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COLOR OF NOTE 1st Album 『reverb』 セルフ・ライナーノーツ


制作期間1年6ヶ月。念願の1st フルアルバム『reverb』遂に完成。このアルバム1曲1曲に込めた思いと制作秘話をセルフ・ライナーノーツとして綴ってみました。アルバムを手に取って聴いてくれた方、これからの方、全ての方々の心に少しでも触れてくれる作品になるよう、想いを込めて。

COLOR OF NOTE 1st Album『reverb』セルフ・ライナーノーツ

M1, Sundown

一瞬にして場面が変わるような、そんな曲を作りたいという着想からこの曲の制作がスタート。プロローグとしての冒頭のピアノ。そしてそのピアノの旋律の余韻から瞬時にして入れ替わるギターとシンコペーションのリズムが見事に「あの夏の日」に誘ってくれる楽曲となった。
「sundown」とは日没の意。つまり太陽が地平線の下に沈み始める夕方の時刻。sunsetと同意語だ。夏が終わろうとしているある日、その夏を回想し、次なるseasonへ第一歩を踏み出すための決意に満ちた、アルバムのオープニングの重責を担う重要な楽曲となった。終始、起承転結をギターでどう表現するか、そしてサウンドメイキングもかなり試行錯誤した上でたどり着いたギターのパッセージとサウンド。想いと自分の表現力とがうまくリンクした、自分のルーツでもある80年代シティポップ風にまとまった、そんな楽曲になった。テーマの使用ギターは、Fender ストラトキャスター(HSH)。バッキングは、ESP Snapper。

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M2,夏の跡

このアルバムのために書き下ろした2曲のうちの1曲。自分なりのウエストコーストサウンドの解釈でもあり、なるべくカラッとした仕上がりになるようなギターサウンドにするため試行錯誤を繰り返し作ったサウンドた。
M1,Sundown が夏の終わりなら、こちらは少し季節が進み、少し時間を置いてから回想した、秋に想う夏、を表現した楽曲だ。現在進行形だった夏が、想う夏、に変わり、少しばかり懐かしくもあり、それでいて夏に芽生え、少しづつ育って来た気持ちを確信し昇華し、想いが溢れている意識の表れを、あくまでメロディアスにギターのフレーズを構築した。2コーラス目のAメロのアドリブ、そして後半のギターのアドリブは、心に芽生えた相手への強い気持ちを、少しハードなパッセージにしてギターに込めた。特に後半のアドリブは、この想いが届くようにと、そんなフレーズとなった。使用ギターは、ESP Snapper。

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M3, snow dance

2018年2月に、母が他界した。その年の冬はとても寒く、母の通夜の日は東京でも珍しく大雪となった。そしてそんな状況を経て、この冬をいつまでも忘れることのないようにと、母の戒名に「雪」という文字が入った。お坊さんの粋なセンスだ。その素敵な策略のおかげで、毎冬、雪の降る日には、必ず母を思い出す。というより、雪が降ると、もう母がこの世に居ないという、全く実感の伴わない気持ちが、心の中の着地点を一生懸命探しているような、少しばかりいつもとは違う妙なざわついた心模様を覚えるようになった。
少し時が流れ、2022年1月6日。東京が大雪となった。そんな日にこの曲の屋台骨のバッキングトラックが出来上がった。特に母のことを曲にしようとした訳でもなく、追悼の曲を作ろうなんて大仰なことを考えていた訳でもなかった。でも制作中、母のことばかり考えながら作っていた。少し悔しいが、紛れもなく、この曲は母が作らせてくれた楽曲だ。
ギター録リは、少し時間を置いたその年の初夏に行った。時間を置いたことで若干の距離感と客観性が芽生えはしたが、メロディー、特に曲終盤Cメロのソロパートの構築がなかなかの難航を極めた。何百回かの録り直しの末、絞り出すように音を繋げて作ったこの終盤のソロだったが、楽曲の世界観を包み込むようなメロディーとサウンドが出来上がったと自負している。

この曲も、このアルバムのために書き下ろした曲である。この曲はなるべく音数を少なく、どちらかというと、引き算、で作った楽曲だ。Aメロのギターのサスティーンが徐々に減衰してストリングスに吸い込まれて行くことで、雪が地面に吸い込まれるというイメージの構築をしようと試みた。曲が進み、やがて雪の世界へと。そして雪の結晶が空間を埋め尽くす。静寂の雪のダンスが始まる。
この曲は全て自分一人で制作した。使用ギターは、ESP Snapper。

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M4, 片思い

2017年、COLOR OF NOTE プロジェクトスタート当初から今に至るまで、Liveで欠かさずに演り続け、育ち、そしてこの形に昇華したお馴染みのナンバーである。
このアルバムの中で最もマイナーで内向的な楽曲だ。
サウンド的にはヘビーなアイリッシュフォーク(?)という裏コンセプトを掲げ、ディストーションを深めに効かせたヘビーなギターサウンドで、伝えたい伝えられない、届けたい届けられないという切ない片思いを、無理やり押さえつけている理不尽な激情を表現させることに終始した。
アルバムの曲順として、ここ(4曲目)しかなく、ある意味このアルバムの中で異質な存在感を放つ楽曲となった。間奏明けの物悲しく切ないピアノが、この曲の世界観の構築に見事に機能し、ヘビーなギターサウンドと合わせ、所謂「片思い」のCOLOR OF NOTE 的な解釈となった。
使用ギターは、Gibson レスポールスタンダードとFender ストラトキャスター(HSH)。この曲のドライブサウンドの構築に際しては、エフェクターは使用せず、アンプのみでドライブサウンドを作った。理由はとしては、尖った歪みではなく、ふくよかで奥行きがあって、尚且つヘビーなドライブサウンドに拘ったことによるものだ。

