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呪縛になる言葉

 暑いなんてもんじゃない。ここまで暑いのは僕の個人的な感覚だと2010年以来だ。最近はTwitterで仕事のことを愚痴らないと決めたのだが、次々と職員が倒れる職場、やはり異常事態だろう。

 とまあそんな世の中のどこでも交わされている世間話はともかくとして、今回は「呪縛になる言葉の話」だ。ちょっとものものしいタイトルだけど、そんなに恐ろしいものじゃない。要は、「影響を受けてしまってなかなかそれから抜けられない言葉」という意味に捉えてほしい。

 僕はもともと、人の言葉に影響を受けやすいタイプの人間だ。良いことも影響されるし、悪いことも影響される。とにかく、どちらかと言うと言葉というものを重く捉える。だから、人が言った言葉にも自分が放った言葉にも影響を受ける。大抵は尊敬している人からの言葉が響くが、必ずしもそればかりじゃない。そして、実際にその言葉の呪縛から逃れるのはそれなりに時間が必要だったりする。

「僕はtreble(音の中の、高音成分)そんなに好きじゃないから〜」
 これは僕のギターの師の言葉だ。この言葉は意味があるとかないとかではなく、完全に好みの話なのだが、僕はこのなんの気なしに放たれた言葉が妙に印象的で、それ以来なかなかアンプのセッティングでtrebleを多めに設定できなかった。ちなみに今はtrebleをMAXにしている。

「Pantera大嫌い」
 これはバンドを組んでいたオーストラリア人のダンさんの言葉。なかなかに強い言葉だ。僕は当時、ダンさんのようにアンダーグラウンドのバンドに詳しくならなければいけないと思っていたので、「売れているPanteraはダメなのか」とあっさり洗脳されてしまった。(しかもPanteraは不味いことに、前述のtrebleの強いバンドでもある)

 影響というか、呪縛になった言葉は他にもいくらでもある。憧れから、あるいは嫌われたくないという思いから。
 しかし、こういった呪縛の言葉は、ないよりはあった方がいいようにも思っている。人からの影響に真剣に取り組み、それを超えた時に、人は独自の価値観を得られるような気がするからだ。

 今でも、人の片言隻語がスッと心に入ってくることがある。言った方は気にしていなくても、僕としてはこれはまともに受けなければいけない言葉なのではないだろうかと思う。苦しいけれど、こういうのは成長のチャンスだと思って言葉の呪縛と格闘するしかない。


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