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なぜ写真を撮るのか?

先日、#もとくらの現像室 というオンラインサロンの中で、「なぜ写真を撮るのか、思い入れのある写真を、撮った理由はなにか」という問いのもと、自分にインタビューしてもらう機会があった。

写真は好きだけど、撮る理由やいろんなことを掘り下げることは今までなくて。言語化して、さらに誰かに話を深堀りしてもらうことで、思いもよらなかった自分の考えが見えてきたりして・・・、インタビューってすごい!!と思った。人の話を引き出せる人は、ほんとうにすごい。

そこで得たことを、すこしここにまとめておこうと思います。

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私が写真を撮りたい!と強く思うときは、地元の北海道に帰省したときだったり、東北とか、自分の原風景に近い場所に行ったとき。
自分で意識して線引きしていたわけではないけれど、いま住んでいる東京に戻ってくると写真欲が少なくなるのを感じていて、なぜかなー、と思っていた。

そして、写真におさめているのは、だいたいが人の後ろ姿。正面を向いて、写っているひとの目がレンズの方を見ていることはあまりない。
これも、なぜこういう写真が多いのかなーと思っていた。

自然が好きなこと、それを写真に撮りたいと思うこと。好きな人がいる風景を、写真に切り取りたいと思うこと。今回あらためて、「それはなぜですか?」と聞かれて、答えることが、とてもむずかしかった。

なぜ?のこたえは、いろんなものが複合的にまざりあっている。
北海道に育ったこと、祖父母が農家だったこと。田舎の夏、風になびいてきらきら光る稲のまん中で作業する祖父母をみていたこと、大雪のあと、畑も道もぜんぶ雪におおわれて、まっしろな平原をどこまでも歩けると思ったこと。
撮りたい自然の風景が思い浮かんで、インタビューの中、撮りたい景色というのはこんな原風景なんだよな・・・。もっと、自然と暮らす原始的な生活がしたい、と考えをめぐらせた。

つまり、脳内ではなぜ?のこたえからはちょっと脱線してしまったのだけれど、、それでも、インタビュアーのタクロコマさんが以下のようにとても的確にまとめてくれたのです。

●現状
今の生活には違和感を感じている。
●憧れが教えてくれる、これからの暮らし、生き方
自然の中で営む暮らし
●手段
そのために、写真で、実現したい暮らし、囲まれたいものたちを集めている。忘れないため、思い出させる装置にしている。

ほんとに、ほんとうに、プロのひとはすごい・・・。
言葉と言葉のあいだをつなぎあわせて、思考が言語化されている。

言葉になった頭の中をみて、私には実現したい暮らしがたしかにあって、「自然の中で営まれる暮らし」が撮りたいんだなあ。ということが、実感を伴った感覚としてとても腑に落ちた。

なぜ、なぜ、と自分に質問して、言葉にして考えること。ふだんの自分の考えを、文字として見えるようにすること。ひとりでもそうやって常に考えて、そうして一歩ずつ進んでいくことが、自分のこれからにつながるのだなぁ、きっと。


そしてインタビューを終えて、次のステップとして。
まずは、「大事なものを撮る」ことを重ねていきたい。すぐに田舎に引っ越すのはなかなかむずかしいけれど、近しいひとを大事にして、いとしい景色に目を向けて、そしてたまに写真におさめること。

なにかを大事にする方法のひとつが、自分にとってはきっと、写真を撮ることなのだと思う。


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