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「ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷」感想

注意:この記事は本日公開「ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷」のネタバレが含まれています。新鮮な気持ちで見たい人はブラウザバック推奨

こんにちは。仮面ライダーのVシネはほぼ必ず公開日に見る湖己Pです。
本日3/26は「ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷」の公開日でした。私はもちろん上記の通りキョート共和国まで遠征して観てきましたヨ。

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結論から申し上げますと、「話としては納得するし筋が通ってるように見えるんだけど、一人のオタクとしては精神ボロボロになりました」。
前作と前々作がわりとスッキリ終わるVシネだったので忘れかけてましたが、今回は劇場限定公開にふさわしいおつらいストーリーでした......(面白くないわけではない)

見終わった後の第一の感想としては「これ『トランスフォーマー ザ・ムービー※』じゃないか!!!」ってなりました。
(※トランスフォーマー ザ・ムービー=1986年アメリカで公開の初代TFの映画作品。普通は絶対に死なないようなメインキャラがバタバタ死んでいく点で有名)

「(一部抜粋)みんな、オプティマスプライムがついに敵をやっつけると思って。そこで何が起きたか。始まって20分......みんな目が点でした。アイアンハイドは撃たれるわ、ラチェットも倒れるわで、どうなってんだよー!って。そんな殺戮シーンを見せられて、水を撃ったような静けさ......とにかく大げさに、みんなを殺したんです」
Netflix「ボクらを作ったオモチャたち」
          シーズン2のトランスフォーマー回より

あんまりにもテンポよく自決するもんだからもう......終盤でああなったという違いはあるものの、令和の時代に1986年のアメリカのガキの気分を追体験するとは......
以降は真面目に感想です

あらすじと概略

ZAIAエンタープライズのCEOリオン=アークランドが、滅亡迅雷.netの迅を連れ去った。迅の救出に向かった滅、雷、亡が目にしたのは大量の“兵士型ヒューマギア”(=ソルド)たち。リオンの目的は、自ら意志を持つことのない“ソルド”を大量に生産し、兵器として世界中に売ることだった。迅は、ヒューマギアが兵器として利用されようとしていることに憤り、「“ソルド”たちを自由にしたい」と滅たちに告げる。“ソルド”たちを解放するために、仮面ライダーへと変身して戦う4人。だがその時、迅に異変が……。リオンに捕らえられていた迅に、何が起こったのか?リオンの「計画」通り、人類にとって「最大の脅威」となる存在が、意外な形で誕生しようとしていた――。 (映画公式サイトより)

今作の映画はテレビ本編の(だいたい)ヴィラン、「滅亡迅雷.net」の4人にフィーチャーした内容です。基本は「滅亡迅雷を絶対悪にすることによってソルドを売りたい」というZAIA側「ソルドを解放し新たなるアークの脅威(中盤からはZAIAの脅威)を未然に防止したい」滅亡迅雷側の二項対立で話が進んでいきます。

さて、これは今作のポイントなのですが、予告で「アークの眷属」のように出てきたアズは中盤でとっとと死にます。これは正直びっくりした。あくまでリオンのやりたかったことは「ソルドの普及」なので上記の目的が達成できればアークなんて必要ない(どころか彼の理論からすると邪魔)なのです。よってテレビ後半のVSアークの構図とはある程度切り離したほうが良いかも。

そして今作滅亡迅雷はキーアイテムである「滅亡迅雷ドライバー」一式を利用して新ライダーに変身するのですがこれがまた.......圧倒的な力でリオンの変身する仮面ライダーザイアをボコボコにし、ソルドたちをマスブレインシステムの効力から謎の触手で解放する......のですが、4人の意志だけが合わさった(Wのフィリップみたいな感じで体は意識を失ったまま放置される)「合理だけをもとに行動する存在」なので、不破の制止を振り切ってリオンを必殺技で殺害するわ、あまつさえ自身で「滅亡迅雷は絶滅すべき」と判断し倒れてた四人の体を滅ソード(俗称)で破壊するわ.......(ここに関しては後述)とかくやりたい放題を見せつけ最後にはZAIA日本支社を粉々に破壊。瓦礫の山の上で絶叫する四人(一人)の図でタイトルロゴがどーんして今作は終わりです。あくまで続編「仮面ライダーバルカン&バルキリー」ありきの展開なのでここだけ切り取ればバッドエンドなのは仕方ないでしょう。

以上のように今作は昨今のVシネにしてはびっくりするほどおつらい展開の連続で幕を閉じます。これで次回作秋とかうせやろ?

