codomodoc_小児科医

小児科医です。神経疾患、神経発達症(発達障害)の診療をしています。発達性トラウマ症を勉…

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小児科医です。神経疾患、神経発達症(発達障害)の診療をしています。発達性トラウマ症を勉強中。 細かいことが苦手なので、つぶやくことは大まかです。よろしくお願いします。

最近の記事

映画“フェーンチャン 僕の恋人”と小児科医

アジア映画巡り。今回はタイ。 〜〜 こんなん好きに決まっとるやんか、10歳男子の初恋の話て。幼なじみの女の子と仲良く遊んでいた少年が思春期の始まりとともに男子の中間に入りたくなり、幼なじみに冷たく当たってしまい…という物語。失って気づく“初恋”ってさぁ、自分は精神年齢が小学3年生なので(見た目は大人,頭脳は子ども)、あの頃好きだったあきこちゃん、まゆみちゃん、けいこちゃんのことを思い出したりして終始甘酸っぱかった。唾液腺が痛い。 あと、この映画のもう一つの売りはなんといって

    • 中学3年生と小児科医

      数年ぶりに登校したAさん。 『気づいたら中3でした』 『浦島太郎みたいだね』 と笑い合い、心と身体の成長を讃えた。 今できていることを続けることを約束する。頑張ったね。 中3は受験があるし、“人生が決まる”みたいに言われるし、自分でもそう感じることがあるかもしれんけど、そんなことないけんね。 決まってたまるかぁって思っとってね、人生は長いんよ。

      • 登るしかないサガン鳥栖と小児科医

        登るしかないじゃん。 4・14G大阪戦。思えばこの試合がサガン鳥栖の大逆転劇“令和の歓喜”のターニングポイントになるとは、この時はまだ誰も知る由もなかったのである。ってなるよ、絶対!応援しよう!!楽しみしかないよ。ありがとう。

        • 映画“イロイロ ぬくもりの記憶”と小児科医

          よかったです。家族3人とメイド1人、合わせて4人の小さな話ですが、心情や行動を丁寧にしっかりした画作りのもとで映し出すことで、見応えのあるドラマになっています。 にんげんは誰もが弱くて、人には言えない隠し事を抱えていて、頑張ってもうまくいかないことがたくさんあるし・・とか、うまくいってるように見えても、心の底には後悔がくすぶってたり、油断すると先々への不安が湧いてきたり、と安らぐことはないよなぁ・・とか、観終わった後にぼんやり考えました。 僕はこのくらいの規模感の少人数の

        映画“フェーンチャン 僕の恋人”と小児科医

          映画“台北ストーリー”と小児科医

          転がり落ちていく男と、その男に付かず離れずの女の地味な悲劇が淡々と描かれてるのに、飽きずに惹きつけられ続けたのは何故だろう。 大人になったということなのでしょうか。 最近、悩むところが多くて、疲れやすくて、全然元気がなかったけど、こんな時でも引っかかることなく、ゆっくりした時間を過ごすことができたのは、癒しとまではいかないまでも、、なんかよかった(当てはまる言葉がわからない)。こんな気分の時はこれが正解なのかもしれない。

          映画“台北ストーリー”と小児科医

          “伝えること”と小児科医

           診察をしていると、ADHDやASDに似た行動をするのに、正確な診断基準に当てはめると診断がつかない子がいて、以前はその子たちに神経発達症の診断をしていました(反省)。愛着障害や発達性トラウマ症などを鑑別診断に考えながら診療するようになりましたが、始めの頃はそんなことをお母さんに伝えるのは憚(はばか)られ、モヤモヤしていました。それでも診断とはいかずとも、その時の子どもたちの行動の背景に愛着の課題やトラウマが関わっているということを、注意を払いながら少しずつお伝えしてきました

          “伝えること”と小児科医

          お絵描き小児科医

          ↓ウィノナ・ライダーがごついんよ。 ↓個人的にはこのシーンが好き。

          お絵描き小児科医

          お疲れ様です小児科医

          最近、一日外来診療をした後、えも言われぬ疲労を感じる。ずっと話を聴いてるだけだし、新しく考えないといけないようなことはそんなに無いのに、目の奥がズンと重くて神経使ってます、みたいな疲れ。しばらく診察室の椅子に尻から根っこが生えてボーッとしてしまう(こんなの書きながら言うのもなんだけど・・)。 でも、これが嫌かと言われるとそうでもなくて、よく頑張ったような気がしてまんざらでもない。このまま生ビールを一杯飲んだりできたら幸せなんだろうな。あぁ運転めんどくさい。 皆さんお疲れ様

