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一年前、エルレの復活ライブに選ばれたんだ[2018.8.15 ELLEGARDEN@ZOZOマリンスタジアム]

ELLEGARDEN復活

一年前たった今、この喜びと感動は消えそうに無い。

その時、私は友人と食事中だった。
友人が席を外した時にTwitterを開いた瞬間だった。

「ELLEGARDEN 復活」

その2単語が私のTwitterを埋め尽くしていた。

不意打ちの復活に動揺し、バンドなんてよく分からない友人にきっとELLEGARDENなんて言っても伝わらないとは思ったけど、
席に帰ってきた途端に震える手で友人の腕を掴み
「どうしよう、ELLEGARDENが復活した」と
動揺しながら目を丸めて伝えたことを覚えている。

楽しい友人との時間もおひらきになり、
最寄駅からの帰路「Supernova」を聴いた。

ああ、Supernovaから始まるライブが見れるんだ、
そう思ったらボロボロ涙が流れてきた。
別に仕事で怒られたとか、情緒がよろしくないとかではなくて、ただエルレが復活したと聞いて、ただ嬉しくて音楽を聴いただけだ。
そんなことで音楽を聴いて号泣したことは初めてだった。

私は活動休止してから数年後にエルレの存在を知ったので世代ではない。
世代としてはMONOEYES世代だと思う。

エルレを知ったのはバンドにハマり始めた頃、気がつけば「細美武士」の名前が1人歩きしており、自分のことなのに知らぬ間に「細美武士」「ELLEGARDEN」「the HIATUS」の存在が意図せず刷り込まれていた。

タイミング的にも細美さんの存在を知ったのは震災で音楽での復興活動が活発だった頃なので(今でもだけど)その影響も大きいと思う。

正直、エルレは復活しないと思っていた。
MONOEYESを組んだと知った瞬間にエルレの復活は諦めた。

ライブの友人とも話している時でも「エイタスもモノアイズもいいけど、エルレも見たいね」「いつエルレ復活するのかな」と必ずどのバンドの集まりでもエルレの話をしていた。

ああ、エルレはこのまま復活しないで終わるんだ。

エルレの復活、活動休止も10年を迎えようとしていた頃の突然の発表だった。

前からエルレ好きって言ってたよね!って言う子からそもそもエルレ知ってたの?みたいな子までひっきりなしに騒いでいた2018年5月10日、
喜びに満ち溢れていながらも異様な空気を放っていた。

チケットをご用意いたしました

復活と同時に活動休止ライブをした「新木場STUDIO COAST」「仙台PIT」そして3万8000人と最大規模の「ZOZOマリンスタジアム」の3カ所で復活ツアーを開催の発表と同時にチケットの申し込み受付がスタート。

この時は対バン形式とは言っていたがゲストは未発表。
申し込み開始直後からサイトが開かないほどのアクセスが集中し、予想をはるかに超えるチケット争奪戦に。
だがしかしさすがは細美武士、ロックキッズの気持ちをしっかり汲み取りこんな対策を施した。

今回は2枚までの申し込みで、同行者情報も必須だった。
事前にアナウンスがあり、このような申し込み形式は弾くとのことだった。

転売対策のためチケットは全て電子チケット。
例)A+同行者B+同行者C     →Bが申し込み重複しているのでABC全員申し込み対象外
例2)
A+同行者Bで当選。だかしかし、Bが都合が合わずライブに行けなくなった場合
同行者を変更する(譲りを探す)ことができる。

そう、今回のELLEGARDENのチケットは運と人脈、
自分の力で取るしかないのだ。

私は申し込み当日は確か会社の送別会だったので落ち着いた次の日に申し込むことにした。
誰かと一緒に行きたいが、周りも全員申し込むようだったので結局自分の分1枚だけで申し込んだ。
こんなに緊張した申し込みも初めてだったと今でも思う。

次の日同じ会場で既に[ALEXANDROS]のワンマンライブが決まっていたので
2daysしたくて迷わずZOZOマリンスタジアムに応募した。


エルレに気を取られる生活をしながら数週間後、チケットの当落日がきた。
ちょうど当落の発表が仕事のお昼休憩の時だったのでドキドキしながらイープラスを開いた。

「チケットをご用意いたしました。代金を期限内にお支払いください」

は?ご用意?なんかイープラスがわけわかんないことを言っている。
いやいやいや、、、、え、ELLEGARDEN、、、ZOZOマリンスタジアム、、、
エルレ、、、エルレ当たったの!?!?!?!?

