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私たちが育てる生命(高麗人参)


高麗人参

●基本情報


高麗人参とは、オタネニンジンという和名を持つウコギ科の薬用植物の根っこを乾燥させたものです。高麗人参は、中国東北部から朝鮮半島にかけて自生しており、東洋では古来より滋養強壮剤として知られ、現在ではサプリメントなどの健康食品にも配合されています。
日常的に食用として用いられているにんじんはセリ科の植物で、一般的にサプリメントで用いられている高麗人参とは種類が異なります。
高麗人参にはサポニンが豊富に含まれ、高麗人参の良否はサポニンの種類の多さで決まるといわれるほど様々な健康効果を持ちます。
高麗人参は栽培が難しいため古くから高値で取引され、身体的、精神的な健康に効果を持ち、「漢方の王様」ともいわれています。

●高麗人参の栽培年数による違いと種類

高麗人参には、栽培年数によって1年根から6年根までの6階級に分かれます。6年以上経つと表皮組織が老化を起こし始めるため、6年根が最も良いとされています。
高麗人参を収穫した後の土地は、6年間寝かせておかないと次の栽培ができないといわれる程、高麗人参が土地の養分を吸い取ってしまいます。
高麗人参は栽培がとても難しく、高級品として知られ、形の良い天然のものは数百万円もの高値が付くこともあります。

高麗人参の種類には、水参(すいじん)、白参(はくじん)、紅参(こうじん)があります。
水参は畑から掘り、乾燥させないままのにんじんで、白参は水参の皮を剥いでそのまま乾燥させたものです。そして、紅参は水参を長期間保存するために、水蒸気で蒸した水参を乾燥させたもので、その過程でサポニンが多くなります。
高麗人参の中で最も多くの健康成分が凝縮されているのは紅参で、30種類ものサポニンを含みます。

●高麗人参の摂取方法
高い健康効果を持つ高麗人参は、多くの健康食品などに配合されています。
高麗人参は酒に漬けたり、粉末を溶かしてお茶にしたり、根っこを天ぷらにするなど様々な摂取方法があります。
滋養強壮に良いとされる韓国料理に「参鶏湯(サムゲタン)」がありますが、高麗人参が使われているため「食べる漢方薬」ともいわれています。

●高麗人参を摂取する際の注意点
高麗人参は血圧を上げる効果があることから、高血圧の方は摂取を避ける必要があります。
高麗人参を長期間摂取すると、まれに不眠や動悸、血圧の上昇、頭痛を引き起こすことがあります。また、胎児や乳児に影響を与える可能性があるため、妊娠・授乳中、子どもは摂取を控える必要があります。
医薬品との相互作用が報告されているため、薬と併用する際は医師への相談が推奨されています。

高麗人参の効果

●低血圧を予防する効果
低血圧は、心臓から血液を送り出す力が弱く、血液の循環が滞り、頭痛やめまい、立ちくらみ、脱力感などを引き起こします。低血圧の原因のひとつとして副交感神経の緊張があるといわれています。
高麗人参に含まれるサポニンには、自律神経を調整する働きがあるため、副交感神経の緊張を鎮め、低血圧を予防する効果があります。

●貧血を予防する効果


高麗人参には、貧血を予防する効果があります。
貧血は鉄の不足などによって、体中に酸素を運搬するヘモグロビンを含む赤血球が不足し、めまいや立ちくらみといった症状を引き起こす病気です。
高麗人参はヘモグロビンを持つ赤血球をつくる細胞の分裂を促進し、貧血を予防する効果があります。

●動脈硬化を予防する効果


動脈硬化は加齢による老化などが原因で、動脈にコレステロールや脂肪が蓄積し、血管がつまり、弾力性を失ってしまう病気です。動脈硬化が進行すると、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こします。
高麗人参は中性脂肪の値を下げ、コレステロールの分解・排出を促進するため、動脈硬化を予防する効果があります。

●脳の機能を改善する効果


高麗人参に含まれるサポニンの一種ジンノセサイドが、外界や体内の刺激を受け取る脳内受容体を刺激し、加齢による認知機能の低下を防ぐ効果が期待されています。
認知機能とは、外部からの情報に対する考え方や受け取り方のことで、高次的な脳の機能を指します。
認知機能の低下を予防する効果について、40歳以上の健常者112名に2ヵ月間高麗人参を摂取させると、抽象的思考や物事への反応時間などが改善したという研究結果もあります。

●ストレスをやわらげる効果


身体に強いストレスを受けると、不眠や過呼吸、さらにうつ病などを引き起こします。
高麗人参には、ジンノセサイドという成分が含まれ、自律神経を整えることで、心身症や全身の倦怠感、イライラといった症状の不定愁訴症候群[※1]などに働きかけます。

●感染症を予防する効果

高麗人参には、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防する効果があります。 この効果について実験結果が報告されています。
227人に12週間にわたり高麗人参エキスを毎日100mg摂取させると、成分を全く含まない偽薬群に比べ、風邪やインフルエンザにかかる人が明らかに少なく、また、ウイルスや細菌から体を守る免疫機能をつかさどるナチュラルキラー細胞が活性化したことがわかっています。

●冷え性を改善する効果

女性に特に多い冷え性は、ホルモンバランスや食生活の乱れなどによって引き起こされます。
原因のひとつとして、血流の悪化によって血液が末梢血管までしっかりと行きわたらず、血行不良を起こしていることが挙げられます。
高麗人参は血管を広げることで血液の流れを良くし、全身に血液を循環させることで、冷え性を改善する効果があります。

