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二度と行かない

20代前半の頃、フェイスサロンに行ったことがありました。
当時チョロかった私は、某駅の構内でキャッチセールスにつかまりました。
その際、「今のままでいると将来大変なことになる」と密かに恐れている部分を突かれ、とりあえず指定された日に、その事務所を訪ねました。

事務所で契約の手続きをして、奥の広い空間に案内されました。
そういう施術を受けるのは初めてで、そのときの私は、担当さんの腕が良いのか下手なのかも判断できませんでした。
ただ、施術中、ずっと顔を強く擦られて、痛かったのを覚えています。「早く終わって」と思っていました。

翌日、朝目覚めて鏡を見ると、顔は真っ赤に腫れ上がり、熱をもっていました。その症状が引くまで1週間くらい掛かりました。
今思えば、そのときにサロンに行って、クーリングオフをすれば良かったのです。
でも当時の世間知らずな私は、サロンに行くことを止めてしまえば、お金をこれ以上支払わなくていいのだろうと考えていました。

翌月、ローン会社から電話が来て、「お金が入金されていない」と言われました。
「もうサロン行ってないから、お金払わなくてもいいんじゃないんですか?」と私が言うと、「サロンに行く行かないは関係なく、ローンは組んであるので」と言われました。
そこで初めて私は、ローンの恐ろしさを知り、自分の甘さと愚かさを知りました。
結局、2年くらいかけて、そのローンを支払いました。


何度目かの引越しをして、私は美容室を探していました。
美容室の何がイヤって、まず、シャンプーの際の「温度いかがですか」、「痒いところないですか」、「流し足りないところないですか」、等のやり取り。
キミ、プロなんだから黙ってやってくんないかな⋯。

髪を乾かしながら、ロットを巻きながら、よく分かんないスタッフさん目線のお喋りに付き合わないといけないところ。
私、お客で来てるから、気を遣いたくないんだけど⋯。

何人もスタッフさんが入れ替わり立ち替わりで目が回るところ。
人疲れするんですけど⋯。

美容室は、基本的にリフレッシュとのんびりしたくて行っているので、あんまり気を遣いたくないのです。

私は徒歩圏内で、シャンプーから仕上げまで1人のスタッフさんがやってくれる美容室を探しました。
奇跡的に、1軒見つかって、予約してお店に行きました。
私の担当になった人は女性のスタッフさんでした。
初回は髪質やクセ、好みの髪型の話などをして、比較的ムダ話もなく、スムーズに終了しました。

2回目以降から、なんとなく、どこか『説教めいた』接客をされるようになりました。
例えば私の極細の髪。生まれつきなのですが、「日々のケアが悪いから細くなるんですよ」。

クセが強く出ている箇所について、「ちゃんとブローしないからそうなるんですよ」。
ブローしても直んないのがクセなんだけどね。

毎日シャンプーしていると話すと、「お湯で流すだけで汚れは落ちるんですよ。シャンプーすると髪が摩擦で痛むんですよ」。

なんか、そのスタッフさんが、いろんな美容室を転々としているというのが、納得できる気がしました。
私はずっと接客業に従事してきたので、正直、そのスタッフさんはバッテンでした。
自論があっても良い。
でも、それをお客さんにおっ被せるっていうのは、大間違いです。

最後の日は、前髪を切らないでほしい、という私のお願いを無視して、勝手にハサミを入れられました。切り込まれてしまったら、ストップをかけても、もう遅い。
勝手に前髪まで切られ、望んだ髪型にならなかったことに不満を持ちましたが、「仕上がりどうですか?」のひと言もありませんでした。
「前髪切り過ぎちゃいましたかね」と悪びれず言われ、心底腹が立ちました。
店長さん(男性)が別の人のカットをしながら、心配そうに私を見ていました。でも、切られちゃったもんはもう元には戻せない。
それ以降、その美容室に行くのを止めました。


知り合いに紹介してもらった歯医者さんに行ったのは、まだコロナ禍の真っ只中の頃でした。
ドアを押して入った瞬間から、「ダメだ、ここ」と思いました。
受付のカウンターは余計なもので溢れ、カウンターの側面にはA4のチラシがベタベタと張り重ねられていました。古いものは剥がして、綺麗にして、新しいチラシを貼れば良いのに、とにかく新しいのが来たら上に上にと貼っているようでした。
中に入るとすぐに、受付の中年女性に「アルコール消毒してください!!」と甲高い声で命令されました。

カウンターから続く診察室に進むと、そこの壁面も、表彰状の額で埋め尽くされていました。
ほんとうに、息が詰まりました。
もっと綺麗に、間隔を取って、飾れないのかな。

先生は老年に近い男性でした。
すぐに気がついたけど、普通ならいるはずの助手さんが居ませんでした。
そして、気になる箇所を治してほしいと頼んでも、「あんまりいじらない方がいい」と謎の返答をされて、殆ど処置をしてもらえませんでした。
そのくせ、抜かないで治療してほしいところを勝手に抜かれたりしました。
口を濯ぐ水も、私が今まで体験したどの歯医者さんよりも、細く少ない水量で、なんか、ケチってるのかなぁと感じさせられました。

治療が終わって、台から降りた途端に、「マスクしてください!!」とまた受付女性に怒鳴られました。

「コレ出して」と薬の説明をする先生に、「えぇ、でも、こうだから」と、どこか甘えた空気の声を出す受付女性を見て、「この二人、関係あるんだな」とすぐに勘づきました。

夏に治療に行った際、私は早めに行って、涼を取っていました。
すると、受付女性が出てきて、「早く来るのやめてください!!まだお昼食べているのに!!」と怒鳴り始めました。

いえ、私、出てきてくださいなんて頼んでませんけど。休憩中なら、休憩してればいいじゃないですか。なんで人にあたるんですか?
私は涼んでいるだけですよ。

口には出さずに、ガミガミの嵐に降られました。
このヒトがいるから、助手さんとか居つかないんだろうな、と思いました。
もう、ここ、来るの止めようっと。


私は基本的に初めはなんでも受け容れて、少しのことなら我慢してしまう質なのですが、やっぱり、変だな、とか、ヤダな、と感じたところへは近寄らないのが一番ですね。

数年後の今は、おかげさまで、良いカットハウスに出会えて、優しい歯医者さんに恵まれています。
感謝しています。

今日は、この辺で。
読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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