ぎゃああーーーーーー!!!

悲鳴を上げて膝から崩れ落ちた。

どうしよう、エルレ見れる、どうしよう、エルレ見れる。。。

この時の嬉しさは今でも忘れられない。

Twitterですぐエルレ当たった騒ぎ、事務所に戻っては職場の人たちに「エルレ当たりました!」とガッツポーズを決めた。

就業後にはあれが夢だったらどうしよう、と思った矢先遅れて当選メールがきた。
何度見ても「チケットをご用意いたしました」って書いてある。
マジだ。エルレ見れるの、マジだ。

友人たちや申し込んでない新木場や仙台の当選者はSNS上にいるだろうか、とTwitterを再度開いたら「エルレ当選者初めて見た!おめでとうございます!楽しんできてください!」とたくさんの祝福の言葉が届いていた。

のちにInstagramでもエルレの当選を報告すると、同じように祝福してくれた。

ライブの友達から学生時代のSNSではつながっているがあまり連絡を取っていなかった友達、もはや繋がりのないFF外のエルレリスナー、様々な人が関係なく、自分のことのように祝福してくれて嬉しかった。
自分の誕生日よりメッセージが来たと思う。

きっと自分も行きたいはずなのに、自分のことのように喜んでくれてる。

みんながくれた祝福のメッセージ、絶対に無駄にしたくなかった。

みんな優しいな、ありがとう。

迎えたライブ当日、朝から長蛇の物販列

時は過ぎ対バンゲストのONE OK ROCKも発表された。
チケットもダウンロードし、待ちに待ったグッズも発表され、待ちに待った当日。

物販のため朝7時頃、会場最寄りの海浜幕張駅前で友人と合流。

15分か20分ほど歩きZOZOマリンスタジアムに到着した。
「見えた見えたー!」と言いながらZOZOマリンスタジアム沿いを歩いた。
この時点ですでに並んでいた人数は6000人を超えていて、長蛇の列にスタッフの指示に従い並ぶ。

物販開始は9:00からだったものの、買えたのは12:00頃。
私が買えた時には売り切れた商品がぞろぞろ出てきた時だった。

自分用に買ったのはワンオクとのコラボTの黒2枚(着る用と観賞用に)と赤のタオルとラバーバンド、ステッカー。頼まれていた代行分を含めるとTシャツ6枚とタオル4枚、ラバーバンド各色、缶バッチと個数制限のギリギリ買い、それでも2万と少ししかかからなかった。

だってTシャツ2500円とか、タオルが1000円とか、安すぎるんだよ!(怒ってる)
普通に3000円とか1500円とかで出していいから!

物販終了後からライブ開始までの時間は友人のグッズの代行分を受け渡し、
現地で出会った素敵な方々とご飯を食べ、別でチケットを取っていた友人と合流して写真を撮り、お互い楽しもうねー!とはしゃいでいた。

「ELLEGARDEN」のライブで友人と会えるって空白の10年間、誰が想像してた?

そんな興奮と緊張に紛れた時間もあっという間に過ぎ、
開場時刻となりそれぞれの席へと会場内に入場した。

入場時のIDチェックはスタジアムの規模でもかなり厳密だった。
チケットもぎりのスタッフ、身分証を確認するスタッフ、リストバンドを受け渡すスタッフがおり、入場自体はスムーズではあったもののここまで徹底されたことはなかったので驚いた。

私はスタンディングの左手Lブロック。
チケットと引き換えにこの日限定の赤色のリストバンドを装着していざ出陣!

