キャンペーンシナリオにおける第0話についての考察

海外公式のキャンペーンのうち、本編の前に挿入される物語、いわゆる第0話があるものが2つあったので重要なネタバレが無い範囲で内容に触れつつ考察していきたい。

既存の作品紹介

第0話が用意されているシナリオは私がプレイものだと「ニャルラトホテプの仮面」と現在第1話まで通過した「Tatters of of the King(日本語だと『王の襤褸(らんる)』といったところか)」の2本だ。
まずは、それぞれのキャンペーンの概要と、第0話の内容を紹介したい。

ニャルラトホテプの仮面

ニャルラトホテプには千の化身とそのカルトが存在するという。このキャンペーンは知り合いの殺人事件と、とある探検隊の失踪事件の調査をきっかけに、世界中のニャルラトホテプとそのカルトに触れていく……といった内容だ。
このキャンペーンはには元々第0話は存在しなかったが、7版に版上げされた際にシナリオが追加された。

第0話はその調査を行う数年前、ペルーで行われるピラミッドの発掘調査に参加する所から始まる。ニャルラトホテプとそのカルトの片鱗も見え、探索者にとっては印象的な事件になるだろう。第0話の数年後となる第1話でニャルラトホテプが登場する事でその経験は色鮮やかになり、その後の2話、3話でも探索をするモチベーションになる。

王の襤褸

こちらは、私もまだ通過中なので詳しくは語れないところがあるので、言える範囲で語りたい。
『黄衣の王』という演じたもの、見たものに狂気をもたらすという謂れのある戯曲がある。本作はその『黄衣の王』に触れてしまった者たちの不幸と狂乱を主題とした物語のようだ。

第0話ではその『黄衣の王』を改作した演目『カルコサ』を観劇することになる。上演中の客席の様子は、おそらくほとんどの方が想像されるような有様であった。

第1話ではとある精神病患者についての調査を依頼されるが、『黄衣の王』との接点に気付かされることとなる。やはりこちらも第0話の経験が探索のモチベーションになる。

比較

両者を比較すると共通しているのはモチベーションの上昇に貢献しているということだ。シナリオで想定される敵である「ニャルラトホテプ」「黄衣の王」という存在の共通認識を得ることが出来るのも良い。
欠点をあげるとすれば事件自体は本編と直接の繋がりが薄いことか。

結論・まとめ

第0話が本編と直接の関わりが薄いことを加味しても、やるだけの価値はあると考える。その理由は以下の3点だ。

  • 探索者の合流を済ませることが出来る

  • 敵やクトゥルフ神話に対する共通認識を得ることが出来る

  • その後の本筋のモチベーションが上がる

これらの事を考えると演出的には書かせないレベルと言っても過言ではないだろう。これから発表されるキャンペーンシナリオには是非、第0話を入れて頂きたい。

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