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『バチェラー・ジャパン』 シーズン1 エピソード7

うーん。

沖縄編あたりまではそれこそ楽しめて観ることができていたのが、もう観ていて辛いというか、ここにきてけっこう不連続に、視聴に対する勢いが削がれた感覚が出てきています。

それは決して番組がつまらなくなったといった類のものではなく、単純に人が減っていくことによる寂しさに伴うものであったり、特にそれまでの番組の雰囲気づくりに貢献していたお鶴の退場によるものであったり、あるいは今回から少し変わったように見えるカメラや編集に感じるよそよそしさか、はたまた富良野の殺風景な銀世界の肌触りによるものか。

あとは何でしょう、編集によるものかもしれませんが、女の子たちのドロドロした「素」がいよいよ隠されもしなくなってきたような気がします。本エピソードではあゆの「無双」が取り沙汰されていますが、あれは横浜での 2 ショットデート争奪ディスカッション等と本質的に変わりはない、既に見てきた類のものでありましょう。番組お得意の演出、あるいはバチェラーによる「お忍び」へのお誘いが大きなトリガーのものです。

そうではない、会話の節々にふっと湧いてくるやつ。

 「凍えてしまえ!」 / 岡ゆり(?)
14 分 35 秒。
バチェラーを誘い、共に外のベンチに繰り出していった蒼川に対し、部屋の中からガラス越しに投げ掛けられる陰口!こわい!発言者がカメラに収められていないため推測ですが、その低めの声色と「言いそう」なのは誰かというのを考えれば、やはり発語者は岡ゆりなのではないかと思います。違ってたらほんとごめん。
バーベキュー(エピソード 3)の頃は「イライラしてきたのでビール飲みまーす」と、似たような感じではありつつも決してそのベクトルは外(すなわち怒りの対象)には向いていなかった言葉の棘が、距離とガラスで明らかに当人には聞こえていないにせよ、確実に外に向かった攻撃的なものに変貌を遂げています。蒼川(とバチェラー)には聞こえてないけど、部屋の中に残されたその他全員にはどう考えても聞こえてますよね。その時はそれを言っても良いような「空気」なのでしょうが、岡ゆりだけいないシチュエーションにおいては、その言葉を発したという事実がまた別の「空気」を醸成しうるものになるという。…考えただけで嫌になってきます!

「そのスカート 1900 円だから」 / 古賀
16 分 58 秒。
かねてから多くの参加者の反感を買っているあゆに対して、話の流れで古賀が不満エピソードを噴出させた際、何故かバチェラーが場の打開を図るかのようにあゆを 2 ショットトークに連れ出そうとします。上手くその流れに乗っかり、被害者ぶるようにしてバチェラーとロビー奥へしけこもうとするあゆに古賀がぶっ込んだフレーズ。
モデルのファッションチェック&マウンティングだ!!いやまあ確かにドンキかしまむらに売ってそうなヒョウ柄だけども。そしてその後ろの蒼川の反応などを見るに、思ってても言わなかった子もいるはずなのです。まあしまむらに売ってそうとか言わなかっただけマシか(放映してないだけの可能性がありますが)。しかし値段設定が絶妙すぎる。
さっきまでは蒼川 vs 他の様相を呈していたはずが、バチェラーの行動および古賀のツッコミによってあゆ vs 他という図へ。そもそもバチェラーはあゆを翌日の早朝熱気球デートに誘おうと眈々と機会を狙っていたことになるので、一方で古賀はその口実を与えてしまったことにもなっています。
余談だけど超重要(?)な感想。両手グーにして口に当てる、いわゆる「ぶりっ子ポーズ」。あれやる人間、実在するんだな。あれを目の前で複数回見せられて、それでもサプライズローズを手渡すバチェラーの一貫した男気を、評価しなければならないのではないでしょうか。

