あゆみ鎌固め

私的プロレス技名鑑⑥鎌固め

今回はインディアン・デスロックからの派生技である鎌固めです。現在では身体の柔らかい女子選手に使い手が多い技ですが、いわゆるインディアン・デスロックにリバース系の動きを加えた元祖はアントニオ猪木さんだといわれています。

鎌固めとは、若き日の猪木さんの得意技であり、ここぞという時に決めるブリッジは非常に見栄えがする技でした。フィニッシャーではないものの、対戦相手のスタミナを奪うには大変説得力があった、と私は思っています。

鎌固めは、仰向け状態の相手の両足を折り曲げ、相手があぐらをかいているような状況で、そのあぐら状態の中に自分の足を入れて絡めて締め上げます。

足首関節だけではなく、掛ける側が相手の両腿を押し下げるようにすると股関節もやられる拷問技で、激痛も伴います。

鎌固めは、掛ける側が後ろに体重をかけるようにすると更に効きます。ハーリー・レイス対テリー・ファンクからNWA王座を奪った試合で、レイス選手が後ろに倒れこむようにぐいぐいと締め、テリー選手はのた打ち回り、ギブアップ負けしています。

ですので鎌固めは、スタミナを奪うだけでなく、実際にギブアップもとれる技でもあります。この体重の掛け方にも選手の個性や、フィニッシャーにするか否かの意思とかも読み取れてきます。

それを我々観客は手に汗握りながら観戦するわけですが、私個人はハイフライ系の試合より、じっくりした攻防を好みます。ですから、時代に合わせて新しい形の鎌固めが、またクローズアップされてほしいな、とも思っているのです。

あゆみ鎌固め


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両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。