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近況報告(GRAPEVINE・中村佳穂・the HIATUS)

ピタっと更新が止まっておりました。最後のポストは6月のGRAPEVINE郡山の時!長い梅雨が明けて、年々過酷になっている暑さと闘う8月に入ってしまいましたね。さて一体この一ヶ月間私は何をしていたのかと言うと、実は7月の頭に自宅のノートパソコンが壊れました。メーカーに問い合わせたところ、修理ができず、買い換えないと無理だ…という事態!バックアップも取ってなかったのでデータが全部アウト~である事実に凹み、「買い替えかぁ、あぁ出費が…」とさらにがっくり落ちこんでおりました。ところがハードディスクは大丈夫だったのでバックアップは取れることに!(良かった~)私は「データさえ戻ってきてくれるならいいや!」と潔く諦め、新しいパソコンを買い替えようと心に決め、一週間以上放置していた久しぶりにパソコンを立ち上げたら、なんと!パソコン!復活しました(笑)。書きながら自分でも笑っちゃう。ひとまず良かった~ということで、これからまたぼちぼち更新していけたらいいな、と思っているところなので、今後もよろしくお願いします。

さて、6月後半から7月にかけて行ったライヴについて、少しですが書いておきます。

〇2019年6月28日 GRAPEVINE「tour 2019」@東京・お台場 Zepp DiverCity

GRAPEVINE tour 2019ツアーファイナル。正直、ちょっと辛かったです。しかもアンコールで遂にこのツアーの核心に迫っていた気がする…。一言で言うのならファイナルのステージを一言でまとめるとしたら「影があるからこその光」だった。でも、だからこそステージで鳴らされる全てが現実味を持って、私達リスナーの胸に響くのだと思いました。本編はわりとサクサクライヴは進められ、高揚と陶酔のループ。Zeppクラスの箱だと照明が入るので、一曲一曲の世界観に奥行きが生まれる。特に「雪解け」は、幻想的な世界に引き込まれてしまったし、亀ちゃんの後半のドラミングが本当に素晴らしくて。今回のツアー中に何度もバインの心臓だと思わされました。ワンコードで押し通すトリッキーな「Reason」のアウトロ、ファナルが一番混乱しました。そんなファイナルならではなモノがあちこち散らばっていた。

西川さんのギターは「こぼれる」と「Asteroids」が印象的、あと「Big Tree Song」のサビのコーラスはメインヴォーカル並みに声が大きくなかった?金やんは「FLY」のアウトロがかっこよくて優勝。田中さんが「開花」の前に歌ったのボヘミアンラプソディーだったのか(昨年末のパーマに続きQueen)

「少年」はバンドで演るのは封印したと思っていたし、私自身、14年前に激しく動揺したadabanaツアーの呪縛が解けずにいたので、このツアーのでの登場には本当にびっくりしたけれど。でも、今このタイミングでセトリに入れたのは「すべてのありふれた光」の存在があるからかなって思う。実はすでに広島で「少年」を聴いていたけれど、その後に「音楽と人」のインタビューを思い出して。「すべてのありふれた光」の歌詞を夜中に書いていたら感情を曝けだしてしまったというエピソード。あれは、人生観が大きく揺らいだんだと思うし、つまりこの曲の完成はミュージシャンとしても、人としてもすごく大きな出来事だったんだと実感してしまって。なので「すべてのありふれた光」はこのツアーで聴けば聴くほど核心に迫っていく感じがしたし、初めてラジオで聴いたときとの印象も変わった。穏やかで、優しくて、明るい光の曲と思っていたけど、いや確かにそうだけど、本質的には「影の裏に確かな光が今はある」なのかなって。趣向を凝らしたアレンジで回を重ねるごとに化けに化けさせたセトリと田中さんの凄まじい(常にピークを迎えてるような)ヴォーカルからは、バインが新たなステージに上がった事実をまじまじと見せつけられてしまったし、でもその一方で内面的な変化が伝わってきたことは、なかなか感慨深かった。

