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COLLECTIVE 〜関西エリア〜

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47都道府県の ZINE を公募し展示販売するエキシビジョン COLLECTIVE。関西エリアから参加してくださった方たちの ZINE の紹介ならびに、様々な活動の紹介をそれぞれ… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

さかもとめぶき 『めぶきの本』 (大阪府大阪市)

今回の COLLECTIVE の会期中よく会場を飛び交ったフレーズの1つに『レトロ印刷』という存在があります。ZINE ブームに拍車をかけたとも言える『レトロ印刷』とは。 製本しかり、紙しかり、手触り、立体感、発色などなど、ZINE の個性を強く印象づける多くの要素はレトロ印刷にお任せ! とも言える存在。今回の COLLECTIVE でもレトロ印刷による印刷・製本は多く、見るにも触るにも楽しめました。同時に、ネガティブな意見としては「印刷や製本方法、紙に頼り過ぎていて内容が

廣田くみこ 『Q』 (兵庫県伊丹市)

あっという間に終わってしまった COLLECTIVE。もっともっとたくさんのひとに来て欲しかったし、参加してくれた作家さんや来てくれた人にもっと喜んでもらえるようなアイデアもたくさんあったしカタチにできないまま終わってしまったのが本当に悔しい。カタチにしたかったアイデアのひとつに、ZINE とのコラボレーショングッズ案がありました。ZINE の中の印象的なページをTシャツやトートバッグなどに落とし込むというシンプルなアイデアなのですがサンプルを取り寄せて終わってしまいました。

リリィ・クマチャン 『只今工事中』 (京都府京都市)

ストロングでホットな原色の表紙。100タイトル以上が並ぶ COLLECTIVE のなかでもひときわ目に付く一冊が リリィ・クマチャン の『只今工事中』だ。 イラストに組み込まれた暗号のような文字は、道路でよく見かける、工事をする時に参考にする地中のガス管や水道管の情報だそうで、本全体がミステリアスでアンニュイ、しかし儚さとは無縁の即物的なパワーに満ちている。 それは工事というテーマからというだけじゃなく、そのイラストの絵画的表現に由来している。 その線や塗りには、紙という

足元 研 『映画のなかの足下』 (京都府京都市)

中学生のころ受験勉強もせずに山形市内の小さなビデオ屋までスケボーを走らせてレンタルしに行った映画『ユーリ』という作品がとても好きで、今でもときどき思い出して胸をドキドキさせている。いしだ壱成と坂井真紀が主演。けれど脇役の永瀬正敏がかっこよくて何度も見た。その時に永瀬正敏が着ていたナイロンパーカーがどうしてもほしくて、山形市内のお店を駆け巡るのだけれど、結果、ホームセンターで見つける(今思えば僕が買ったのは『ヤッケ』で、全く違うと思われる)。浅野忠信に憧れて立てた髪は寝癖と言わ

新多 正典 『Explode Coração』 (京都府京都市)

僕の住む隣街の牛久にはブラジル団地があり、今年の「かっぱ祭り」ではカポエイラを披露したそうだ。群馬発の日系ブラジル人によるガールズ・ユニットのリンダ3世、解散しちゃったなあ。テレビでワールドカップを観戦していて、サポーターを含めたブラジル人の顔にどことなくの親近感を持ってた。地球の裏側なのに。瞳の色だろうか。多くの地域からの移民たちによって育まれた多種多様な魅力がブラジルにはある。 ZINE『Explode Coração』はブラジルのマカラトゥと呼ばれる芸能、信仰を追った

宇都宮琴乃 『BGMzine -issue4-』(大阪府富田林市)

大阪を拠点に、シャイな女の子のために製作を続ける BGMzine の Issue4。 BGMzine の最大の特徴は「自分らしくあること、そのために」という発足時から変わらない溢れる愛と一本筋の通ったメッセージ。デザインや手段に先立つメッセージへの意志の強さが This is ZINE!いつもかっけえなあと見させてもらってます。 夢に終わりはなく、それはきっと職業じゃなくても良い。それにね、たとえ輝いてなくたっていいのよ。今の私の夢は “女性の居場所作りをすること。この夢の

モリスン 『I'M FINE』(大阪府大阪市北区)

100冊近い ZINE が並んだ時、ヴィヴィッドな表紙はやはり目立つ。中でも、力強くひかれたルージュのような赤がまぶしい作品が3冊あり、いずれも『大阪』と書かれている。 町の喧騒。そこに暮らす人たちの自由なまでの力強さ。明るさ。派手さ。『偏見だよ』と片付けられない謎のエネルギーが大阪にはある(ぼくの友人たちは他聞にもれずヒョウ柄の服を着ている)。正確には『派手』なのではなく『ヴィヴィッド』なのではないか、と思う。時に鮮やかで、時に眩しい。 私が好きなものだけを描く ー モ