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6時間で虹がかかった話

わたしの価値観が変わったお話。

ところで、ラジオの6時間生放送を聴いたことがある人はどのくらいいるだろうか。

わたしが想像するとしても、あまりいないだろう。私は中学3年生の夏休み、推しの6時間生放送ラジオを聴きながら文化祭ポスターを描いていた。

6時間。睡眠時間より長いこの時間、淡々と流れてくる声に耳を傾けながら文化祭テーマにかかわる『虹』の絵を描いた。

今までの私は推しが最優先であり、グループだとしても好きな1人だけを目で追うような、他のメンバーにはあまり興味がない人間だった。

だが、この6時間で私は1人では出せないグループの良さ、他のメンバーに目を向けてみることのおもしろさに気づいてしまった。
それは真田佑馬というひとりのメンバーからだった。

あんなに集中してポスターを描いていたはずなのに、大好きな推しの声だけを追っていたはずなのに。すべてが終わった6時間後、私の中に残ったのは彼だった。こんなにも面白い事の言える人がいるなんて。今まで彼の話を聞いていなかったことがもったいない。そう思った。

そこから私は7人のメンバーそれぞれの「声」に耳を傾けるようになった。

7人が作る世界が虹のように見えるようになった。それぞれは違う色を持っているけれど、境目は見えない。どこが混ざってもきれいに見える。7人はそんな人たちだと思った。7人のどこがかけてもいけないと思うようになったこともここがきっかけのように思える。

私はこのラジオを聴いていなかったら今もまだ推し一人だけに目を向け、どんなにメンバーが素敵でも、メンバーと関わる推しがきらきらしていても気付かなかったと思う。

私が今もこのグループを好きで、人生の中で大切にしたいひとつの出会いだと思えているのはこの6時間があったからだと思う。

中3で聞いたこのラジオから6年が経とうとしている。長いようで短い6年。今もなおグループである推しを大切に思えている。そのきっかけをくれた彼とラジオには感謝をしたい。

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