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【第ゼロ感】スラムダンク主題歌後の10-FEETのフェスがとんでもなかった件

今日はビバラの最終日に行ってきたのだが、この記事はテンフィだけに特化して書きたいと思う。

VIVA LA ROCKについて

まずはこの「VIVA LA ROCK」について説明しよう。

「VIVA LA ROCK」、通称ビバラ

毎年GWにさいたまスーパーアリーナで開催されている音楽雑誌「MUSICA」が主催する埼玉が誇る音楽フェスである。

今回記念すべき開催10回目で、プロデューサーの鹿野さんはこれを機にビバラのプロデューサーを引退。

ビバラの特徴は室内フェスであることと、何より制限の無い自由さが魅力。

昨今のライブでモッシュ・ダイブ・サークル問題が頻発しているが、ビバラはモッシュ・ダイブ・サークルOK、つまりコロナ中のような制限の無い従来のロックバンドのライブをやっていいという自由なルールで開催された。

大きくエリア分けすると暴れたい人はアリーナのスタンディング椅子があるところで見たい人はスタンド席。

かといって同じスタンディングエリアでも「全てのエリアで暴れてOKです!」ではなく、スタンディングの端のエリアでは親子で楽しめる「キッズエリア」、スタンディングで見たいけどサークルやダイバーに巻き込まれたくない、お酒を飲みながらゆったり見たいという人向けには「うっとりエリア」と名付けられたスペースが設けられ、各々の楽しみ方を尊重するスペーシングで工夫されていた。

客もスタッフもマスクはつけたり外したりだが、ほとんどがマスクを外しており、マスクをしていないという理由でむやみに攻撃する輩もいなかった。

個人的に驚いたのは、白杖をついた全盲の方が何人か来ていたことだ。

主催者の鹿野さん曰く、埼玉の障害者支援や里親支援なども積極的にしているそうなのでその影響だと思うが、「フェスに来てくれる」という素晴らしい結果が待っていた。

本題

さて、本題。

10年以上ライブに通い詰めているにも関わらず、なんと今回のビバラが初10-FEETである。

しかもコロナ対策の制限が明け、かつ10-FEETがすっかり「スラムダンクの主題歌歌っているバンド」が根付いたこのタイミングでだ。

このnoteは元々「音楽ブログ」として始めたはずなのだが、私の直近の記事を見ていただければ分かるが、あまりにもハマりすぎて最近はスラムダンクの話ばっかりしている。

それもそのはず、「THE FIRST SLAMDUNK」は紙で全巻持っているほど大好きな漫画と大好きなロックバンドが組み合わさった神映画だから仕方ないのだ。うん、仕方ない。

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今日は朝から見たいバンドがいたので、トップバッターの四星球の途中から見ていたのだが、やっぱり話題はトリの10-FEET、というより「テンフィとスラムダンクの話をするバンド」が多かった。

四星球は「この曲でジャンプしないと10-FEETが『第ゼロ感』じゃなくて『世界が終わるまでは…』やるからね!」(それはそれで聴きたいよ!笑)と、SiMのMAHさんは「俺らが『進撃の巨人』の主題歌発表した時テンフィは水面下でスラムダンクの曲作ってたんだぜ!?悔しい!!!」と嫉妬していた。

私たち客もだが、おそらく出演者本人たちが一番「第ゼロ感」を聴きたがっていたのかもしれない。

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せっかくの制限解禁フェスということで、前方で待機。「ダイブ有りのフェスとか久しぶりすぎてやり方忘れてるし、コロナで太ったから人の転がれないわ!」と、この時は思っていた。

照明が落ちると「待ってました!」と言わんばかりにニョキニョキとリフトが大量発生、「goes on」を皮切りにビバラ10回目を記念する大トリ・10-FEETが始まる。

ブランクを感じさせないモッシュダイブの嵐に、ダイバーを送りながら全力でシンガロングをする。「これだ!これなんだよロックバンドのライブは!」と、夜明けまで3年もかかったが”あの頃のライブ”を取り戻したのは瞬間はまさに一瞬だった。

「VIBES BY VIBES」「RIVER」「その向こうへ」の貫禄っぷりに圧倒され、「アンテナラスト」「ハローフィクサー」のような比較的落ち着きのある曲ではシンプルな曲の良さが身に染みる。

10-FEETのファンのいいところは「飛びたい人は絶対に送り出す、そしてダイバーを落とさない」という強い思いやりだと思う。

立ち位置的にしばらくはダイバーを送りに送っていたのだが、「RIVER」でリフトされた人が「ありがとう!」と言いながら流れる姿や、送る側も「落ちるぞ危ない!」と咄嗟に助け舟を出したり、靴紐結んでいる人を囲んで守ったり、あのがむしゃらながらも助け合い精神が根本にあるロックキッズのライブは誰1人忘れていなくて、激しさの中に思いやる美しさがあった。

すっかり戦場と化したフロアに、あっさりと「第ゼロ感」がやってくる。

「不確かな夢を描くのさ」

気がつけば目の前にいたお兄さんの肩を叩いていた。

ん????さっきまで「ダイブしない」とか言ってなかったっけ????

