57_ストライプによる課題「冷たい水」[color shcheme storage]〜配色の貯蔵庫(5)

画像1 ストライプによる課題シリーズ。今回は「冷たい水」です。前回、前々回と同じくトーナルカラー93という日本色研製のカラーペーパーを使用しました。色による心理的効果を使っていかに「冷たさ」を表現するかがポイントです。
画像2 左:学生作品。コンセプトは「さらさら流れる水」。寒色系と白を使って水の冷たさが表現できています。右:講師提案。同じ細さの線が淡々と入っているので、それぞれの線に少し変化をつけました。が、「さらさら流れる」というイメージだと学生作品の方が「さらさら感」がありますね。必ずしも変化をつける必要がない場合もあると思いました。
画像3 左:学生作品。コンセプトは「地底の岩間に流れる水」。それは確かに冷たそう!大胆に黒を使って閉じ込められた感じが出ています。が、僅かな黄色が少し温かそうで・・・。右:講師提案。僅かでも暖色系の黄色が入ることで生じた「ぬるさ」を思い切って排除。より冷たさを強調しました。ちなみに学生になぜ黄色を入れたのか聞くと「ブルー系と黒だけで寂しかったので」ということでした。あるある。
画像4 左:学生作品。コンセプトは「冬の朝の水」。シーンが浮かぶようなコンセプトですね。右:講師提案。基本的な構成は変えず、細い白を何ヶ所か+しました。微かな変化ですが印象が変わったのがお分かりになると思います。
画像5 左:学生作品。コンセプトは「光がほとんど届かないような深海」。冷たい水と聞いて深海をイメージするのは独自性があっていいと思います。右:講師提案。分割バランスはあまり変えず、「光がほとんど届かない」というコンセプトから使用色の中で低明度色の面積を大きくし、高明度のブルーを消しました。深海に少し近づいたかな?と思うのですが。
画像6 「冷たい」というキーワードなので寒色系がベースになることは想像できますが、それでもやはり個性が出ます。いかに独自の視点を示すことができるかが大事ですね。前回「大阪のおばちゃん」https://note.com/colorfulvision/n/nc571be2cc019、前々回「芦屋のマダム」https://note.com/colorfulvision/n/n657b9596b779もご覧ください。

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