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『バチェラー・ジャパン』 シーズン1 エピソード5 (1)

エピソード 4 から引き続きの沖縄編です。この時点で女性の数は番組開始時の 25 名から半減しており、エピソード 5 のローズセレモニーでは 12 名。さらにそこで 2 名の脱落を経て 10 名まで減るわけです。サバイバルもずいぶんと進んだなあと。

そして今回ついに、推せたメンバーとの別れが…

ナガンヌ島貸し切り

沖縄本島からフェリーで 20-30 分ほどのところにある無人島が、序盤の舞台です。
「今日はこの○○、貸し切りです!」
でおなじみの、エピソード序盤でのバチェラー豪遊示唆フレーズは、ついに島ひとつが射程になりました。すごい、次は街ひとつ貸し切りくるか?
水着回でしたが、番組はこれ見よがしにそれを取り上げることもなく淡々と進行していきます。メス目線で同じく淡々と観ますが、ひとつだけ言っておくならば、飯倉ちゃんのスタイルが凄い。脱ぐと凶器ですねあれは。日本刀。

まずはナガンヌ島の透明度の高い海を活かしてのマリンウォーク。エア圧送機能のあるシンプルな箱型ヘルメットを頭に着けるだけで、そのまま海底(といっても水深数メートルほどでしょうが)を散歩できちゃいます。比重どうなってるんでしょう。
マリンウォーク組 4 人(あゆ、飯倉、鶴、KONAN)は次のグループアクティビティにおいても全員ピックアップされるなど、デートの指名が偏ってきた印象を受けました。この集中指名が決して対象メンバーの残留につながるとは限らないことも、終盤で明らかになるわけですが。
るすばん組の焦りもピックアップされます。特に今回は全体を通して松長と森田のインタビューが多く。松長は富士での乗馬サプライズローズ以降、まともにデートの機会がありません。森田は…オルゴールが主旋律を奏でる、少し女の子の嫉妬が見える際にかかる曲が森田のテーマソングと化しました。キーンコーンカーンコーン。森田がコメンタリーで出る時にはほぼあの曲が流れるし、あの曲がかかるときはだいたい森田が喋っています。笑えます。前回は酒が入ると異常な動きをみせる戦術級兵器のような側面が強調されていましたが、今回のインタビューで、彼女のそれに酩酊は必要ないことが明らかになりました。素面でいけるということです。もうなんかこわい。異常行動。

岡ゆりが完全にゲームメイカーのポジションを確保。化けましたねえ。序盤の目立たなさからは、まさかここまで前面に出てくることになるとは想像もつきませんでしたが、何より富士編までは片鱗すら描かれなかったアプローチに関するノルマ設定や履行の様子が、今回は詳細まで取材されています。こういった強かさは他の参加メンバーには無いでしょう。彼女の自信が一体どこから湧き出ているのか明らかではありませんが、圧倒的な場馴れ感、要所での「私はまだやれるし残れる」といったコメンタリー、自分とは対極にいると位置づけた蒼川に生き残ってほしいという理由で行う説教(相手年上だろ…?)や焚き付け等、ある意味で「ゲーム」を最も楽しんでいる存在であることには間違いありません。推せるタイプではありませんが、番組には不可欠な存在として、その存在感に脱帽します。鶴さんのことだけは本っ当に嫌いそうなのも良いね!!

そしてその岡ゆりも注目する蒼川が、彼女に引き続いてナガンヌ島砂浜 2 ショットトークの 2 人目に。直前に挿入された森田のコメンタリー(BGM はやっぱり森田のテーマ)が対比にもなっています。ここでのバチェラーと蒼川のやり取りは非常に示唆的だと思いました。こんなに積極的なコメントを直接女の子に対して投げてるバチェラーって、今まで見なかった気がする。決してアクティビティに重点的に誘われているわけではない蒼川ですが、現時点でバチェラーの中でのプライオリティはかなり高いと言っていいのではないでしょうか。