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M5, ever free

このアルバム制作に於いて、最初に着手したのがこのever freeだ。8ビートのロックナンバー。タイトルに free とあるが、この場合の自由とは、子供の頃、ロックスターを夢見ていた自分へのメッセージだ。不良のフリをしていても不良にはなれず、学校をサボっても家で勉強してしまうような当時の自分が感じていたある種の閉塞感を解き放つような。でも、そうやって悩んで試行錯誤していることが正に自由なのだ、と。自分自身を解放出来ないでいた当時の自分へ「それでも絶対夢を諦めるな」と窮屈な自由の中にいる自分へのメッセージとして作った楽曲だ。
やがて大人なったその少年がまさかCDをリリースするようになるとは。あの頃の自分に教えてやりたい。
しかしこの曲は複雑な曲でもないにも拘らず再現がなかなか難しい。まだまだ進化の途上にある曲だ。使用ギターは、Fender ストラトキャスター(HSH)。

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M6, Electric Moon

インストで、COLOR OF NOTE というプロジェクト名であることから、やはり楽曲制作的にはヒントというか、季節や色をモチーフに制作することが決して少なくは無い。しかしこの曲については、季節を考えず、色のモチーフも無い状態で作ることをコンセプトとし、自分のギターだけでなく、それぞれのパートを自由に解放させるような気持ちで作った。季節感も出さず、特定の色彩を持たせず。そして出来上がったのは、やはり自分のルーツでもあるハードロックナンバーだった。
元々はもっとシンプルな曲だったが、やはりLiveで育ち、このアレンジに昇華した。Liveでは途中のソロ回しをもっと長めに演るのだが、レコーディンアレンジとしては、ギターソロパート1ヶ所をカットした形で収録した。結果、ハードでいてしつこく無い、なかなか締まった楽曲となった。
Electric Moon というタイトルは、以前湾岸線を千葉から横浜方面に向かって走らせていた時、フジテレビの後ろ辺りを通過した際に見上げた夜空に浮かぶ月が、一瞬、CGのような月に見えたことに由来する。その時にサビのフレーズが何となく浮かんで来た。運転中にもかかわらず急いでiPhoneに録音した。危ないから絶対にそういうことは止めましょう。
使用ギターは、バッキング、メロディー共に、Fender ストラトキャスター(HSH)と、メロディーの一部にGibson レスポールアクセススタンダードを使用。

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M7, reverb

2020年2月、16年半一緒に暮らしていた愛猫チョロが、天寿を全うした。
家で作曲をしていたり、ギターを弾いている時、必ず隣にチョロがいた。今思えば本当にかけがえのない大切な時間だった。過ぎてしまうと、時間の流れとは全て一瞬に感じてしまうのは何故なのだろうか。今でも眼を閉じると、その時の部屋の様子や寝ているチョロの姿、その時の空気の色まで、リアルに瞼に蘇る。そう、このアルバムのほとんどの曲は、チョロと一緒に作ったのだ。と、僕は今でも信じて止まない。

不思議なことが起きたのはその少し後、葬儀と火葬をとり行うため、うちから車で15分程のところにある寺院に向かおうと、チョロを車に乗せ走り出したその時だった。チョロと我々を乗せて走り出した車のカーオーディオから、当時制作中だったこの曲が突然流れ始めたのだ。ずっと堪えていた涙が溢れ出した。奇跡に思えた。今思えば別に不思議なことでも何でもなく、制作途上の楽曲を車で聴くのはよくあることで、この時もその前に乗った時にその曲を聴いていただけのことだったのだ。でもその時は、とても不思議で、チョロがこの曲に新しい命を吹き込んでくれたに違いない、と、僕は思った。今でも僕はそう確信している。

この曲は、冬の終わりから春に掛けて、3月の終わりから4月、丁度桜の時期、つまり出会いと別れの時期を思い書いた曲だ。
何かが終わるってことは、何かの始まりであって欲しい、と、そんな想いをこの曲に込めた。卒業して親しい友達や家族と離れ離れになる人。故郷を後にして旅立つ人。そしてそういう人たちだけでなく、不幸にも死別した友人や家族。ちょっとした行き違いで喧嘩別れになってしまった友達。みんなに響き渡る楽曲になるように、と、そんな願いを込めてチョロと一緒にこの曲を作ったのだ、と。
そしてこの曲がいつまでも残響のように誰かの心に響いてくれますように、この曲でこのアルバムを締め括りたかった。それが reverb。いつまでもどこまでも響き渡ってくれるように願いを込めて。

この曲の使用ギターは、メロディーがFenderストラトキャスター(HSH)。バッキングがGibsonレスポールスタンダード。ソロはアンプのみで制作。

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