(すなわち全員)にほじくられ、沖縄 2 ショットの軒下でのチューを告白しなければならないシチュエーションに追い込まれました。でもこの「話し合いで比較的安パイと思われる人間を選出し 2 ショットに送り込むことで、パワーバランスの変化を極力抑えようとする」力の働く場では、逆にある種の強かさで群を抜く岡ゆりは、話題にあまり上がらないんですよね。森田と古賀の底辺(?)争いの場と化したこのシークエンスではむしろ外野であり、完全にチュー情報の出し損になっています。

あゆ。物凄い。ナチュラルボーン。後述。

横浜ヘリデート - 2 ショット選出顛末

話し合いの上では森田に 3 票(古賀、あゆ、お鶴)が入り、趨勢が確定した直後、場に坂東が戻ってきて、

「本当に納得しているのか、この紙に自分以外この人だったら、という方の名前を書いてください」

リセット。

「同性から好かれる女性って誰なんだろうと思って、女性たちが選ぶ機会を作らせてもらいました」

というバチェラーのコメンタリーが挿入されましたが、その実情を垣間見たらあたま抱えるんじゃないか。バブルサッカーといい、事態は彼の当初の目論見とは悉く外れた方向へと進んでいきます。彼の立ち上げるベンチャービジネスとか、不安になってくるな。

そして前半の選出は無視され、無記名投票で決定される 2 ショット指名。「古賀さん」「森田さん」「岡田さん(ここで岡ゆりくちポカン)」「鶴さん」…ラスト 1 票。

開票シークエンスはそこでブツ切りになり、舞台は港町のヘリポートへ。ポートに立つバチェラーの前に着けるリムジンから出てきたのは、古賀!
なにがやばいってあゆにだけ 1 票も入ってないっていうね。ナチュラルボーンの不幸だ。予告で垣間みえた肌の浅黒さから、これはあゆが勝ち取ったのかと予想していました。蓋を開けてみればレギュレーションが全くあゆ向けではありませんでしたので。

かつ、このデートを経て女性陣の「パワーバランス変化の抑制」という目論見も完全に崩れたように見えました。古賀はここでサプライズローズも獲得していますけど、それ以上にやり取りの面で。なんかスケベなおじさんみたいなコメントしてたねバチェラー。エピソード 6 は特にひろくんの素が見え隠れしてて、しかもそれがわりとエッ、ってなる感じで、良いです。いや、良くはない。坂東助けてくれ。

サプライズ企画

収録期間中に偶然にも妹の結婚式があり、自らの意識も新たにするバチェラー。その間、留守番をする女性たちへ、坂東がある提案を持ってきます。それは今夜までに、サプライズを各人で用意し、帰ってくるバチェラーを驚かせようというもの。

説明も完全には終わらぬまま、それを聞いたゆきぽよは「決ーめた」と突然、渋谷へと飛び出していきます。この頭の回転の速さ、すごい。目的意識もはっきりしていたし、伊達にカリスマクイーンやってるわけじゃないなと。そのサプライズの中身については後ほど。

ここから十人十色のサプライズ披露に入っていくのですが、(バチェラーにとって)既知の長所を活かすメンバー、逆に彼から見ても意外と思われるであろう技を発揮するメンバー、得意かどうかではなく企画力や思いやり、あるいはメッセージ性に重きを置くメンバー。アプローチは様々です。そしてそれこそ冒頭で触れたように、受け手が何を評価するのか…企画力、技術の巧拙、女の子が頑張っているという姿勢、あるいはサプライズ内容そのものの好み。こちらも様々なはず。彼女たちのそれはバチェラーに向けられたものであり、視聴者があーだこーだ言ってもしょうがない類のものではあるのですが、それでも、皆さんは誰の何にぐっときましたか。

