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大学職員が参考にできるかもしれないChatGPT使用事例

こんにちは。
QZです。

私は大学職員ですが、業務の中で時々ChatGPTを使うことがあります。
今回はその使用例を紹介したいと思います。

【事例① 学長メッセージのゴーストライター】

背景:
本学では、教員が科目の成績を期日までに学務システムに入力しない教員がごく一部いました。
信じられないかもしれませんが、その教員は毎回必ず締め切りが守れず、それゆえ成績発表日にその教員の担当科目のみ毎回「後日発表」となっていました。
さすがに業を煮やした我々職員はどうしようかと考えた末、どこまで有効かわかりませんが学長名で「成績入力を締め切り日を守りなさい」という趣旨の学内教員向けメッセージを出すことにしました。
ただ、学長も暇ではないので職員で文案を作成し、学長に最終確認をしてもらってメールで発出、ということになりました。
その際「ウチの学長が書きそうな文体で、できればカドが立たない調子で、でもはっきりとメッセージは伝える」必要があります。そんな時にChatGPTの力を借りました。

ChatGPTへ入力したプロンプト:

#命令書:
あなたは〇〇大学の学長です。
以下の制約条件と参考文章を基に、〇〇大学に所属する教員へ、3学期の成績付けは締め切り日を守るように要望する文章を出力してください。 
なお、最高の出力を出すために足りない制約条件があれば足してください。 
ただし、その足した制約条件を先に出力してから回答を出力してください。 
#制約条件: 
・重要なキーワードを取りこぼさない。 
・締め切り日は〇月〇日。
・下記の参考文章と同じ文体で(参考文章は別のトピックなので内容は関係ない)。  

#参考文章:  
(過去に発出した学長メッセージをコピー&ペースト)

#出力文:



これで出てきた回答をそのまま使ったわけではなく、その後「この情報もつけ足して」とか何度かやり取りをした後で事務局案を学長に見せ、最終決定ました。

【事例② 盗難品の返却呼びかけ文作成】

背景:
本学で設置してあるAppleのパソコンが使える部屋から、キーボードのみ盗難されたことがあります。
誰が盗んだのかはわかりませんが、全学向けに「早く返しなさい」という呼びかけ文を作り、一斉メールすることになりました。
が、そんな文章を作るのは初めてだったのでどう書くべきかわからず、ここでもChatGPTの力を借りることになりました。
具体的なプロンプトや呼びかけ文は記載しませんが、

期日までに返却されなかった場合、警察への「被害届」提出の検討をせざるを得ない状況になる可能性があります。ご了承ください。
本学では、学内の安全を保つために全力を尽くしています。

の最後の一文は自分たちだけでは到底ひねり出せなかった表現だなぁと思いました。
「警察に被害届・・云々」だけしか書いていないバージョンと「学内の安全を保つために全力を尽くしています」があるバージョンを比較すると、受け取る印象がだいぶ違うと思います。
(※結局、翌日無事返却されました)

【事例③ 高大接続に関する懸念点の洗い出し】

背景:
本学ではまだ高大接続に関しては何もやっていません。
学長から「今後対応しなければならなくなるが、その前に懸念点があればまとめておいてほしい」という指示がありました。
回答が素晴らしかったのでそのまま引用します。

ChatGPTへ入力したプロンプト:

高大接続に関して、大学の事務職員が事務作業をする過程で何か問題がありますか?


ChatGPTからの回答:

高大接続において、大学の事務職員が直面する可能性のある問題点は以下の通りです。
1. 情報管理
高校生の個人情報や成績情報の管理が必要です。これには適切なデータベースと情報管理システムが必要です。

