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ブライダルMCの接客の流儀

接客において大切にしていることはなんですか?

世の中に数多存在する接客業。きっと皆さまそれぞれに思うところがあるのではないでしょうか。

今日は『接客業の極み』とも言われるブライダル業界に17年身を置いてきた私が思う、接客業において大切なことについて書いてみたいと思います。

私が思う、『接客とは?』

それは、お客様を不安にさせないこと。

思えば、私自身がお客様と接する時に心がけていることは全てここに通じています。私にとっての『お客様』というのは、新郎新婦やイベント司会をご依頼くださるクライアントさんばかりではありません。例えば結婚式で言えば、お2人の親御様、ゲストはもちろんのこと、ご一緒するスタッフの方々(プランナーさん・キャプテン・音響さん・サービススタッフさん)に対しても同じです。

理由は簡単。この人大丈夫かな?と思う人に人生の大切な節目を任せたいと思うでしょうか?スタッフさんの立場からすれば、一緒に仕事をしたいと思うでしょうか?(答えは書くまでもありませんよね^^;)

ブライダルに限らずとも、例えば飲食店やアパレルショップ、美容院他様々、自分がサービスを利用する側から見ても「ん?」と思うその気持ちの正体は「この人(店)大丈夫・・・?」という不安です。

さらにその不安を深堀していくと、不安を呼び起こしているのは①意図が通じていない=コミュニケーションが覚束ない、②明らかにマニュアル対応、➂知識と経験が不足している、...といったことが要因だなと感じるので、私はお打ち合わせの時、本番の時、徹底してこうした振る舞いにならないよう心掛けています。

不安にさせない『振る舞い力』を身に着けよう

ただ、先に挙げた不安を招く接客の要素3つの中で➂知識と経験不足はいかんともしがたく、何事にも「はじめて」がある以上、新人時代はどうしたって誰もが知識と経験不足です。知識はなんとかカバーできたとしても、それを適切に活かせるかどうかは経験によるところが大きいので、特に新人の頃はこの経験不足が言動に出てしまいがちなのですよね。そしてその言動が見え隠れすると、もれなくお客様に“不安”を与えてしまいます。

ここで役に立つのが『振る舞い力』

知識もない、経験もない、ゆえに当然自信もない。だけど、相手(お客様)にそれを感じさせないようにする『振る舞い』をすることは新人・ベテランに関わらず訓練で身に着けられると思うのです。

姿勢・表情・話し方、言葉選びの全てを駆使した『振る舞い力』は周りを不安にさせないだけでなく、自分のメンタルにも良い影響をもたらしてくれます。 

心と体は繋がっているので、大丈夫な振る舞いを心がけているうちに「私は大丈夫。できる。」という自信も育ち、その自信が名実ともに「素敵な人」への成長を加速させてくれるのです。

たまに、「私慣れてなくて・・・」とご自身の自信のなさや経験の浅さを予めカミングアウトする方がおられますが、私は、ことブライダルMCにおいてはその行為はご法度だと思っています。

だって、大切な結婚式&披露宴当日、マイクを持つのは、司会者である私一人。他の職種なら先輩のサポートを担保にお客様を不安にさせないこともできるかもしれませんが、司会者においてはそういうわけにはいきません。

司会者である私自身がお客様に『安心感』を与える存在であるべきなのに、不安に思わせてしまうかもしれない発言をしてしまうのは、それを聞かされる相手の気持ちを考えていない自分本位な言動だと思うのです。

同じ理由で、無事に務めを果たしたあとのご挨拶の際、「至らないところもありましたが、ありがとうございました。」などと口にするのもNGだと思っています。具体的に何かをやらかしてしまった時にはもちろん別ですが、そもそも『プロ司会者』としてお任せいただいているのだから、“至らないところ”があっちゃダメでしょ、と。

もし、「至らないところもありましたが...」と言いたくなった時には、その言葉をぐっと飲みこんで「至らないところがあった」と言いたくなる自分を顧みてみましょう♡

(念のため書き添えておくと、お客様に不安を与えないように振る舞うことと隠すのこととは違います。場合によっては、経験のないことをお互い把握しておいた方がかえって安心・安全に繋がることもあるので、その点も併せて心に留めておかれると良いと思います。)

不安は『クレーム』の生みの親

そしてもうひとつ、大切なこと。接客においてなぜ不安を避けなければならないのか?

