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子ども虐待について

子どもたちに対する養育者からの虐待。近年、メディアからの報道も増え、社会的な関心も大きいのではないでしょうか。虐待には身体的虐待、ネグレクト(養育放棄)、心理的虐待、性的虐待などがあります。これらは単独で発生することはなく、複数が同時に起きていることが多いため、最近ではマルトリートメント(不適切な養育)と総称することもあります。

僕が勤務する病院にもマルトリートメントを受けているのかな、と心配になる子が少なからず受診します。今は我々が心配した時点で児童相談所や市の担当課に報告する義務があり、僕たちもそのようにしています。重度なケースについては警察にも報告します。

日々、マルトリートメントのケースに接する中で、判断に困ることが多々起こります。体罰と身体的虐待の鑑別、貧困や養育知識の乏しさとネグレクトの鑑別など。「子どもの安全や安心を脅かし、発育や発達とって不利益になる行為は全て虐待」と言われていますが、それだけでは割り切れないこともよくあります。

僕は判断に迷った時、起きている事が子ども達を追いつめる行為かどうかを考えるようにしています。子ども達に逃げ場を与えない一方的な体罰はしつけではなく、身体的虐待です。経済的にきつかったり、養育方法がよくわからなかったりしても、子どもを追い詰めないように工夫する子育てはネグレクトではありません。

子育て中のお父さん、お母さん。子ども達を追い詰めていないかどうか、少し考えてみてください。イライラして子ども達に怒りをぶつけ、追い詰める事があるかもしれません。そんな時は、もし可能なら自分が落ち着くまで子どもから少し距離を置いてみてください。そうもいかずに毎日イライラする方は、自治体の保健師、家庭児童相談員、児童相談所に相談してみてください。ハードルが高く感じられるかもしれませんが、そうでもないです。気軽に相談に乗ってくれるはずです。

どうしても怖い時は、かかりつけの小児科を頼ってください。きっと力になってくれるはずです。

無理せず、慌てず、怒らずに気楽な子育てができますように。

#子育て #虐待 #小児科

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