言霊思想と有限実行力――vol.1

高校時代の古典の時間。自分の祖母よりも年上の先生が「言霊思想って知ってる?」と教室に投げかけた。

言霊(ことだま)とは、一般的には日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと。言魂とも書く。言霊(ことたま)は、森羅万象がそれによって成り立っているとされる五十音のコトタマの法則のこと。その法則についての学問を言霊学という。
       ――出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

言葉には魂が宿る、それは私にとって、ちょっと怖いなって当時思わせたのを覚えている。でも、先生は言った「言葉には魂が宿るから、叶えたいことはどんどん口に出したほうが良いんです。逆に不安なことは心に秘めておく。そうすることで、きっと皆さんの夢は叶いますよ」と。

私はこの先生が醸し出す空気(職員室に行けばお茶菓子と日本茶を飲んでくつろぎ、他の先生たちのせかせか感に流されていないところとか)がとても好きだった。

そんなこともあって高校時代は、頭からイチゴをぶら下げるという派手な見た目をしているくせに、毎日のように図書館にある古典を読んでいた。古典文学の紡ぐ言葉、柔らかな時間が大好きだった。

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SNSで日々を過ごしていると、引き寄せの法則だとか、言ったら叶う論だとかが毎日のように唱えられている。結局は、このどれもが「言霊思想」に起因しているんじゃないかなって思う。

「察する」ことには限界があるから言葉に出す

おきありちゃんとしてSNSにいる時は、ちょっと図々しくてもやりたいことがあれば「やりたい」と言うようにしている。

ありえない話かもしれないけど、そんなノリで書きたい媒体の編集長にDMを送ったり、働きたいと思った会社の社長や人事にDMを送って一度話をするきっかけをもらうこともしばしばある。

こんなことを友人に言うと「どんなルートなの」と苦笑いされる。

でも、なんだって声に出したもん勝ちだ。

現に私は女の子特有?日本人特有?の「察しろ」文化がちょっと苦手だ。

謙遜とかも必要以上にいらないと思っている。「これいかがですか?」と聞いて「あ、いいですよ!悪いです!」だなんて返答されたら、「あ、そうですか」とすぐに引っ込めてしまうのだけど、日本人はどうやらあと一往復はこのやりとりをしたいらしい。

ちょっと話はずれてしまったけど、これはやりたいことに関しても一緒。私は友達が大好きで、サッカーをスタジアムで見ることが大好きである。さらにいうとバーテンダーをしていたこともある。その結果、なぜか「あ、お酒が好きなんだ」と思われることが多い。だけど、私は呑むことがそんなに好きではない。正しく言うと弱くはないけど、飲み会の場が苦手だし、お酒を呑んだ次の日のむくんだ顔がどうも許せない。友達と会ってもパフェ、スタジアムでサッカーを見る時は飲み物なんて飲んでる暇ない、バーテンダーをしていたのは時給が良くて、いろんな人とお話できて、外国人と働けて、さらにいうとカラオケもあるお店だったから留守番中は歌い放題、そんなところに魅力を感じたからだ。

だから、極力飲まないし、初対面の方が多い場ではその人の本心が見えないこと、自分が思ってないことを言ってしまうのではないかとの恐れからノンアルコールで応じる。本当に顔がむくむと次の日の自分のやる気のなさにも影響を及ぼすしね。

つまり、私のちょっとした特徴だけで、やりたいことを察してもらうのって限界がある。実際に「働き方について発信したいんです」と話すと、「え!そこが興味なの?意外とまじめだね」とびっくりされることもしばしば。

そんなこともあって私は察するをあてにせず、超効率的にやりたいことに近づくために「働き方と好きを発信して、みんなの人生を豊かにしたい」と言うことにしているのだ。


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