          お疲れ様です小児科医

          映画「アメリカンフィクション」と小児科医

          完璧!! 人間は他者と自分を比べ、他者には他者の役割、自分には自分の役割を作らずには生きていけない。 それ自体は悪くないけれど、その役割に拘りすぎるあまり、役割に当てはまらない他者を認めることができず、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまう。 無意識のうちに生まれるこの差別意識を皮肉たっぷりで面白いブラックジョークで表した本作は非の打ちどころのない傑作だと思いました。 あ〜おもしろかった。

          映画「アメリカンフィクション」と小児科医

          日曜勤務の朝とバグダッド・カフェと小児科医

          今日は朝から17時までの勤務です。休日急患の診察と病棟業務。今の時期は流行している感染症も少ないので、比較的穏やかな勤務になりそう。再来週は小児科学会の学術集会がありますが、研究や学会発表から長く遠ざかっている怠け者の僕はその準備をすることもなく、今日みたいな日には若干の罪悪感とおいてけぼり感を感じながら、病院で映画を見たり小説を読んだりします。 今日は何を観ようかとアマプラのウォッチリストを眺めていたら、以前観た『バクダッドカフェ』がリストに残っていて、つい主題歌“cal

          日曜勤務の朝とバグダッド・カフェと小児科医

          My favorite movies と小児科医

          僕はFilmarksで映画感想を書きます(@futomak1)。それは自分が何者かを知るためです。自分のことを一番知らないのは自分だと思って生きているので、好きな映画を集めたら自分が何者か知れるかなと思うのです。 今回、現在好きな10本の作品を集めてみました。僕って何者なんでしょう。 まず、僕は規模が大きな映画をあまり好まないようです。「マッドマックス怒りのデス・ロード」以外は、主人公の生活範囲の中で顔見知りの人々がわちゃわちゃする話です。でも「フュリオサ」は、めっちゃ楽

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          映画“オッペンハイマー”と小児科医

          怒涛の3時間!! ノーランの圧が強いんよ。始まりからずっっと画面、音の圧(迫力と言えば迫力)が強い。展開のスピードが速すぎる上に3つの時系列が会話を中心にゴチャゴチャと流れていくので訳がわからない。。全速力で走り続ける映画なのに数回眠りそうになり、緩急がないと人は眠くなることを知った。 原子爆弾の爆破実験が成功して科学者や軍人が喜んだり、原爆投下後に市民がオッペンハイマーを喝采して讃えたりするシーンではオッペンハイマーや米国の人々のことが憎らしく、胸糞は悪くなったけど、その

          映画“オッペンハイマー”と小児科医

          窓ぎわのトットちゃんと小児科医

          いわさきちひろの絵が動いてくれたらいいのになぁ。 トットちゃんって、こんなだったっけ。迫り来る戦争の影…は別にいいんだけど、途中からそればかりになってしまった印象。トモエ学校のことはただエピソードを並べただけに感じた。もう少し子どもたちやトモエ学園の背景や内面を観たかったし、トットちゃんの豊かな感性に触れたかった。戦争をからめることであの世界の片隅の“戦争映画”になってしまったのが残念。

          窓ぎわのトットちゃんと小児科医

          トラウマインフォームドケアと小児科医

          こんにちは。小児科医のcodomodocです。神経疾患、神経発達症、心身症などの診療をしています。最近はマルトリートメント(不適切な養育)な環境から発達性トラウマ障害をきたした子ども達への医療的な関わりについて勉強をしています。 うちの病院の院内報に毎月書いているコラム“Pediatrics Note”です(800字前後)。診療をしていて感じる、とりとめもないことを書いています。 今回は2024年の5月号です。 先月号で『親御さんの信頼を得るためにできることはまだあります

          トラウマインフォームドケアと小児科医

          “君は悪くない”と小児科医

          3ヶ月前に会った時、診察室で何を聞いても話してくれず、お母さんに話を聞こうとすると「言わないで」とお母さんを制し、また受診してねというと、「絶対イヤだ!」と言って、涙を流していたAくん。不登校だったA君のお母さんは毎日が不安で、A君と同じように涙を流していました。 僕は何をどうしたら良いかわからず、ひとまず体調を崩してしまう学校には行かずにしっかり休む約束をして、短めの間隔で話を聞きました。何かイヤなことがあったであろうことは想像できたので、それが何かはわからないけどトラウ

          “君は悪くない”と小児科医

          話を“聴く”ことと小児科医

          先生を敵対視して暴言や暴力をふるってしまい、トラブル続きの子がいました。教室に留まることができず、校内を歩き回っては先生たちとぶつかり合う毎日。『先生たちは誰も僕のことを信用してくれない』。『僕の話を聞いてくれない』。昔のことを思い出しては『どうして君だけできないの?』と言われ続けたと話しました。先生への不満や不信の感情を抱え自暴自棄になっていました。  先生たちは決して彼を信用しない、彼の話を聞かない人たちではないと思いますが、彼が過ごす世界は彼が受け取る事柄でできている

          話を“聴く”ことと小児科医