気がついたらあっさりと身体を持ち上げられ、人の上を転がっていた。

ん??????私飛んでるな????

ダイバーが多すぎて一瞬穴に落ちそうになるも、屈強なお兄さんたちが「危ない上げろ!」と持ち上げ直してくれて、無事セキュリティさんに辿り着きキャッチしてもらった。

あまりにも感覚的で、あまりにも冷静で、あまりにも衝動的だった。

ダイブをすることを「飛ぶ」と界隈で呼ぶことがあるのだが、この時物理的にも思考回路的にも飛んでいた。

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ダイブをした後は「セキュリティ」の案内に従い元にいたブロックに戻るのだが、そのブロックに途中のことだった。


天使が現れたのだ。


先ほど話した「うっとりエリア」に、キッズヘッドホンをつけた可愛らしい男の子が柵の隙間から小さな手を出して、帰ってくるダイバーと続々とハイタッチしていたのである。

天使だ。紛れもなく天使だ。

前にいたお兄さんに続き、私も少し屈んでその天使と優しくハイタッチした。

私の「第ゼロ感」のハイライトは衝動的にダイブをしたことよりも、「曲中に小さな手の天使とハイタッチしたこと」にほんの数秒で塗り替えられてしまった。

あのときのボクと私は、きっと花道と流川だった。

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「第ゼロ感」の熱気は「goes on」「RIVER」「その向こうへ」のような長年フェスの定番として培ったキラーチューンに負けず劣らず、いやそれ以上かもしれないと思った。

ライブに通っている身からすると「今の曲はアニメの主題歌」という認識はあっても、曲とタイアップ作品は切り離して聴くことが多い。なのでライブ中において曲は曲、アニメはアニメと細分してしまうことが多いのだ。

でも「第ゼロ感」は明らかに違う。

10-FEETの新定番曲でもあり、「THE FIRST SLAMDUNK」を彩る主題歌でもあり、井上雄彦先生の信念もある、1曲に対してこれら3つの柱がとてつもなく強固なのだ。

だからモッシュで、ダイブで、シンガロングで、物凄い熱量が乱雑に爆発したのではなく、オーディフェンスが向けた熱気とリスペクトは目の前でライブしてくれている10-FEETにも、「THE FIRST SLAMDUNK」にも、原作者の井上先生にも同時に向けられているような気がしたのだ。

これは本当に凄いことだと思う。

そう思えるのは目と身体で老若男女が「第ゼロ感」に夢中になっていることを痛感したのと、ライブシーンにおいての10-FEETは世間一般の「スラムダンクの主題歌のバンド」ではなく「スラムダンクの主題歌に選ばれたのが我らが10-FEET」という誇り高き事実だからだと思う。

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今度はブロックに戻り、「蜃気楼」が始まった矢先のことだ。


隣の人、リョータと同じ赤黒のリストバンドをつけてる!

そういえば意外や意外、今日のビバラでは「スラムダンクからテンフィに入った」と思わしき人が全く見当たらなかったのだ。

少しぐらい宮城リョータや桜木花道のコスプレをしている人がいてもいいと思ったが、それもビバラが”フェスはファッション”ではなく”本来のロックバンドのライブに特化した場所”というコンセプトであることが大きいだろう。

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ラストの「CHERRY BLOSSOM」の大団円は客席から高々と上がる無数のタオルと、空から降ってきた白、赤、黒の風船が跳ねるカラフルな光景で、フェスの醍醐味を思い出した。

風船の色は全然桜色ではないし、白、赤、黒のカラーのチョイスなんてどう考えてもスラムダンクなんだけど、凄く10-FEETがスラムダンクの主題歌したからってあやかってるね!そういうとこ凄く好きだよ!

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長くなってしまったけど、制限解禁ライブの10-FEETの爆発力はとんでもなかった。

本当にとんでもない体験だった。

今まで何故か私が行くフェスにいつもテンフィがいなくて、ようやくこのタイミングで念願叶った訳だけど、このタイミング”こそ”が良かったのだと思う。

自分でダイブしといてコロナ明け初ダイブがテンフィとはなんと贅沢な…上げてくれたお兄さん方ありがとうございました!

テンフィのライブは初っ端の「goen on」から意地の最後の「時間がない時のRIVER(まさかの「母は泣いた」で終わった)」まで隅から隅まで楽しかった!!

これから本格的なフェスシーズンに入るけど、TAKUMAさん曰く「第ゼロ感を聴いて帰ろうとすると爆発するシステム」になっているそうなので、行く人は最後まで10-FEETのライブ見ようね!


クーアザドンイハビ!

「諦めたらそこで自分終了だよ」ってビバラもスラムダンクにめちゃくちゃ乗っかってるじゃん!そういうとこ好きだよ!






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