美ら海水族館

沖縄本島に戻っていきなりタイマンデート。なんと指名されたのは橋本でした。前回の耳打ち内緒話でのデートおねだりが功を奏したのかもしれませんが、これまで対外的にはどこか KONAN とセットであった印象が拭えなかった彼女がフィーチャーされた瞬間が具体的に、そして思ったよりも早く訪れた手触りです。というより、女の子によってはそういったフィーチャーが来ることが無いまま退場する可能性すらあるわけで、これはたいへんに意外、かつ良い展開でした。

数いる女性陣の中で相対的・対外的に大きなアドバンテージが見えてくるわけでもない橋本のような人が表舞台に躍り出る展開というのは、観ていてぐっときます。何か託したくなるような。こういったコントラストが付く瞬間だったり、後のことはどうあれその時のコントラストは紛れもなく楽しかったという感情であったり、そういうものが普通の人(?)に降りるというシークエンス、彼女の言葉を借りるならば「ドラマのヒロインになった気分」は、これまでのバチェラー・ジャパンではありそうで無かったものでもあります。良いもの見させてもらいました。
そしてサプライズローズのプレゼント。橋本泣いちゃったよ。しかしこのサプライズローズというレギュレーションがその場限り(当該回のローズセレモニーまで)の効力に留まることを、我々はもう沖縄編での松長の扱いから心得てもいるわけです。もー。バチェラーは橋本に別の涙流させちゃだめだからなー。

本島アクティビティ

バナナボート・チュービングとパラセーリング。先述した通り、あゆ、飯倉、鶴、KONAN が引き続きの指名です。加えて岡ゆり、蒼川、ゆきぽよ。ものすごくフォーカスが絞られている指名です。

ゆきぽよと KONAN がパラセーリング体験、鶴さんを除く他 4 人がバナナボート・チュービング。ゆきぽよのコメンタリーが良かったです。
「しかもー、カップルつなぎ!」
くぼりん高所恐怖症なんだな。わたしもだよ。よくパラセーリングとかやろうと思ったな。
鶴さんは何しに指名されたんだろうと思いきや、浜辺のソファベッドでの濃密な 2 ショットが用意されていました。
「他は?」「脱いで」
心底不快そうな顔をする岡ゆりのリアクションを積極的に拾うカメラと編集でしたが、今回より一層磨きのかかっていたあゆのぶりっ子リアクションが、お鶴空間の中で消失していき段々と素に嫌そうな顔しかしなくなっていくところが、隠れたもうひとつの見所でしょう。注目!

岡ゆりとは対極ですが同じくゲームに欠かせない人材として、鶴さんもその力をいかんなく発揮します。ただ、橋本ピックアップを受けてのコメンタリーや、今回のローズセレモニー前後あるいはシャンパンパーティーでのとある行動といい、ちゃんと見るとこも見てるんですよね。岡ゆりほど分析に寄らない、エモの混じるコメントの数々も好みです。

豊島はるかの機微に思うこと

ビーチでのアクティビティの裏では水牛車タイマンデートの準備が進められており、日没にかけてのその時間は豊島が指名勝ち取りと相成ります。このとき指名から外れた松長を自意識過剰と切り捨て嗤う森田、富士編のマウンティング返し!あんたも一切誘われてないけどな!!

本エピソードの後半は豊島の機微に注目して観ていました。「後悔しないように」ということ。これは終盤のシャンパンパーティーにおけるもうひとりの女性の感情面においても変奏されており、エピソード 5 でのテーマのひとつであるといえましょう。
沖縄編序盤までの詰めの甘さの分も回収するように、今回は分厚いノートを用意してバチェラーに想いを伝えた豊島。ここで前日の橋本とは異なりサプライズローズを貰えなかったことで、何かが一区切りついてしまったのかもしれません。宿に帰りついた後の彼女のコメンタリーの端々からもその雰囲気は滲み出ています。おそらくゲームの途中で自ら脱落することを考えたのは、木村ゆかりだけではないはずで。特に今回のローズセレモニーで 1 人目に指名された際にバチェラーの目の前で見せた豊島の逡巡はかなり露骨でした。あれは彼にも伝わったんじゃないかなあ。しかしながらそこからずるっと受け入れてしまうのもまた豊島らしく。