不安はクレームを生むからです

先にも書いたように、不安からは「この人大丈夫かな・・?」という疑いが生まれます。そしてその疑いは、誤解を呼び、クレームを招きやすくしてしまうのです。

どの業界においても、「クレーム」というのはお客様からの貴重なご意見とも言え、決して忌み嫌うものではないと思うのですが、やはりここもブライダル業界においては少々特殊。そのおひと組にとっては一生に一度のお買い物です(しかもかなり重要かつ高額な)。

「次から気を付けます。」「今後改善します。」が通る世界ではありません。

ブライダルにおいてはやはりクレームは全力回避したいところ。そのためにも『不安を与えない振る舞い』を徹底して心がけましょう♡

【おまけ】歯医者さんに思う接客とは・・・

ここからは余談なので、ご興味・お時間のある方のみどうぞ^ ^

私がこの記事を書くに至ったのは、とある歯医者さんがきっかけでした。
44年の人生で初めて「いい♡」と感じ、安心して通っている歯科医院です。

他の方がどうかは分かりませんが、少なくとも私は歯医者も含め病院は治療を受けに行くところ、そこに接客もしくは接遇の心得なんて求めるべきじゃないのだと半分、いえ半分以上諦めに似た境地にいます。

そんななか、たまにしか行かない歯医者さんと言えど、少しでも“安心して”、“嫌な思いをせずに”通えるところはないだろうかと放浪していたのです。

しかし、どこへ行っても大体は

・愛想がない
・先生の声が小さい
・目が合わない
・説明が足りない
・保険外治療をやたらお勧めされる ......

など、大なり小なり不安や不満、時に疑念を抱えながら医院を後にすることがほとんどでした(笑)

ところが。

この歯科医院は、そんな私の過去を一掃するかのように、しっかり私のハートを掴んでくれたのです。

「この歯医者、めっちゃいい♡」

何がそんなに良かったのか?を言葉にすると、
とにかく『安心』。

その安心をもたらしてくれるのは、丁寧で分かりやすい説明なのです。もちろん、先生のちゃんと聞こえる声と柔らかな物腰も◎♡

そもそも病院は接客業じゃない、というお声もありますし、たしかに医療を目的とした病院を接客業と言うのは少々乱暴なのかもしれません。

しかしながら日頃小児科、内科と様々足を運ぶなか、病院も接客業だよね、と思わずにはいられない瞬間が多々あるのです。

だって.....

病院って『不安抱えてる人』が来るとこじゃん!と(笑)

そんなわけで、引越しでもしない限りこれで私の歯科医院放浪記もようやく幕を下ろせると嬉々として通い続けること幾度か目のある日...

その歯科医院で初めて不安に襲われることがあったのです。

待合室で名前を呼ばれ顔を上げると、初めてお見かけする女性スタッフ。声は小さく、腰は引け、「こちらへどうぞ」と誘いながらも目は泳ぐ...まるで初心者マークをお顔に貼り付けているような、自信のない様子がありありと出ておいででした。

新しいスタッフさんかな?と思いながら指定の小部屋に入り、先生が来るまで待っていようと思った矢先、「では倒しますね...」とどうやら今日はその方が私担当の歯科衛生士さんのようなのです...!

私 (え....あなたがやるの....?)

その方のご経験を知りもしないうちから本当に失礼な話なのですが、私の中には確かな『疑い』と『不安』が芽生えてしまったのです。。

その方はほぼ無言で私の口内をいじり始めました。

不安。不安。ねぇ、大丈夫?それ、合ってる?

と疑いの嵐(笑)

まもなく、いつもの歯科医師さんが来て、安定の丁寧さと分かりやすさで私の不安を中和してくれたのですが、案の定、その初心者マークさんは、明らかに不慣れな手つきとオペレーションで終始私を不安にさせていました(苦笑)
(器具が歯茎に当たって痛い、とか、水が出てない、とか、指定されたものと違う薬剤を持ってきちゃうとか・・)

でもね、“不慣れであること”は仕方のないことだと思うのです。私自身も初心者時代に温かく見守っていただいたおかげで今があるのだし、今となっては初心者マークのMC達を現場に送り出す立場です。

多少歯茎が痛くても、唾液をいい具合に吸い込んでいただけなくても、コップに水が入っていなくても許容範囲。いわゆる医療ミスさえ避けてくれれば御の字くらいの気持ちで身を預けながら、(ハッタリでもいい。自信ありげでなくてもいいから、せめて自信なさそうな振る舞いはしないでほしかったー)と感じずにはいられなかったのでした。

司会や歯科医院に限らず、接客業において、好印象を与えることも大事だけれど、それ以前に不安にさせないための『振る舞い力』って超〜〜〜〜~大事....!!!

さて。今日もこれから歯医者です。どうかあの方じゃない方が担当でありますように(泣笑)

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