Jリーグクラブで1年働いてみてわかった”3つの課題”

今日でガイナーレ鳥取で働きはじめてちょうど1年になります。大学生のころから好きだったJリーグのために何ができるか、社会人になりサッカー業界で働きたいという思いはとっくのとうに消えていて、どちらかというと事業としてのJリーグクラブに課題感そして危機感を感じ、SHCに通ったのが3年前。そして鳥取に来て1年が経ちました。

よく想定外だったことは?と聞かれるので先に書いておきます。2つ。
・天気(まさか夏にこんなに暑く、冬にこんなに雪が降ると思わなかった)
・移動時間(試合のための移動距離、そして移動時間に対する耐性)
それ以外は想定外なことはそれほどなく、スタートアップを経験しているからかもしれませんが。

ここからはこの1年の気づきを簡単に3つに分けてまとめていきたいと思います。Jリーグクラブによって環境が異なると思うので一概には言えませんが、自分なりに他のクラブスタッフとの会話の中での共通項でもあります。


1、組織課題:できるだけ明確化することが必要

課題についてどのクラブのスタッフに聞いてもまず聞くのがリソースについてです。シーズンが始まると隔週で開催されるホームゲームの準備と当日の運営のループがはじまります。クラブによってフロントスタッフの負荷は違う(運営を外注しているクラブもある)ので一概に言えませんが、ガイナーレ鳥取はクラブスタッフがメインで行っています。なので運用のためにリソースの大半が取られてしまいます。やはり収益増のために考える・動くリソースをできるだけ確保したいのが実情です。要因や背景は挙げればキリがないがこれを解決するためには下記の2つが必要だと思っています。

A、役割とミッション(定量目標)の明確化

B、注力と非注力の明確化

双方ともに明確化という言葉を使った理由があります。それははっきりしないことでお互いが補填しあう環境になっていることになり、現場に兼任がうまれます。すると当事者意識が薄くなり、成長機会も失われることになってしまいます。これは会社組織の中ではダメなパターンです。

順位というコントロールがが効かない部分もある中でそれを追い求めるのではなく、自分でコントロールできる目標値の設定が必須だと思います。


2、事業課題:成績に左右されない収益基盤が必要

クラブの主たる収益源(スポンサー収入・入場料収入・グッズ収入)はクラブ人気やクラブの成績に左右されるのが現実です。しかもカテゴリ降格となれば、Jリーグのクラブ分配金が億単位で減るわけで、クラブの固定費が変わるわけでもないのに経営的にはたまったものではありません。

同じ性質のKPIを軸とする事業を続けているのは収益基盤的にも危ういと言わざる負えません。なので主たる収益源はもちろん伸ばしてはいくものの、事業性質として別軸のKPIをもつ事業を作ることが大切であると強く思います。責任企業を持たず自クラブのマーケットが鈍化しているのであれば間違いなく当てはまるでしょう。

クラブはあり続けるべきという前提で話を進めますが、新たな事業活動を始めるときは、Jリーグクラブであるという強み(発信力や巻き込み力、公共財としての見られ方)を活かし、なおかつ継続性を前提にした競合優位性を持たなければなりません。そして作れる人間を採用する必要があります。

ガイナーレ鳥取の場合は、それが”芝生”であってこの1年、この事業の事業戦略やマーケティング、広報と続けてきて、地元スポンサー様をはじめ行政、Jリーグとの関係性をうまく構築できつつあります。地域の特徴も合いなって、実際に昨年植え付けた芝生の初出荷を終え、これからはそれらをしっかりと数値に結び付けていくフェーズに入っていきます。


3、広報課題:発信の多様性がこれからは必要

これは前から思っていることですが、わたしはフロントスタッフの黒子の美学など必要ないと考えています。発信することで考えが整理することもあれば知ってもらう機会にもつながります。闇雲にやればいいわけでなく、情報整理や作法については諸々あると思います。でもそれは他の企業も一緒な訳でJリーグクラブがやらない理由にはなりません。

SNSなど発信するプラットフォームが数多ある中でクローズドな世界にいること自体がリスクに感じるべきだと思います。インターネットは時間と場所を飛び超えることができます。わたしもツイッターで作って発信していますが、それらがきっかけでつながりができたり、採用もできますし、気づきにもつながっています。

そしてもうひとつの気づきはクラブが認知されるだけでは直接集客にはつながらないということです。クラブの考えや活動をしっかり知ってもらうことができて初めてスタジアムに足を運んでもらえると実感しました。そういう状況を作るためにはこれまでのマスメディアだけではなく、発信方法や方向性、内容を再整理して公式アカウントだけに頼ることなく多面的に行うことがこれからのカギとなると感じています。そして、それらの知見を集約するプラットフォームづくりがまさにこれからのJリーグを大きく左右すると思っています。

つらつらと3つ書いてみましたが、実際に細かな気付きはたくさんありますし、自分みたいな異業種からの人間でも使命感をもって進むことができるのは間違いないと思います。Jリーグスタッフは薄給云々という話もありますが、それを打開するきっかけを作るのも自分のミッションだと勝手に思っています。

そして少しずつでもいいからいまのサッカークラブにおけるフロントスタッフという概念が崩れていけば、その先にはもっと多様性に富んだおもしろいクラブができるはずです。

すぐに結果がでるかわかりませんが、クラブの価値をこれからどう展開していくのか、これからぜひ楽しみにしてください。百発百中ではないので失敗もあると思いますが、頭で考えていても、行動しなければ何も変わらないと思いますし、勇気をもって行動したものにしか結果はついてこないと思っています。

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