2. コミュニケーション
高校との連携が求められます。適切なコミュニケーションツールや方法を確立する必要があります。

3. スケジューリング
高校生が参加する授業のスケジューリングには注意が必要です。高校のスケジュールとの兼ね合いも考慮する必要があります。

4. 財政管理
高校生の授業料や教材費の管理も求められます。また、高大接続に関連する予算の管理も必要です。

5. 法規制の遵守
高校生のデータを取り扱うにあたり、法規制の遵守が必要です。特に個人情報の取り扱いには注意が必要です。

6. 契約・合意書の管理
高校との合意や契約の管理も重要です。これには法的な知識が求められる場合もあります。

7. サポート体制の構築
高校生をサポートする体制を構築する必要があります。これには教職員や学生への説明も含まれます。

8. 評価方法の調整
高校生の評価方法を大学のものと調整する必要があります。これには教職員との連携も必要です。

9. アクセス制御
大学の施設やオンラインリソースへの高校生のアクセス制御も重要です。

事務職員はこれらの問題を解決するために、多岐にわたるスキルや知識が求められます。そして、これらのタスクは教育活動に直接影響を与える重要なものです。適切な研修やサポートが事務職員に提供されるべきです。

ここまで多角的な視点でスラスラと回答できる職員は本学にはいません。
ChatGPTサマサマです。

【事例④ 新たなSD研修のプロジェクト立ち上げ】

背景:
10月のある日、codempメンバーでもある大学職員さんが本学に意見交換にいらっしゃいました。
その時に”我々は積極的に他大学の人と交流して、「井の中の蛙」になってしまうのを防がなければならない。自分の大学でしか通用しないような仕事のやり方をずっと続けていてはダメだ”というような話で盛り上がりました。
というわけで他大学の職員と交流するSD研修を考えてみました。

入力したプロンプト:

#命令
あなたは大学の職員で、FD・SD委員会の委員です。 
以下の条件でプロジェクトの企画書、準備リスト、スケジュールを作成してください。 

#プロジェクトの内容 
職員を他大学の事務局へインターンシップのように派遣するプロジェクト 

#イベントの目的 
・他大学の事務処理の仕方に関する見分を広げる。
・本学の事務処理の方法しか知らず、「井の中の蛙」になってしまうかもしれない状態を防ぐ。 

#参加者のメリット 
・様々な事務処理についてより効率的・効果的な処理方法を知ることができる。 
・逆に様々な事務処理について他大学の事例を反面教師とすることができる。
・自大学の事務処理の方法を、受け入れ先の大学と共有することができる。
・受け入れ先の大学と人脈を形成することができる。 

#会社概要 
・専任職員数〇名。
・うち課長〇名、係長〇名。 

#イベントの詳細 
・来年度から開始するが、具体的な実施時期は未定。
・2週間ほどを想定しているが、これも未定。

#作成フォーマット 
・表形式で貼り付けられるようにしてください。
・今日は2023年10月30日です。
・プログラム項目ごとに準備すべきこと(タスクベースで列挙) を教えてください。
・一つ一つのアクションに要する期間も教えてください。

#備考
・最高の出力をするために足りない条件があれば足してください。 
・ただし、その足した条件を先に出力してから回答を出力してください。

ChatGPTからの回答:

まず、足りない条件を以下に列挙します。
● 他大学との協力体制:他大学がこのプログラムに協力してくれるかどうか、またどの大学が協力してくれる可能性があるか。
● 派遣される職員の選定基準とプロセス:どのような基準で派遣される職員を選定するか、選定プロセスは何か。
● 予算:このプロジェクトの予算はどれくらいか。
● 言語:他大学が外国の大学の場合、言語の問題は考慮されているか。
以下に企画書、準備リスト、スケジュールを作成します。

このスケジュールは予定であり、他大学との調整や、参加職員の選定状況により変更される可能性があります。

これまた「さすが!」な回答結果です。
毎度毎度「なるほど、その視点も考慮する必要があったか!」と思わされます。

このように、いろいろな場面で
・最初はChatGPTにたたき台を作成してもらう
・ChatGPTの回答結果を自分でちょこちょこ修正し、周りの職員に叩いてもらう
と楽に文書が作成できます。

私が感じるChatGPTの利点の一つに
「最初の一歩」を楽に踏み出せる
というのがあります。
何事も最初の一歩が面倒なんですよね。
最初の一歩をChatGPTに任せると(=たたき台を作成してもらうと)、その後のタスクもこなせるようになり、結果的に仕事が早くなる、というカラクリです。
要するに「勉強しようと思ったがその前に机の上を片付けるのに精を出してしまい、結局勉強しなかった」状態を避けるのに役立つのではないかと思います。

できれば他の大学職員の方の事例も知りたいです。
みんなで一緒に仕事を楽にさせましょう。
Stronger together!

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