ライプレポート:ONE OK ROCK

日が落ちる前のまだまだ明るいスタジアム。
場所はPAより前の中間ぐらいのところ。野外フェスの雰囲気を醸したままライブは前座アクト:ONE OK ROCKからスタート。

セットリスト
1.Taking Off
2.The Beginning
3.Clock Strikes
4.Take what you want
5.I Was King
6.Mighty Long Fall
7.We are
8.完全感覚Dreamer

筆者がワンオクを初めてみた時は4年ほど前なのでもちろんセトリは当初と比べて大きく変わっている。
(ちなみにラババンは3年くらい前の渚園のライブの時のグッズ)

正直ワンオクには申し訳ないが、エルレの復活に緊張し過ぎてあのワンオクが見れるとかそれどころではなくライブの記憶がほとんどない。
ただ、Takaが話していたことはよく覚えているのだ。

「エルレは俺らが10年ぐらい前まだバンとかでツアーしてた頃よく車で流していたんだ。やっとバンドとしても細美くんと話せる立場になって、エルレが見た過ぎて、エルレ見たいから前座で出してくれって頼んだんです。そしたら出させてくれました!」
「バンドって時代があって、あの時はあれが流行っててってあるけどELLEGARDENはELLEGARDENなんだよ」

それからも「これからELLEGARDENだぞ!そんなんでいいのか!」と曲とともに観客を煽り、前座としてのミッションをしっかり果たした。

「完全感覚Dremer」ではステージからTakaが消えたと思ったらスタジアムの後方にへと走り、圧倒的な声量と運動量であの広いスタジアムを颯爽と駆け抜けた。

ワンオクのエルレへの熱量がこのスタジアムに残り、きっちりと前座としての役割を果たした。

ライブレポート:ELLEGERDEN

ワンオクの世界レベルの圧倒的なステージとELLEGARDENに対する敬意がZOZOマリンスタジアムに注ぎ込まれ、熱いライブを終えるとすぐにスタッフがステージに現れ、手早くELLEGARDENのセッティングをする。

一方客席では周りはみんな緊張していたのか、転換中のBGMで流れていた10-FEETやMONGOL800をみんなで歌い始める。
待ってる時間はとても時間が長いように感じた。
緊張感もMAXに高まった中、照明が落ちた。

「ELLEGARDEN」のロゴのスカルの幕が堂々と浮かび上がった。

悲鳴のような歓声とともに入場SEで客席からクラップが鳴るとあの4人が登場した。

私は拳を上げた。

私は涙とモッシュで登場時のステージは見えなかった。

耳にはオーディエンスの大きな歓声が突き刺さった。

見えなかったけど、ただ、メンバーが登場したのはわかった。

そしてすかさず細美さんがギターを持ったようで、細美さんの声とギターだけであの歌を歌い始めた。

There is nothing I can do as well
 But to dream her all the time
I'm a fuckup and I'm nuts so she's gone

活動休止してからの10年間、細美さんは「エルレが復活したら絶対Supernovaからライブやる」とエルレに対して何か聞かれれば都度言っていた約束の「Supernova」

音源でしか、DJでしか、会場のBGMでしか、コピバンでしか聴いたことのなかったELLEGERDENのライブが始まった。

開演前友人と私だけスタンディングだったので「ダイブしてこいよ!」「飛んで欲しい!」なんて言われたけどテンションぶち上がったら行くわ!と返した。

そんな会話を思い出し、私の心の何かがパーンと弾け飛び、Supernovaのラストのサビで飛びたい!と思って目の前にいたお兄さんの肩を借りようと思い肩を叩いた。そしたら、その隣にいたお兄さんも私を上げるのを手伝ってくれて「行って来い!」と言わんばかりの表情で私1人に対してトータル5人で送り出してくれたのだ。めちゃくちゃ嬉しかった。

ELLEGARDENのライブでダイブする日が来るとは思わなかった。

聴きたかったはずなのに、笑顔で送り出してくれてありがとう。

私はブロックの2番目ぐらいの中途半端なところにいたのでセキュリティさんにキャッチしてもらい、ステージの目の前を通るのは...と思って後ろから回ろうとしたら「前から回ってくれ」とスタッフに通せんぼされたのだ。
PA席だったということもあるが前から回っていいのだろうか、、、
そんなこと言ってる暇ない!

即座に通常のステージなら「花道」と呼ばれるサブステージへの箇所が今回は通路となっており、スタッフに紛れてステージのドセンターの通路を走った。

振り返ったらELLEGARDENの4人がいた。

ELLEGARDENのボーカルの細美武士が目の前に現れた。

NCISでしか見たことなかったウブさんが細美さんの隣でギターを弾いていた。

初見のドラムの高橋さんが感慨深そうに細美さんの背中越しにオーディエンスを見ていた。

ある日偶然会ったBa高田さんもベースを弾いている。


これがELLEGARDENなんだ!


