統合失調症の投薬治療:家族として見てきたこと
インスタグラムで姉との日常を漫画で描きはじめてはや3年くらい。
嬉しいことに、当事者のご家族からメッセージをもらうことが多くて、漫画を描くモチベーションにもなってる。
(月に1回くらいしか投稿してないけど、やめずに続けられていることで自分を励ます笑)
そこでたまに聞かれるのが
「お姉さんはお薬はどうしていますか?」ということ。
薬を飲みたがらない当事者の方は結構いるようだ。
うちの姉の場合は自ら飲みたがって、1種類の薬をきっちり飲んでいる。
だけど、十数年前に飲んでいない時期があった。
その時、飲むのをやめた理由は、時々どうしようもなく辛くて死にたくなるからだった。
自然療法でケアしながら、様子を見ることになった。
飲むのをやめたら、死にたいとは言わなくなったものの、途端に落ち着きがなくなり、激しい暴力性が出てきてしまった。
スイッチが入るとすごい形相になり、とんでもない馬鹿力が出る。
(人間って理性で力を抑えて生きてるんだな〜とこの時思った)
そのうち警察沙汰になることは簡単に予想できた。
そんな状況で家族全員が疲弊している中、姉は結核になったので、幸か不幸か暴力性のストレスから解放された。
そして結核から完全に回復するまでの数ヶ月、統合失調症の症状が自然に治っていたのだけど、また出てきたので、姉自身が薬を飲むことを選んだ。
それ以来、姉は死にたくなるほど辛くなることもなく、それなりに症状はあるものの穏やかに割と機嫌よく暮らせている。
同じ薬を飲んでいるのに以前とは全く違う。
外に自由に出掛けて、買い物もできる。
これは本当にありがたいなと思う。
薬がなかったらそういう社会生活はできないと思うし、姉は穏やかな社会生活を望んでいる。
同時にすべてが薬の影響ではなく、家族のまなざしが以前とは変化していることも大きいかもしれない。
だけど、当事者の方で薬を飲みたくないという気持ちはわかる気がする。
本人にとっては間違いではないのだと思う。
ただ、家族と暮らすこと、この不自然な社会の一員であること・・・
暴力的なまま社会生活を送ることはとても難しい。
ご家族の葛藤を思うと胸がキュッとなる。
理想と現実。
この難しい状況になにも励ませない自分に無力感を感じながらも、自分の体験を書いてみた。
当事者の方とそのご家族が、心穏やかに過ごせることを心から願っています。
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