家族で廻る寿司へ。
平日の夜でもまぁまぁお客さんが入っていて賑わっていた。
私達家族もボックス席であれこれ注文してお寿司を堪能していた。

ふと視線を感じて正面を向くと、横の席の小さな男の子が、衝立の上から顔を出して私の方を見ていた。小さな子どもが食事に飽きた時によくやる行動だ。

静かにじぃ〜っと私を見下ろしている。
私は少し微笑んで見せた。

男の子は静かにじぃ〜っと何のリアクションも無く私を見下ろしている。
私は思いっきり唇をすぼめて、特大の投げキッスを送った。
相変わらず男の子はノーリアクション。

ふと視線を感じた。
通路を挟んだ斜め向こうに座っている女性が、こちらを見て大爆笑していた。

私の特大投げキッスは彼女に届いたようだ。