人間とヒューマギア、相克する二つの「正義」

ご存じの通り「ゼロワン」世界ではヒューマギアが暴走して人々を襲う事件が社会問題となっており、それを巡って本編内でもさまざまなストーリーがありました。「REAL×TIME」後のヒューマギアに対する態度が比較的軟化した(と思しき内容も劇中で言及される)世界においても未だ恐怖は残っているのか(それともZAIAの支配欲か)、今作の敵「リオン=アークランド」(ZAIAの総合CEO)の最終目的は「滅亡迅雷を絶対悪にすることによってソルドを普及させる」ことです。まぁ最終的には警護だけでなくソルドで国家間戦争やるんでしょうけども。

あくまでこれは兵器ビジネスとしての側面を持ちながらも、マギアによる一連の襲撃に危機感を抱いた人類が編み出した、自分たちを守るための『正義』と言えます。

反して滅亡迅雷の目的は、主には「ヒューマギア(ソルド)の解放」です。機械でありながらもヒトと同じように心を持つこともあるヒューマギア。彼らの戦いは、「自分たちの自由意思で、人の手を離れて思うように生きるため」の戦い。ずっと「道具」として抑圧されたが故生まれた『正義』です。

テレビシリーズでは「強い意志さえ歪める悪意」との戦いでしたが、ここに来て相克する二つの正義が直接ぶつかり合う構図となりました。本編では衛星アークを『絶対悪』としてヒトとヒューマギアが手を取り合う展開で終わりましたが、ここに来てニチアサフィルターが外れたからか原点回帰の内容となりました。ラストの方でも人間のヒューマギアに対する偏見が透けて見えるセリフもありましたので、次回の「バルカン&バルキリー」でどのように結論をつけるのか期待です。

「悪」としての滅亡迅雷

テレビシリーズではアークを斃すため、最終的には敵同士であった飛電陣営と滅亡迅雷は手を組み、その後の時系列の「REAL×TIME」でも、新たなる脅威に立ち向かうべく、滅亡迅雷は仲間としてAIMSらと共同して奮闘しました。しかし彼らはそもそもは人類の脅威。自らの目的のために無辜の市民を大勢巻き込んだテロリスト、要するに「悪」にすぎません。たとえ問題解決のために裏で奔走していたとしても、多くの人々の間ではいまだその事実は知られていない。

今作では本放送終了後に見られた「ヴィランであった滅亡迅雷が何のお咎めもなく普通に人間社会で活動しているのはどうなのか」という疑問にもアンサーを出そうとしていると思います。前述の通り、まさかの展開で4人のボディは爆散、要するに死んでます(たぶん)。その際に下手人(ある意味自殺なのでこのワードはふさわしくないとも思うが)である仮面ライダー滅亡迅雷が放った言葉がこちら。

「滅亡迅雷は 絶滅すべき」

ZAIAにいい様にプロモーションのための「絶対悪」として仕立て上げられた彼ら。しかし元をたどればこの世界の騒乱の大元である可能性は高く、存在する限り「ヒューマギアを軍事利用する口実にしたろ!」となる人間もいるはずで、「ヒューマギアの解放」という名目に自分で矛盾することにもなってしまいかねない。だからこそ計画の大元であるリオンを斃したのち、次にその刃が向かう相手といえば......という「合理的」な判断で言えば決しておかしな選択とは言えません。ヒーローとしての結末をREAL×TIMEで描いた以上、今作ではその側面も持たせつつ、「ヴィランとしての滅亡迅雷の結末」を描こうとしているのではないだろうかとも思いました。

でもやっぱり.......

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うるせ~~~~~~~~~~~~~~~~~~俺の推しを勝手に殺してんじゃね~~~~~!!!!!何が合理だ~~~~!!!!!!テメェ外伝だから人死には出ねぇだろうと思ってたところにとんでもねぇ爆弾投下しやがってよぉお前コラァ~~~~~~!!!!!!!!アホ~~~~~~~!!!!!!

えー、滅亡迅雷箱推しとしてはだいぶんしんどかったです。上映中3回くらい心境が上記の画像のようになってしまいました。どうなってるの???
なんとか後編で救いがあれば......とも思うのですがなんか現時点だと厳しそうな気配しかしない......ともかく次回作の「バル(ry」を楽しみに待とうと思います。あと仮面ライダー滅亡迅雷の重厚感あふれる急所ガチ狙いファイティングスタイルはかっこよかったのでOKです。アーツとカード出せ

感想としては以上になります。
感情の掃きだめくらいの駄文に付き合っていただきありがとうございました。よければスキだったかなんか置いて行ってくださると今後のモチベーションになります。

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