マガジンのカバー画像

商品企画に役立つ繊維基礎講座

43
国内の繊維産業の衰退は著しく、多くの繊維製品を扱う会社が海外生産を請け負う商社に素材選定から企画まで丸投げしています。結果、以前のようにモノ作りの現場を知っている商品企画や生産管… もっと読む
運営しているクリエイター

#生産管理

商品企画に役立つ繊維基礎講座:目次

下の目次に従って順番にノートに記載していきます。書きあがったら目次にリンクを貼っていきます。少しずつの更新になりますがどうぞよろしくお願い申し上げます。 第1章 繊維原料編 コットン、ウール、ポリエステル、シルクなどの原料について 第2章 紡績糸、フィラメント糸編 糸にはフィラメント糸とスパン糸がある。〜製造工程を示して違いを明らかにする 第3章 繊維素材編 織物とニットでそれぞれ代表的な組織の解説〜平織りとか綾織と天竺とか。 第4章 染色と加工の基礎知識 素材別の最

第1章 繊維原料編

衣料品に使用されている主な繊維原料を順番に解説していきます。 ちょっと古い資料ですが、これらの繊維のシェアがわかる円グラフを載せておきます。ポリエステル が圧倒的に多いこと、天然繊維では麺が多いことがわかります。この状態は2019年の今も同様です。 1.天然繊維  1-1.植物繊維    ・コットン    ・麻(リネン、ラミー、ジュート、ヘンプなど)  1-2動物繊維    ・ウール    ・カシミヤ    ・シルク 2. 再生繊維  2-1 レーヨン 主にパルプが原料  

第1章繊維原料編 1.天然繊維〜1-1植物繊維1

コットン コットンの品種は下記の3つがあります。超長綿とかシーアイランドコットンとかスーピマなどよく耳にするブランドですが、品種としては同じ。ただそれぞれ独自の品種改良や気候により特徴があります。超長綿はしなやかで光沢があり、天然の油分=綿蝋がぬめり感をもたらし高級感につながっています。クリーニングや家庭洗濯でこの綿蝋が徐々に落ちていくので、風合いが変わった、パサパサになったなどのクレームにつながることがあります。吸水性についていえば綿蝋はないほうがいいです。綿蝋についてほぼ

第1章繊維原料編 1.天然繊維〜1-1植物繊維2

麻 衣料品として使用されるのは、リネン(亜麻)、ラミー(苧麻)。その他、ジュート(黄朝)、ヘンプ(大麻)、ケナフ、サイザル麻 マニラ麻などがある。下図はラミーとリネンの比較表です。  麻はコットンと同様に衣料品やホームテキスタイルとして広く用いられるが、コットンと比較して優れている点として、  ・涼しい(夏の衣料品に最適)。理由は熱伝導率が高いから。  ・強度がある。特に濡れた時に強度が増す。つまり洗濯に強いといえる。 逆に欠点としては、  ・しわになりやすく、アイロンでも

第7章 品質表示について 2-4 付記用語〜商品説明、デメリット、注意表示

 洋服の脇についている洗濯表示が印刷されてるタグ。洗濯絵表示の他に、色が落ちやすいから白いのと一緒に洗わないで、とか洗濯ネットに入れて洗ってくださいとか色々書いてあります。  素材や洋服のパターン、副資材など総合的に判断して色々な文言をタグに書き加えるのです。決まった表現があるわけではないです。以下、色々想定される事故を避けるための付記用語例です。参考にしてみてください。 性能別の付記用語 素材別の付記用語1 素材別の付記用語2