●美肌効果

人間の肌は、睡眠不足や加齢、生活習慣の悪化などが原因で、肌荒れやニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなります。
高麗人参には、美しい肌の原料となるたんぱく質の合成を促す働きがあり、肌の生まれ変わりを活性化することで、美肌づくりをサポートする働きがあります。
また、高麗人参に含まれるサポニンには皮膚を守る働きがあり、菌や紫外線などの外部刺激から肌を守り、小ジワにもはたらきかけます。高麗人参からつくられたエキスには、特に肌の内部まで入り込み美肌を保つアンチエイジング効果があります。

●脱毛を抑える効果


高麗人参からつくられたエキスはまつ毛の脱毛ケアにも効果的です。まつ毛が抜けやすい方は、高麗人参エキスの配合されたまつ毛美容液や目もと専用のクレンジングを使用することで、まつ毛が抜けるのを防ぐことができ、まつ毛のケアにもつながります。

長い歳月をかけ、蓄えられる神秘のパワー


高麗人参(朝鮮人参)は本来、アジアの極東地方にだけ自生する植物で、高温多湿を嫌い、涼しく乾いた気候で降水量は年間1200mm程度、比較的降雪量が少ない環境を好みます。

そんな高麗人参の栽培は厳しい条件下での土壌作りにはじまり、収穫にいたるまで、実に5~7年もの長い歳月をかけて行われます。その上、栽培中は日よけや風通しの調整、雑草除去など、子育て以上ともいわれるほど非常に手間ひまがかかります。

高麗人参の栽培方法

1.土壌作り

高麗人参を栽培するのに適した土壌は、水分が潤沢で、かつ水はけの良いことが最低条件。

土壌を肥やすため、敢えてライ麦やトウモロコシを育てて、その茎葉ごとトラクターで鋤き込むことで、その後、長期にわたって高麗人参の栽培ができるだけの芳醇な土壌を作ることもあります。こうして、植え付け前から1年ほどの時間を費やして、まずは土壌作りを行うのが一般的。この土壌づくりが成功するか否かは、最終的な高麗人参の品質の善し悪しに大きな影響を与えます。

▲時間をかけて豊かな土壌を作る

2.採種と開匣(かいこう)

高麗人参の種子は、通常4年間成長したものから、7月中旬から下旬頃にかけて実が赤く成熟した時に採取します。  一方、採取した直後の種子は殻が硬く、胚芽がまだ成熟していない状態で、すぐに植え付けても、発芽するまでには20ヶ月以上ともいわれるほど非常に長い期間を要します。そのため、種を植え付けた後、発芽するまでの期間を短縮するために種の殻を開き、芽の生長を促進させる作業が必要になります。このような人為的に胚芽を成熟させ、種の殻が開くようにすることを開匣(かいこう)といい、7月下旬頃から11月中旬頃までの約100日間程度、処理作業を行います。

▲熟する前の高麗人参の実
▲高麗人参の成熟した実

3.植え付け
充分に豊かな土壌と開匣の処理が終わった種が準備できたら、ようやく高麗人参の植え付け工程に入ります。

植え付けは、まず苗圃(種から苗を育てる畑)にうねを作り、種を一定の間隔で植える1段階と、種から発芽し、1年間にわたり苗に成長した後、新しい土壌(本圃:苗を移して収穫時まで育てる畑)に移し植える2段階に分かれます。種まき、または移し植えが終わった畑には、土壌が硬くなることを防ぐためにわらを敷き、芽が生え始まる前には日よけをします。そして、植え付けの際には、畑の傾斜の角度や苗同士の間隔など、細かな技法を要します。

最近では、苗を本圃に移し植えずに、最初に種を植え付けた畑(苗圃)で、収穫するまでそのまま成長させるケースも増えています。

▲高麗人参の芽
▲苗を移し植え

4.栽培
高麗人参の栽培時は、直射日光が厳禁。大雪や大雨などにも備え、頑丈な日よけが欠かせません。風よけに防風柵も必要です。植え付けから2年間ほどは、特に神経を使う作業が続きます。3年目には花が咲き、4年目から採種が可能になります。

まいた種や植え付けた苗も、全てが順調に育つわけではありません。天候(浸水被害、凍害)や土の状態、虫喰いなどで根腐れを起こすなど、栽培期間が4~6年と長期にわたるため、自然災害に見舞われるリスクも他の作物よりも高いといえます。

▲日よけと防風柵を設置した高麗人参畑
▲高麗人参畑の内部

5.収穫

多年草の植物である高麗人参は、1年根から6年根までの年根単位で区分されます。

1年根や2年根は、健康成分ジンセノサイドの含有量がまだ少ないため、収穫されることはあまりありません。市場に出回る高麗人参のほとんどは、ジンセノサイドを豊富に含んだ4~6年根です。ちなみに、高麗人参は7年以上栽培を続けると、品質が低下します。徐々に小さく、表皮組織は硬くなり、ジンセノサイドの含有量も減少します。

一度収穫すると、その土地では10年先まで草1本さえろくに育たないといわれるほど土地の養分を吸い尽くしてしまうのも、高麗人参が持つ驚異的なパワーの証拠といえるかもしれません。

▲根を傷つけないよう、手作業で収穫


なぜ良質なものになるまでに数年もかかる植物を育てるのか?
それは、人間の学習力や心を変化させるのに最低5年がかかるからで、数か月や1年程度で経験能力や習慣による変化、心の変化の努力も含めて、7年はかかる。このように最低6年をかけて正しい心を整えて、正しい習慣を無意識で行えるようになるためにそのパートナーとして高麗人参を選びました。 もちろん心を込めて7年間育てることで、一緒により良い生命体に生まれ変われるよう共創しようというコンセプトがあります。

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