良かったと思ったいくつかのサプライズを中心に書いてみようと思います。

帰ってきたバチェラーを玄関で出迎えるゆきぽよ。髪は黒髪に、ネイルもマットに。バチェラーも混乱するわ涙を流すわの、ある側面では最もインパクトのあったサプライズで間違いないでしょう。自らの全身を使った表現は、くぼりんのためならギャル辞めてもいい、という序盤からの彼女の決意の、伏線回収でもあります。サプライズと聞いてすぐ渋谷に飛び出し、意中の相手の好きな女になってくる。その目的意識のブレなさと表現とのリンク、加えて即断の力。帰ってきたゆきぽよを見て、勝てねえと思った女の子もいたのではないでしょうか。

いちばんびびったのは古賀のサプライズでしょうか。料理がだめということで、何か技能系全体がだめという先入観を持ってしまっていたのかもしれません。それにしても、肉を焼けない人間よりは椅子を作れない人間の方が圧倒的に多いはずで、モデルがつなぎ着てノコギリで角材切ってるカットがいきなり流れてきたら、ぶったまげますよ。
ペンキが乾かなかったために出来上がったペアの椅子どちらにも座れず、コメンタリーで悔し涙を流す彼女もまた新鮮です。あの 2 on 1 でも雰囲気に呑まれずスックと立っていた彼女が、ここまで表情豊かになってきたというのは、やはり前日のヘリで意識が変わってきた現れなのかなあ。ときめきですね。でも完成なんてしなくても十分サプライズだと思ったよ、これ。泣くな!あかねっち!いつか使えるといいね。

森田は巧拙でいうとおそらく、最もだめな内容だったのかもしれませんが、ピアノ連弾というバチェラー参加型のイベントをその場で録音してボイスカードに封入する、愛らしい企画。バーベキューの時の松長といい、バチェラーこういうの好きそうだよな。森田の不器用な挙措も含めていちばん印象に残ったってコメントしてたし、こういうのってやっぱり巧拙じゃないんですな。エモか。

そうは言えど、巧拙でコンプレックスを抱くのもまたコンペティションというものです。橋本の写真企画は、コンセプトや、バチェラー(が雨男であること)を絡めたメッセージ性、そしてシンガーである彼女なら歌で勝負するのではないかという先入観をひっくり返す意外なアプローチという観点から、とても羨ましいものを見られたと思っています。こういうのすぐ繰り出せるのはかっこいいと思う。逆に彼女が番組中で歌を披露する機会があるのかどうかは、わからなくなりました。現在残留できている技能系職業の子で、その本職技能を披露してないのって、もう橋本だけなんですよね(岡ゆりは終盤のカクテルパーティーで披露することになりますし)。

カクテルパーティー

バチェラーのサプライズ返しをさらに返す岡ゆり、いいね。手段が目的化しているような人だと、俺が選んだ着物でないとは何事カッみたいに機嫌を損ねかねない展開ですが、少なくともバチェラーはそうではないようでした。岡ゆりは若くて肌もポテンシャル高いから、化粧が厚くてもめちゃくちゃバチッと決まる。ケバい、とは一線画してます。

バチェラーはゆきぽよと蒼川に興味津々だなあ。今回、珍しく森田の酩酊機動はありませんでした。

ローズセレモニー

結局ここで漏れた 2 名が比較的着物の似合う女性であったことを鑑みると、やはりバチェラーの目論見というものは全く機能し得ないものであるとしか思えません…。

最後の一本に指名されたときの橋本、その瞬間に首筋がブワッと拡がっていたのが物凄く生々しい。

2 名の脱落者のうち、1 人目は飯倉ちゃん。序盤、バブルサッカーからの劣勢。かといってあの裏に残されてもそれはそれで更に何もできないだろうし、展開に対して分が悪すぎましたね。サプライズの油絵も、得意ではなく好きなだけ、みたいなことを言っていましたが、カメラに映った感じでは好きこそ物の上手なれを地で出来ていて、良いと思ったけどな。最後もバチェラーに対してどうというよりは、非日常の終焉に対する寂しさという感想で、どこまでも自己評価の低さに引きずられていて勿体ないなと思いました。

