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僕の審美眼は狂っていない

 朝から中耳炎で死んでいた。脳までやられていた気がする。他の人は知らないが、僕は2年に1度くらい中耳炎になる。なので今日も前回の中耳炎の時に処方してもらった抗生物質を飲みつつ、引っ越し先で初めて緊急で行く診療所を探した。
 結果はやっぱり中耳炎。午後には一時的に頭がスッキリ、耳の痛みも緩和されたけれど、それからまた眠りに。起きたらなんとか治っていた。明日は東京の病院に行かなければいけないので、なんとか治まってよかった。先週のパソコンのトラブルに続き、今度は肉体のトラブル。まあ仕方ないね。
 夕方以降はなんとか食材を買いに行ける余裕が生まれて、執筆のノルマも達成できた。いい感じに調子には乗れているぞ。

 ところで今回は、自分の感性の話。唐突だが、僕は美意識がずれているらしい。妹からははっきりと「お兄ちゃんはブスが好き」と言われているのだが、僕はそう言われても「そ、そうなのかな……」とイマイチ自信を持って反論できない。20代の頃に一緒に働いていたWくんからは、「個性的な顔が好きだよね」と物凄く遠回しなことを言われた。
 僕の好きな『ドカベン』に出てくる岩鬼正美は、ど真ん中の絶好球が打てなくてストライクゾーンから外れたボールは思い切りホームランにできるという、不思議な個性が与えられたキャラクターだ。そしてこの岩鬼正美、悪球が絶好球という特性が女性の好みにも出ていて、夏子さんというあまり美人とは言えない女性のことが絶世の美女に見えるのだ。
 僕の場合、岩鬼正美とは違って、美人のことは美人に見える……と思う、たぶん。ただ、どうも不美人のことも美人に思えてしまうようなのだ。
 妹から「ブスが好きなんだね」と言われた時は冗談半分でからかわれていると思ったのだが、そんな僕が「あ、これもしかして僕が間違っているのかな」と思ったのは、ライムスターの宇多丸がラジオで『レンタネコ』の批評をしている時のことだ。批評は、ハッキリ言ってボロクソだった。それはまあ別にいいのだが、主演の市川実日子さんのことを「このブス!」と言い、スタジオがドッと笑いに包まれたのだ。この時、「あ、もしかして僕、間違ってるのかな」と思った。
 そんな僕が、今一番美しいと思っているのは、市川実日子さんを除けばスリーピースロックバンド、羊文学の塩塚モエカだ。めちゃくちゃ美しくないか? あとは妹から散々ブスだと言われているぱいぱいでか美改めでか美ちゃん。薄口の日本美人だと思うんだけどなあ。

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