なるほど東照宮(3)
それでは続きです。
阿房丸(あぼうまる)
阿房丸(あぼうまる)。表門に向かう右手の石垣にある石の名前です。
縦3.25m、横6.30mの巨石で、東照宮で一番大きな石です。
東照宮建設の報告書「御造営帳」によると、工費の13%が石工事に注がれたそうです。
表門
東照宮最初の門「表門」。
正面左右には高さ約4mの阿吽(あうん)の仁王像が安置されています。
阿吽は仏教の真言のひとつ。
「阿(あ)」は、口を開いて出す最初の音、「吽(うん)」は、口を閉じて出す最後の音、それぞれ宇宙の始まりと終わり(万物の根源と具現する知徳)を意味するそうです。
表門裏側
表門をくぐった裏側には狛犬がいます。
表側の仁王像は仏教の象徴、裏側の狛犬は主に神道の象徴、同じ門にこの2つがあるのは、ここ東照宮と東大寺だけだそうです。
そもそも狛犬とは、至上最強の動物がモチーフ。
諸説あるようですが、中国から伝わったのが「唐獅子」、高句麗経由で伝わったのが「狛犬」という説もあります。
虎は何頭?
表門の裏側には、4頭の虎の彫刻が並んでいます。
でも、よ~くご覧ください。
右から2頭目は体の模様が違いますね。縞でなく丸模様です。
実は、これは豹(ひょう)。
なんと江戸時代には、豹は虎のメスと思われていたそうです。
三神庫(さんじんこ)
表門をくぐると見えてくる三つの建物。向かって左から、上神庫、中神庫、下神庫。総称して三神庫(さんじんこ)です。
これらはいわば倉庫。
春・秋に行われる「百物揃千人行列」の衣装や道具などが納められています。
想像の象
上神庫の妻にある2頭の象の彫刻。
これは、東照宮造営の際、アートディレクター的役割を果たした狩野探幽(かのうたんゆう)が、本物の象を見ずにデッサンしたものを基に彫られたもので、「想像の象」と呼ばれています。
よく見ると、耳が裏返っていたり、尻尾の形が違ったりしています。
次は、三猿で有名な神厩舎です。
(つづく)
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