「あかねっちに似てるね!」 / ゆきぽよ
30 分 25 秒。
それなりの降雪がありながら柵の中に放牧されているモコモコのポニーたちに餌をあげることになった、アクティビティに選ばれた女の子たち(とバチェラー)。そこでポニーに餌をやりながらゆきぽよが放った一言。
やめろ
ある意味、服のセンスを指摘する以上に酷。そしてこれが何よりも凄まじいのは、上述の岡ゆりと古賀の言葉が、その場その場における劣勢から出たカウンターのようなものであるとするならば、このシチュエーションにはそのような要素は一切なさそうだったという点です。全くの無から湧いて出てきた言葉だとすれば、これ以上おそろしいものは無いといっていい。それまでのいろいろでゆきぽよが積み上げてきた好感度のようなものを、一度に消し飛ばすインパクトがあります。しかも古賀もバチェラーもいる場での発言ですからね。
そしてバチェラーうけすぎだろ。

…このようないろいろもあり、視聴の感覚が変わってきたのかもしれません。そして今回、あゆのアレコレを除けば内容自体は薄味にすら見えます。先述の富良野の殺風景も一因かもしれませんが、もうここまでくると派手な「アクティビティ」はウエイトを占めるものではなく、会話や心理の機微がローズセレモニーの帰趨を決める、もとい決めるべきだからなのか。一方で次回予告を見る限り、来週のアクティビティはむしろ激化しているようですけど。かまいたちの夜スパイ編かよ。

一見して薄い展開の中では、沖縄での 2 ショットで片鱗を見せていたバチェラーと蒼川の関係性が変奏され(これによって岡ゆりの「凍えてしまえ!」発言が出る)、より展開の収束に向かった確度が増してきています。

他方、そういった展開において一切の主張を出せないまま退場へと突き進んだのが、今エピソードでの脱落者 2 名、豊島と橋本でした。豊島はアクティビティ中のコメンタリーでスタッフへ自白するように、橋本はカクテルパーティー中にバチェラーからの「影が薄い」という突っ込みに返答する形で、それぞれ片鱗を出しています。それらを経て思ったのですが、この 2 名、自ずから「引いた」ように見えました。どうなんでしょう?

橋本はそもそも富良野においてピックアップされるようなことが(少なくとも編集上では)皆無で、エピソード冒頭でも「横浜のカクテルパーティーでは話せなかった」と言っているので、下手をするとサプライズイベント以降、接点が無かった可能性すらあるということになります。そのため一概に、一方的に橋本が引いたとも言い切れませんが、例えば森田ならそこをガツガツ攻めていくであろうわけで、やはり今回の残留組に比べるとオフェンシブではなかった(もちろん性格面も考慮しなければならない)。かといって蒼川のように、パッシブに行ってもバチェラー側からどうこうといったものがあるわけでもなく(そしてその蒼川はここにきて攻勢に転向した)。まあ…つらい!

そして豊島。彼女のストーリーはやはり、エピソード 5 の牛車デートと、その後のローズセレモニーでの涙をもって終わっていたのではと思います。横浜では多少盛り返しているようにも見え、結局どっちなのか前エピソードでは判断つきかねる部分もあったのですが、環境が環境ですし、まあいろいろあるのでしょう…難しい!

この「相対的に一般人的であった」2 名の脱落によって…なんかもうヤバいかキャラ濃いかしか残ってないな。やめろ。

橋本のところで引き合いにも出したように、森田は本当にバチェラー一筋な感じがすごい。今回は 3 連ジェスチャー「コレか、コレか…コレです!」よかったですね。ちゃんちゃん焼き食べたくなってきた。そして森田に比肩しうるゾッコンは、岡ゆり(くらい)なのではないかと思っています。岡ゆりの行き方はノルマを設定/(スタッフもとい視聴者に向けて)公表するなどゲームライクではあるのですが、それが思い通りにいかなかったときの取り乱す感じや、そもそものアプローチに自己コントロールが効いてないあたりが、特に。自己開示は本当に真摯なまでにやってますよね。他の 4 人はこの 2 人に比べるとまだ目がハートになってない感じがします。

目がハートになっていればいいというわけではない。

そんな強キャラ/ゾッコン入り乱れる中、次回予告のなんだあれは。視聴者は、松長の遺した(?)あの言葉を思い出して臨まなければならない、そんな気のする波乱の予感ですね?!そして坂東、今回ホテルのエントランス前で女の子たちの到着を待ってるときも大概さむそうでしたが、次回のあれは大丈夫なんですか。

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