見出し画像

自分を責めてしまうあなたへ:心が納得するのにかかる時間について(3)

前回の記事目次一覧

事件から2年経って、あるタイミングでQさんが久しぶりにお便りをくれた。
そこには、現在彼女がうつ病に苦しんでいることが書かれていた。
そのお便りが、今私がこの「心が納得するのにかかる時間について」を再び書き始めたきっかけだ。

彼女にお便りに返事を書きながら、彼と一緒にいた5年前の自分、横領事件があった2年前の自分、そして現在の自分の状況のことを考えた。

1. 横領事件がくれた気づき

事件のおかげで、私は当時自分が陥っていた状況…どれだけ自尊感情を傷つけられ、自己肯定ができなくなっていたかをはっきり認識することができたのだと思う。

それまでの私は、彼とはもう3年以上会っていないにもかかわらず、ずっと見えない手にとらわれていた。
ハラスメントはこういうところが怖いと思う。
どう考えても彼は典型的なモラハラ人間であった、と頭では理解しているのに、からだに刻まれた呪いにはずっと無意識下で囚われ続けていた。
「私にも悪い部分があった」「今の自分の状態も、誰のせいでもなく元をたどれば自分の性質のせい」という思いを、どこかで拭い切れないでいた。

ここから先は

2,168字
この記事のみ ¥ 100

頂いた「サポート」は、よりいいものづくりのために役立てます。