目の前に現れたエルレに向かって拳を突き上げて走った。

ダイブしたのも、拳を突き上げたのも、ライブハウスでは戻る時にいつもは最前の人に邪魔にならないようにすぐ戻るんだけど今回飛んだ場所が邪魔になんてなる場所ないのに構わず思いっきり走ったのも、全部反射だった、全部身体と心が動いたからだった。

今思うと、エルレが鳴らす音に集中してて脳みそが空っぽだった。

今を生きている感じがした。

細美さんはギターを持ったまま、月が浮かんだすっかり暗くなった空の方を向いていたのに綺麗な空は見ていなかった。

視線の先は隅々まで埋め尽くされたスタジアムの人間だった。

誰1人こぼさないように、誰も自分のように孤独にならないように、そう優しいんだが冷たいんだかわからないけど、意志の強い眼差しで見ていた。

ダイブした時の一部始終、
景色も感情も今でも記憶が生きているかのように鮮明に覚えている。

流石にアリーナクラスなのでブロック内には戻るのに時間はかかった。
ライブはどんどん進み「No.13」のアルペジオが流れるとまた一気に歓声が湧き、ブロックに帰るとすぐ「Pizza Man」が始まった。

後方ではサークルモッシュが発生しライブもフェスもベテランです!みたいな大人たちが俺も!俺も!と言わんばかりにどんどん参加し、ぐるぐる走り回っていた。

パパ世代のいい大人達が、この時だけ仕事や家庭を忘れて川沿いで学生時代の友人とBBQをしているかのような青春に近い懐かしさを感じて眩しかった。

ここから記憶が無いぐらい音楽に集中してしまい、ほんとに楽しくて仕方なかった。「Fire Cracker」「Space Sonic」とアグレッシブに演奏すると「高架線」で熱気を残しつつしっとり歌いあげた

「こんばんは、ELLEGARDENです。ただいまーー!」

MCが始まり、「おかえりーーー!」とみんなで復活を祝福した。

「いやー、10年もかかっちゃったよ。こんなに時間がかかると思ってなかったけど、俺ら嘘とかつけない正直ものでさ。10年待っててくれた人いると思います。待っててくれてありがとう。」
「実はこのライブ、2年前から動いてました。この日のために色々考えて頑張ってきました。もともとこんな大きなステージでやるためにバンドやってきたわけじゃないけど、こんなに大きなステージでやるのも最初で最後だし、今まで頑張ってきたから、今日だけはロックスターになってもいいですか?」
「俺らを知った頃高校生とかでちょうど活動休止しちゃったりとか、両親が車でエルレ流してて知った若い子、もちろん活動休止してから知った人もいると思います。初めまして、ELLEGARDENと申します、以後お見知りおきを。」
「ちょっとみんな静かにして..」
「外にいる連中ー!ケガだけはすんなよー!」

会場外には約1万人のも音漏れの観客がいた。
チケットが取れず、でもエルレの復活に場にはどうしてもいたかった思いは細美さんの耳にも届いていたようだ。

私も会場に向かう途中やご飯を食べに行く道中、たくさんの「チケットを譲ってください」の段ボールやスケッチブックにイラストなどを自前のボードにエルレへの思いを書いた人々がずらりと並んで立っていた。

ブランクのある10年ってすごいな。私が生きてきた半分ちょいだもんな。

ライブに戻ると「懐かしい曲をやります」と全部エルレの曲は懐かしいだろ!ときっと全員同じことを心の中で突っ込んでから始まったのは「Missing」

残念ながら月明かりで星空は見えなかったが野外の「スターフィッシュ」は格別だったし、真夏に投下した「The Autumn Song」は夏が去る寂しさを消し去った。この曲、大好きだから聴けて嬉しかった。

「風の日」ではギターソロ前に細美さんが「生形〜!」と叫ぶとその後も休む暇なく「Middle Of Nowhere」「Surfrider Association」「Marry Me」「Lonesome」「金星」を続けて演奏した。