脱落者が決まってから後悔するのでは遅いし、またバラを拒否したところでそのバラは死に票になるというレギュレーションは、ゆかちんの件で把握できてもいるわけです(辞退の意思表示によって別の誰かが救済されるわけではない)。ただ、毎回ローズセレモニーの度に人一倍涙を流していたことを顧みると、懊悩は前々からあったのかもしれません。森田のように冷遇されつつも異常な入れ食いを見せるメンバーもいる中で、自分のバチェラーに対する意識レベルはどうなのか。今回のデートを経てそれらが形を結んでしまったのでしょうか。彼女が 2 人目の「自切」者になるのか、あるいは今回の逡巡をみたバチェラーが次回、応じた選択を見せるのか。

豊島に関してはアプローチの初手でウエッとなったので、正直今も全く共感できる対象ではないし、変わらず苦手ですらあります。ただ今回はその独特な立ち位置と心情の顕在に見入ってしまいました。

余談ですがバチェラーの豊島に対する呼び方が「はるちゃん」から「はるか」に変わる瞬間がしっかりとビデオに収められており、わたしが聞き逃すはずがなかった。

脱落

今回のローズセレモニーにおいては 2 名がバチェラーの下を去ります。

1 人目は KONAN。結局主役級の抜擢は無く、しかしながらバランサーあるいはムードメーカーのような役割をバチェラーからも託されていたような側面は確かにありました。岡ゆりや鶴さんのような「役者」たちとは異なる面で、ゲームに必要とされていた大人であったことは間違いない。セレモニーでの別れのシーンで橋本の口から唐突にこぼれた「嘘やん」というつぶやきが表すように、彼女の行動に扶けられて残ることのできた人間がいることもまた事実でしょう。ビーチで仲良しだったゆきぽよの涙も、きっと KONAN に向けられたものです。
沖縄編、特に後半である本エピソードでは重点的にグループデートにピックアップされていた彼女が、なぜその日のうちに切られたのか。ひとつバチェラーの意識が組み換わったとすれば、パラセーリングでの洋上 2 ショットでしょう。そしてもうひとつ、シャンパンパーティーでの森田フォローに関わる鶴さんのあの言動が、間接的にバチェラーの選択に追い打ちのような影響を及ぼした可能性も否定できない。

そして 2 人目。松長。富士編から沖縄編の間、あるいは編集によって切られた他の空白において何があったのかは定かではありませんが、女性陣初のタイマンデート、そして一気にサプライズローズ獲得という富士編での快調な出だしとは打って変わって、その後のバチェラーの彼女への態度はそれこそ「存在が消えてる」かのような虚無に満ちていました。
沖縄前半でバチェラーが「(松長のプレゼントした)ブレスレットが切れた」と言っていましたが、あれが予兆だったのだろうなと思います。そもそもそんな簡単に切れるような素材には見えなかった。
今回全体を通して敷設された松長のコメンタリーも、彼女自身が読み取っていた濃厚な敗退の気配に関するものでした。と同時に、「後悔しないように」という豊島が提示していたテーマを、シャンパンパーティーでは松長が変奏しています。それでもバチェラーは、彼女への興味を取り戻すことは無かった。この原因に関しては、放映されていた場面から読み取ることは困難でした。本当にわかんない。久保の心よ…
松長、わたし推してたんですよ。それこそシンパシーのある森田への入れ込みなんかとは次元が別、単純にかっこいいと思えていた推しなんです。だから本当にこのわからなさはもやもやする。状況が見えてこないんですから。

はー。このままで終わると思うなよ?だいたいさ、水着回で 30 代 2 人切る人間に対して、わたしはこれから何を期待して番組観ればいいわけ?ねえ。この先まさかこんな何の夢も希望もない展開が続くの?ひろくん!?もう橋本泣かせんなよ!?ひろくん聞いてる?!ねえ?!!!?聞かないならこっちから一方的に話すよ?!!

タイトルに (1) って付けてましたね。そういうことです。続けるぞ!

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