2 人目。お鶴ーーッ。
まあ、サプライズ企画で珍しく拒絶に近いようなフラグを立てられてはいましたけど。内容は、森田と同じく参加型。作ったバスボールをその場で使って一緒に湯に浸かるというものでした。収録時の季節感や、労いの思いやりには満ちています。ただわたしもバチェラーと同じで、エッいきなりバスタブでイチャイチャでもするのか?!と(お鶴ならやりかねない)思いました。実際は足湯なんですが。この思わせぶりな展開に混乱したのかバチェラーは、お鶴だけはいつも自分のコントロールの外にいてドギマギするといった内容の、困惑とも取れる言葉を直接彼女に向けています。サプライズの中で感謝に相当する類以外の言葉が彼の口から出てきたのは、ここだけかもしれない。森田がしばしば言及するように、どことなくエスっ気のあるバチェラーは、素であると考えられる自分主導のパワーバランス感をどんどん表に出しつつあります。ここがコンフリクトして、解消できないと判断されたか。
いやーでも最後まで役者でしたね。バチェラーの前でも表情の機微と一言「ありがとうございます」で去っていきました。バチェラーも珍しく、「ごめんね」という言葉を使わないお別れ。全員に鶴タッチして去るとことか苦笑しちゃったけど。岡ゆりは相変わらずさらっと流してたし(仲が悪い!)、森田も結構ドライだった。森田は女の子同士の関係性で涙を流すこと、今後はないのかもな。

特集:あゆは「ぶりっ子」なのか?

さて。エピソード 6 はゆきぽよ、古賀、森田、お鶴らの局所的な強さに視線を持っていかれがちですが、全編を通じて真に存在感を発揮していたのはあゆのナチュラルボーン・アユイズムでしょう。自分で作ったサプライズケーキを「かわいー」「おいしー」と異性の目の前でぶりぶり自己肯定を下していくスタイルなど、後ろ楯が特に有るようには見えない、彼女に通底する感覚です。

振り切った所作がコンスタントに炸裂していたのが「話し合い」シークエンスでしたが、そこだけでもないんです。あのリアクション群も勿論、物凄いのですが、そもそもそれよりも前、バブルサッカーデートへの招待指名から漏れた時の顔から、まず見てみましょう。2:43 です。

さて、この流し目ふくれっ面アヒル口(を見るとたいへんニヤニヤしてしまうのですが、それは置いておいて)、およびこの表情が現出した瞬間の状況をよく考えてみましょう。彼女を揶揄する際に「ぶりっ子」と表現するのは、果たして適切なのでしょうか?だってそこにバチェラー居ないよ?
というわけで、以下のような仮説を立てることができます。

(1) あゆは「ぶりっ子」ではない。素。
戦略・目的の上では「ぶりっ子」のぶりぶり行動は異性に向くはずであって、バチェラーの居ない状況ですらああいったアクションを取り続けるということは、猫かぶりでなくナチュラルボーン、すなわちあれは素なのではないか、という説です。心の暗部を見せ始めたエピソード 3、「あざとく行きたいですね♪」というコメンタリーでの所作もそうですよね。もはや表でも裏でも基本的に動きは変わらないんですよ、あゆは。インタビュアーが男か女か知りませんが。
いやちょっと待てよ、あの流し目ふくれっ面アヒル口が見ていた先は、直後のカメラの引きで明らかになっていたはずで、相手は古賀でした。古賀にぶりっ子していた?ということは、

(2) 実は恋愛対象が異性ではない。
否、何しにバチェラー・ジャパンに参加したのかという話になってくるので、まだ仮説 1 の方が自然ではあります。確かに女の子いっぱい来てるけども…でも他に異性、あ…

(3) 実は坂東狙い。
あそこで招待状読み上げてた蒼川の横に立ってたわ。いたじゃん、ぶりっ子の対象。これだ。

おまけに次回予告はあゆを軸とした大揉めの示唆です。キてますよ。言っとくけど推してはいないですからねわたし。ナチュラルボーンアユには、なりたい。ぱっかーんして。ぱっかーーん!

スキ

あれを見て思いました。note だな、と。

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