見出し画像

自分の得意なことを知っていますか

「珈琲くんはあれだね。絵が上手いんだね」

「え?」

完全に予想外。
死角から飛んできた平手打ちを喰らったように
目をぱちくりさせていた小学生の私。

夕暮れが差し込む放課後の教室で
教頭先生が言った言葉は鮮明に覚えている。

教頭先生いわく、私は絵が上手いらしい。

絵が上手いだって?思ってもみなかった。
そんなことは生まれて初めて言われたし。
なんだって普段接点のない教頭先生が、私に言う?

当時、習字のコンクールで金賞を獲った私の
手続きその他もろもろを担当したのが教頭先生。
慣れない大人との会話に緊張しっぱなしだった私を
あるいは教頭先生は気遣ってくれたのかもしれない。

他意はなく、単なる軽口だったのかもしれない。
でもその一言は、十年程度しか生きていない私に
一生残る記憶として深く刻み込まれた。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

あなたは自分の得意なことを知っていますか?

私が胸を張って「得意!」と言えるのは3つ。

・本を楽しく読むこと
・珈琲を美味しく淹れること
・嫁と会話で盛り上がること

マジでこれは他の追随を許さないくらいに得意。
だってどれも私の好きなことだし。
好きで楽しいことはどうやったって得意になる。

でもね、このことを他人に言ってもね
「へえ・・・そうなの」って反応が多いんだ。

いまいちピンと来ないっていうか
腑に落ちない感じの反応が多いのよね。

そりゃね、「美味しく」だの「楽しく」だの
「盛り上がる」だのは全部私の主観なわけで
言ったもん勝ちみたいな所はあるよ。
だから伝わらないんだろうなってのも分かる。
でもさー、もうちょっと伝わってくれても
いいじゃないかよって思うんだよねぇ。

そんなことを長年悩んでいた私だったけども
ようやく悩みを解消する意見に出会ったのだ。

自分が思っている『自分の得意なこと』と
他人から見た『自分の得意なこと』は違う。

そう。自分と他人とじゃ、見えている物が
かなりズレているってことが非常に多い。

いつもナナメ45度の角度で鏡の前に立ち
(オレってイケてるじゃん・・・)と
自分の顔面偏差値は上の下くらいかなと
淡い期待を抱いている男がある日友人から
「いやお前イケメン枠じゃねーから」と
現実をバシッと突きつけられ立ち直れない…
こんな悲しいことが日常茶飯事に起こるほど
私たちの主観と客観はかなりズレている。

まあ、要するに
自分が得意だと思っているものでも
他人からはそう見えないことがあるってこと。

でも、逆に言うと
自分が全然なんとも思ってないところでも
他人から見たら「君凄いね」があるってこと。
それこそ冒頭の教頭先生のように。

つまりこれって考えようによっては
得意なことが二倍になるってことだよね。
自分の考える得意!と、他人の考える得意!で。
そう思うと得した気分にならない?私はなる。

だからね、私が言いたいことは一つ。
他人の得意!を見つけて「君ここ凄いよ!」って
どんどん教えてあげようってこと。

教えてもらったほうはめっちゃ嬉しいから。
それこそ冒頭の小学生時代の私のようにね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?