金星が終わるとこんなことを話した。

「金星って我ながらいい歌詞だよね。さっきも言ったけど俺ってすごい正直もので嘘とかつけなくてさ。俺もお前らも馬鹿だけど、馬鹿だから10年もかかっちゃった。」
「あ、カメラいっぱい入ってるけど今日のライブDVDでないからね。
これは俺たちのためのライブであって、お前らのためじゃないから。
俺らを待ってくれた人たち、10年間のそれぞれの物語があると思う。それを上書きするのは違うから。その物語、次会った時に聞かせてよ。」

そして細美さんから「何か言いたいことある?」「じゃあ、俺から言うよ」とウブさんから一言ずつ話した。

「今日は集まってくれてありがとうございます。10年も待ってくれた人もいると思う。千葉は俺らの地元で、当時俺たちは近くの船橋に住んでてスタジオで練習して終わったら細美さんを自宅まで送り届けて、って言うバンド生活をしてました。本当にありがとうございました。」

続いてDr高橋さんは涙を浮かべながら感慨深い表情で

「俺、ELLEGARDENはもう再開しないんじゃないかって正直思いました。みんなのおかげてこのステージに立ててます、俺は座ってるけど。ありがとうございました。」

Ba高田さんは細美さんの「雄一、言いたいことは?」との問いかけに対して

「特にないっすね〜〜〜〜〜〜〜。俺最近初台WALLでしかライブやってないんで、こんなデカイとこでライブして勘違いしちゃってます。もう初台ではやらないかも。」

と強すぎるメンタルでたくさんのバンドがスタジアムを志す中大胆な発言をした。高田さんはもはやエルレのベースだからすごい、と思っていないところがいい。

ここから後半戦!とライブハウスでは演奏されなかった真夏の「サンタクロース」「Mosnter」を追加で演奏し、「RedHot」「Salamander」のキラーチューンで盛り上がりを巻き返した。

続いてやっと聴けた!と嬉しかったのが「ジターバグ」

実は趣味でベースを弾いていて、ベースを持ったのが確か18歳。(以前はギターを弾いてた)この曲弾きたい!と思って一番最初にエルレの曲でコピーしたのが「ジターバグ」だった。
簡単なんだけど、弾いてるととても楽しいんだよね。

2サビに入ったとき私の目の前に「行きなさい」と言わんばかりにいい表情をしたおじさんと目が合い、飛ぶつもりは無かったけど大好きなジターバグでも飛ぶしかない!と思ってスルっと上げてもらってダイブしてきた。

大好きで思い出のあるジターバグで自分がダイバーになる日が来るとも思って無かった。

最後に演奏されたのは大の名曲「虹」

積み重ねた 思い出とか 音を立てて崩れたって
僕らはまた 今日を記憶に変えていける

大合唱で今まで以上の一体感を生み出したが、私には既に感動という感情ははなかった。

とにかくエルレのライブが楽しくて、楽しくて、楽しくて、仕方なかった。

平和を願う、愛に満ち溢れたアンコール

鳴り止まない拍手の中、数分後すぐにメンバーがステージに登場した。

「アンコールありがとう!今日は8月15日。終戦記念日。ミュージシャンだから平和とか歌うの大事だなって当時は思わなかったけど今は思います。3分だけ付き合ってくんねえかな。」

モニターには細美さんのギターを繋ぐアンプに虹色の千羽鶴が停まっていた。
そしてゆっくりと「Make  A With」を歌い始めた。

前方には大量のリフトが発生。
アリーナでは大合唱とともにブロックには大きなサークルが出来た。

全員で歌いながら、ブロック目一杯に輪を作った。

どんどん広がる大きな輪、肩を組むわけでもサークルの真ん中でチョロチョロ動くやつもいるわけでもなく、一人一人が作り上げていった大きな大きな輪。

サビで一気に畳み掛けると前方にはリフトからダイバーは流れ、
サークルははち切れるように勢いよく崩れた。

それでも細美さんの歌に負けないように誰もが「Make A With」を歌うことを一切やめなかった。

平和に捧げたサークルはこんなにも美しいものだと知り、
「Make A With」はこの日から特別で、忘れられない曲になった。

アンコールの2曲目では「月」を月明かりのもと演奏された。
野外のライブ、晴れた夏の日、澄んだ夜空には月と申し分ない美しい情景。
「スタジアムって座れるのかな?」と観客を座らせる。
「ゆっくりでいいからね」と前から順に座っていき、エルレも観客も全員が座った。

