マーメイド_コスモスポーツ

生命力イラスト・想い出の車シリーズ③マツダ・コスモスポーツ

今回ご紹介するマツダ・コスモスポーツは、1967年5月に2シータークーペモデルとして発売された、世界初の実用・量産ロータリーエンジンを搭載した自動車でした。

私たちの世代においては、1971年 (昭和46年)の「帰ってきたウルトラマン」において、防衛チームMATの専用車両「マットビハイクル」として のイメージが大きいと思います。

その未来的なフォルムを生かして、大きな改造も無く、ほぼ量産車そのままの外観で使用されているのです。また、同作のオマージュ要素が強い「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」にもNERV官用車として登場しています。これはウルトラマン好きの庵野監督の趣味が反映されているものと思われます。

まさに1970年代においてコスモスポーツというのは「未来車」といってもいいわけです。コスモスポーツの発売に合わせ、東洋工業は、1967年6月1日の新聞各紙に全面広告を出し、市販量産車としては世界初のエンジンであること、耐久性、革新性、スムーズさ、スタイリング、保証制度、装備、発表会の告知等を訴えました。

実はその翌日の6月2日、今度はトヨタ自動車が2000GTの全面広告を出しており、これは当時のトヨタのマツダ・ロータリーに対する対抗意識だといわれています。

前述のとおりコスモスポーツは「帰ってきたウルトラマン」にも登場していますが、トヨタ2000GTも、日本を舞台にした映画「007は二度死ぬ」(1967年)では劇用車としてオープンカー仕様車が登場しています。

また、松下電機創始者の松下幸之助さんは「コスモスポーツ」のロータリーエンジンを評価して、コスモスポーツの顧客第一号となっているのも有名な話です。

ちなみに、この車もコクピットに座らせてもらいました。こちらはお祭りに展示されていた車両で、ちゃんと公式にのれたものです。同時は中学生でしたから、運転はできませんでしたが、憧れのマットビハイクルに乗れたのは未だに忘れられない思い出です。

1960年代後期から1970年代にかけては、実に味わい深いデザインの車が多く発売になっているのですが、今では考えられないくらい自動車にも夢があった時代だったのです。こうしてみていくといい時代だったのだなと思いますねえ。


両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。