AVレビュー「ラズベリー」

「ラズベリー」


ある日、アラサーOL・涼子は7歳年下の宏太を自宅に監禁する。それは「愛される」
為に取り繕って生きる事をやめ、宏太に精一杯の愛を与えながら、涼子は
素の自分をさらけ出していく…。
宏太のために用意した部屋、食事。それなのに彼は拒み続ける。手足を拘束
され身動きができない状態にされながらも抵抗し続け、与えられた食事ずら
食べない。
時間とともに少しずつ憔悴してきた宏太に、涼子は舌で指で肉体を刺激し始める。
縛られ悶え苦しんでいたはずの宏太の体に悦びの反応が。彼に自分の欲望
をぶつけることができた快感に浸る涼子。そして、赤い縄で縛られたまま
さらに愛を与え続けられた宏太は…

この作品は私が初めて自分で購入した作品です。(初めて見たものではないです)
このころから作品を探すネットサーフィンの旅を満喫していた私。
偶然見かけたこの作品で初めて女優さんではなく男優さんにも目が行きました

AVの中では珍しいくらい若くてルックスも良くて演技力もある人だなと感じました。
今ではもうかなりの人が知っているプロ男優の「タツさん」そのタツさんが
今より若い時の作品です。
今では「エロメン」や「ラブメン」がかなりの知名度になっていますが
まだ全然今ほどの知名度がない時代。
この作品は女性向けの部類に入る作品ですが、柔らかい感じでも、ロマンチック
なつくりでもありません。
アラサーのさえない女の狂った愛情、醜さ、美しさが詰まった作品です。
人間らしさが出ていて私は目が離せなくなります。

主演は星野あかりさん。大人の色気がある女優さんです。
狂気じみた女の愛情を、視線、瞬き、呼吸の仕方など細かい動き一つ一つ
で表していてすごいです。


見てみるとパンイチの宏太が椅子に拘束されているシーンから始まり序盤から
飛ばしまくっている…。宏太の向かいには髪もボサボサ、ふちのはっきりした
メガネ、瞬きがほとんどなく見開いた目…。狂気があふれ出ている女…涼子。
俗にいう「女を捨てた女」という人種でしょう。

新入社員の宏太に一目ぼれした涼子は、自分のモノにしようとしますが全く
自分の言うことを聞かない宏太に苛立ち、監禁し動きの自由を奪い空腹という
3大欲求の1つを管理し、徐々に正常な判断ができないようにしていきます。


最初は唾を吐いたりかみついていた宏太ですがついには椅子ごと横転し
泣いてしまうほどの変わりよう。なんだかリアルに悲しくなってきます(´;ω;`)
判断力がなくなってく宏太。若さと気力を吸い取ったかのように生き生きしてく
涼子の歪んだ愛情は日に日にエスカレートしてきます。

最終的には涼子の身勝手な性行為に不覚にも体は反応してしまう宏太は
涼子のおもちゃとなってしまいます。

私が思ったのは確かに涼子は狂気じみているのですが途中しっかり
綺麗になっていくんですよね。最初の涼子とは確実に違うのです。
もしかしたら宏太の感情の変化で違く見えているのをあらわしているのかもしれません
綺麗さと輝きが一番最初と最後の方とでは逆転しているんですよね。
本当に面白いです。人ってやり方次第ではいくらでも上に上がれるし、
輝いている人でも簡単に壊れてしまう…。本当に人間らしさが出てるAVだなって
思いました。

もう一つ感じたのは「涼子が好きなのは誰なのか」っていうところです。
私は確かに宏太に一目ぼれをしたことは間違いないと思いますが、涼子が
一番好きな人って「自分」なんだと思います。だから自分の言うことを聞かない
宏太に苛立ち、自分の体を見せつけ、お気に入りのリップをつけさせた
宏太の唇にキスをする…。
私はそう思いました。

恋をしている時可愛くなる女の子の中には
「恋をしている自分に恋をしているから」可愛くなる人もいると思うんですよね。

ナルシスと的な意味ではなく単純に自分が愛しくなければ可愛くなんかなれないと思うし
それに気づくから綺麗になると思うんですよね。

私はこの作品は瞬きも忘れ真剣に見てしまう…。未だに好きなAVトップ3
に入る作品です。


人にはドラマと性格があるからこそSEXがエロく感じるんだと思います。
人間の綺麗さも醜さも見れるこの作品、男女問わず皆さんに見ていただきたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?