そしてドラムの4つ打ちの合図で飛べ!と全員跳ね上がった。
一体感と愛に満ち溢れたエルレとのアンコールも大盛況で終了した。

まだまだエルレ復活祭は終わらせまい!と鳴り止まない拍手の中、Tシャツを抜いでイカついタトゥーを露わにした細美さんらが再登場。

ダブルアンコールは最後は「BBQ Riot Song」で暑い夏らしく締めくくった。

締めくくりはしたけど、この時点ではまだ今後の活動は不透明だったエルレ。
でもなんだかこの平成最後の夏で終わりではなく平均年齢45歳ほどのおじさんバンド、歳なんて関係無くまだまだ続いていくような気がした。

「最後に写真を撮ろう」とワンオクの4人も呼び、観客をバックに写真を撮り
「ありがとうございました、ELEEGARDENとONE OK ROCKでしたー!」と叫びロックスター・ELLEGARDENのライブは終了した。

See you some time on the beach

初めて行ったELLEGARDENのライブ。

正直どうして私なんかが当たったんだろう?と何度も思った。
でもライブに行って思った、「私がエルレに選ばれるべき人間だったんだ」と。

煽りについていこうと追いかけて走っているわけでも無く、
好きな曲やらないかなと待ち構えているわけでも無く、
ただ落とされる曲に反応して、たた落とされる曲で盛り上がって、
ただ落とされる曲をしっとり聴いた。
それが24回続いた。

エルレと歯車が合ったのかな、
ステージと客席と舞台は違ってもいい意味で一緒にライバル視しながら走っていて、鬩ぎ合っているように感じた。

エルレに選ばれた人間だと、そう確信したのは初っ端からだった。
「Supernova」からありとあらゆる全身の細胞にギター、ベース、ドラムとそれぞれの楽器の音や細美さんの声が容赦なくズカズカ入ってきて、ライブ中にエルレの曲と共に自分の心が強くなっているような感じがした。

初っ端ダイブしたい!と反射で飛んだけどこの時「自分の持っている形のない何かを全て捨てて、全て失ってもELLEGARDENに捧げたい」と思った。

「私が持ってるもの、全部いらねえ!」と投げ捨てた感じだった。
多分持っていたのは変なプライドとか、強がりとか、生活してる中で知らないうちに溜まっていたストレスとか、PCの不要ファイルみたいなそんなもの。

丁寧に選別して一気に断捨離したというより、高層ビルの10階から自分の持ち物全てぶん投げた感じだった。

エルレのライブ終わってからは多幸感とスペシャルライブに選ばれた優越感に浸されていたが、満たされた心はとてつもなくスッキリした。
余韻は2、3ヶ月も収まらず、細美さんの言う通り「このライブだけの物語」だった。

一年経った今もエルレのおかげていい方向に人生進んでいる気がする。
いや絶対そうだ、エルレに選ばれた女だもん。

このライブでしばらく満足してたけどやっぱりまたエルレのライブに行きたい。
ELLEGARDENのライブが、今までのライブ人生で紛れもなく一番楽しかったから。

あの場にいた全員が「ガキ」になってて、
全員がどこかに忘れてた「青春」を取り戻していた。

でも、エルレが鳴らす青春は甘酸っぱい青春なんかじゃなかった。

夏の青い空のように、はっきりと色濃かった。

私も、あの日は今以上に「ガキ」になって騒ぎ倒した。

いつか細美さんにお会い出来る日が来たら、
あの日上書きしなかった私の物語をなんて話そうか。

セットリスト
1.Supernova
2.No.13
3.Pizza Man
4.Fire Cracker
5.Space Sonic
6.高架線
7.Missing
8.スターフィッシュ
9.The Autumn Song
10.風の日
11.Middle Of Nowhere
12.Surfrider Association
13.Marry Me
14.Lonesome
15.金星
16.サンタクロース
17.モンスター
18.Red Hot
19.Salamander
20.ジターバグ
21.虹

en1:Make A Wish
en2:月
w en:BBQ Riot Song



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