誰にも言えない若しくは見せられない影があるとして。私は人は皆それを努力や年齢とともに乗り越えられるものだと思って生きてきたけど、でも本当は乗り越えられなくても良くて。その影を抱えながら生きることが、その人の優しさに変わったり「その人らしさ」になるのだと思います。

〇2019年7月13日 中村佳穂「LIQUIDROOM 15th ANNIVERSARY」@東京・恵比寿LIQUIDROOM

即興的でコンテンポラリーな音楽性、もうジャンル中村佳穂と呼んでも良い気がするし、音楽をやるために生まれてきた子なのだと改めて思う。彼女の自由奔放さは魅力的。MCではただお喋りしているみたいにケラケラ笑って、しかし歌い出すと空気を瞬時に変えてしまう。これは観た人みんな彼女に惚れちゃうよ~。ライヴの前半は3月のGRAPEVINEとの対バンでも観た中村佳穂バンドとソロステージ。後半はプラス馬喰町バンドと和太鼓(八丈太鼓?だったかな)を迎えて。太鼓の音を聴くとソワソワしてしまうのは間違いなく国民性だと思うわ…バンド編成と和太鼓のコラボレーション最高だった!これまでにリキッドでは色々とライヴ観てきたけど和太鼓は私初めてです(笑)。秋のワンマン告知の後に「次のライヴはフジロックだー!」って言ってて。私の目線は(勝手に)才能溢れるかわいい妹を送り出すような気分でした。しかも超満員のリキッドには業界の方々もそこそこいらしたので、注目されているんだなぁと…。確かに彼女のような逸材には早々出会えないと思う。あと一枚目のInstagramの写真なのですが、ステージに吊るされていた和紙と竹で作られたであろう照明です。これはこの日のライヴの為に作家さんに作って頂いたものだとMCで話してました。私はライヴがはじまるまでそれが何かわからなくて「巨大な蚕のオブジェか、なんて斬新…」と思ってました(しかも販売するそうです)。

ライヴ自体のアート性が高く、自分の身体の一部であるかのように鍵盤を弾き歌う姿も印象的でした。独創的な彼女のステージを観ていると、ビョークと被る瞬間が私にはあって。となるといづれYUKIみたいな多大な影響力を持つ女性シンガーになるのかしら…これからが楽しみ。どこまでも、どこまでも行ってしまえ!

〇2019年7月31日 the HIATUS 「Our Secret Spot Tour 2019」 @東京・お台場ZeppTokyo

「Our Secret Spot Tour 2019」ツアー初日のZepp Tokyo。ツアータイトル通り、アルバム曲が初披露となったこの日のステージでは、何度かヒヤヒヤっとさせられたミステイクもあったけれど、今年でバンド結成10年目を迎えるthe HIATUSの、過去を振り返ろうとはせずに未知なる場所へと突き進む、バンドの今現在の姿を感じさせる内容に感動する。彼らが音楽的挑戦者であり開拓者であることを、再び確信させられるものだった。ツアーは始まったばかりですしあまり多くは語れませんが、細美さんの歌は初日とは思えないくらい、凄まじかった。

絶対的なかっこよさで見たことのない世界へ連れ出してくれるthe HIATUSの音楽を一言で言うならば「無限大」。新譜が完成するごとに、その音楽性は豊かになり、彩りが生まれ、強い生命力を放ちながら、美しくタフになっていく。その一方でthe HIATUSの音楽は「闘い」でもある。変化の激しい音楽シーンに身を置きながら孤高であり続けるために背負ったリスクは、決して軽いものではない。細美さんは10月1日に開催される東京・国際フォーラム公演のチケットが3,200円に値上がりしていたことを申し訳なさそうにしていたけれど(そして会場にいた誰もが「謝らなくていいよ」と思っていたはずだけど)、彼らは、チケット代数百円単位の差異にさえ拘らなければならない。誰かにとっては、気に留めることもないことにさえ妥協しない。このやり方で10年続けてきた。つまり、必然的に激動の10年を過ごしてきたのだともわかる。けれどステージに上がったメンバーは穏やかで、すごくすごく幸せそうだった。


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