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コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」第11話。「福島・喜多方のカノコソウ」

今回の旅もまた多くの洞察を得た旅だった。

場所は福島県・喜多方。
そして、今回のパートナーは漢方薬の製造販売、原料の製造を行う「清水薬草店」。

ことの発端は我々イヨシコーラが全国の銭湯と行っている「イヨシコーラの湯」。
「イヨシコーラの湯」とはクラフトコーラの製造過程で出る出し殻を使ったコーラの香りのするお風呂のことだ。

出し殻を乾燥させるのに全国の加工場をやりとりをしていたところ、たまたま清水薬草店さんと知り合い、漢方関係の事業をおこなっていることを知り、「日本を、飲む」で伺うこととなったという流れだ。

現地に到着し、清水薬草店の清水さんのお話を伺う。清水さんも3代目で、当時、初代が働いていた製薬会社から漢方の事業部を受け継ぎ、創業に至ったという。もともとの製薬会社は今は現存しないという。

清水薬草3代目 清水さん

この話を聞いた時に、我々の事業と重なるなと思った。私の祖父「伊東良太郎」ももともと東京・神田にある漢方薬局で小学生の頃から丁稚奉公として働き、漢方薬局に納める生薬の加工・卸業を東京の下落合で始めた。そして、祖父がもともと働いていた漢方薬局も今は存在しない。

福島と東京。場所は違えど時代の流れとして同様の現象が起きている。
アナロジー関係だ。
清水さんは福島で3代目として漢方の事業を。そして僕は東京でコーラには形を変えたが、漢方にまつわる事業をおこなっている。

さて、今回の薬草の話に移ろう。
今回用いる薬草は「カノコソウ」。根は薬として登録されており、使用することができないが、葉の部分は使うことができる。

カノコソウ
カノコソウの匂いを嗅ぐコーラ小林


効能としてはリラックスや精神安定といった効能がある。
特徴的なのはその匂い。イソ吉草酸という、いい言い方をすればチーズのような、悪い言い方をすると靴下のような匂いがする。(動画は以下)

https://www.youtube.com/watch?v=qR9mUilFMW0


この香りが吉と出るか、凶と出るか。
早速東京に戻り仕込みだ。
乾燥させたカノコウソウはより一層の強烈な香りを放ち、粉砕したところ、工房中がその香り、言葉を選ばずに言うと強烈な悪臭が漂った。

だが、長年の経験でうまくコーラシロップに溶け込ませる。
やはり予想の通り、単体ではきつい香りだったが、その香りはうまくマスキングされ、芳醇な味に変化した。
改めてコーラの懐の深さに驚かされる。

福島県・喜多方のカノコソウ

伊良コーラ渋谷神宮前店では乾燥させたカノコソウも展示している。
機会があれば是非、その強烈な香りを嗅いでみてください。