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COLLECTIVE 〜 北海道・東北エリア 〜

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47都道府県の ZINE を公募し展示販売するエキシビジョン COLLECTIVE。東北エリアから参加してくださった方たちの ZINE の紹介ならびに、様々な活動の紹介をそれぞれ… もっと読む
運営しているクリエイター

#イラスト

かなた 『Kindar garten』 (秋田県)

中学1年の時に付き合っていた村岡さんとは、ぼくの転校がきっかけとなって別れることになる。父の仕事の都合でぼくは東京から山形へ。ときどき手紙を書くね、と村岡さん。うん、と、ぼく。公園のベンチでクールにうなづいたはいいけれど、どうでもいいからキスしたかったのを覚えてる。 村岡さんは美人なうえにスタイルもよく、スポーツもできて頭も良くて明るくて手先も器用、女優を目指すと言って中学では演劇部に入った。そんな村岡さんから届く手紙はたくさんのイラストと言葉で埋め尽くされたポップでカラフ

ユカリロ編集部 『yukariRo』(秋田県秋田市)

ぼくの好きな言葉に(もしくはぼくが好きなひとたちが好きな言葉に) 人との出会いは旅だから借金してでも行きたいね という詩がある。こんな風にひとは時々『人生』を大きな『旅』と捉えたり、人生に置けるヴィジョンやアクションを『旅』の行程に置き換えたりする。地図やしおりがあった方がいい旅人もいれば、ない方がいいってひともいるし、目的地は決まってない方がいいひともいれば、身軽なのがいいひともいる。正解はない。ただ、みんなで行く旅行も、孤独を求めるひとり旅もいい『縁』はあった方がいい

是恒さくら 『ありふれたくじら』(宮城県仙台市)

そういえば、僕は鯨をナマで見たことがないと思う。 「そういえば、」「と思う」。そのくらいのあやふやさで見たことがない。 それでも、僕は鯨を紙の上に描くことはできるし、鯨が登場する物語をいくつか知っている。その絵が鯨を描いたものであることは、世界の何人に伝わるだろうか。その物語を理解できる人は何人いるだろうか。 <ありふれたくじら> は是恒が各地をフィールドワークして鯨にまつわる文化や物語を集め、自身の刺繍とともに収録した ZINE 。 僕も ZINE とか自費出版物に関