言葉選び

私は純日本育ちですが英語ボカロ曲が好きです。その中でも特にRobo先生の曲が大好きです。Robo先生の英語歌詞はとても平易な英単語、平易な英文法で構成されているためかもしれません。ただその平易さからか、少し幼いミクさんが歌っている印象がある。聞いたことがない方は聞いてみてください。英語に苦手意識を持っていたとしても、歌詞を見ればきっと何を言っているかわかります。

【Robo feat. 初音ミク】A New Day【オリジナル曲】

【Robo feat. 初音ミク】CALL ME CALL ME【オリジナル曲】

【Robo feat. 初音ミク】I Love You More (Than I Used To)【オリジナル曲】

少し悲恋が入っている感じがしますが、なんといいますか「恋する健気な幼女」といったところか。

ところで上にリンクを貼りました"I Love You More (Than I Used To)"ですが、あざといPVを作ることで有名なThanks先生によるPVが昨年末に投稿されました。Thanks先生のミクさんもかなり幼めな印象があるのでRobo先生の曲のPVにはぴったりだなと思っていて、過去の"CALL ME CALL ME"のPVなんかも最高にぴったりで非常にかわいかったです。

[PV] I Love You More(Than I Used to) [初音ミク]

今作もめちゃめちゃかわいかったのですが、それよりも衝撃を受けたのは2番からの日本語訳歌詞なんです。上にも書いたようにRobo先生の英語歌詞は平易なので英語をそのまま英語で飲み込んで「幼女っぽい」などとのたまっていたのですが、このPVで2番から表示される日本語訳はそれまで想像していたよりも圧倒的に大人びていて切ない。それは恋する健気な幼女などではなく、大切な人を思い続ける一人の女性だった。それに気づいてからは、1番と2番の間奏に幼女が女性へと成長する何年分もの重みを感じるようになった。その間ずっと思い続けてきたミクさんがそこに見えるようになった。

このようなことを考えるのは、おそらく自身の英語力の低さ故なのではないかとも思う。実際の英語圏の成人がどんな言葉を話しているのか知らない。受験英語とか論文とか、形式張った英語ばかりを読んできた。だから平易な英語=幼女と決めつけてきた。

"My feelings won't change for you a thousand years"

曲中にこのようなフレーズがあります。これまでの脳内再生日本語字幕では

「せんねんたってもすきー!」

でしたが、PV中のThanks先生の素晴らしいPVではどうなっているかというと

「あなたへの想いは1000年たっても変えられない」

ですよ。もう印象が全く違う。「変えられない」ってもう憂すぎる。「変わらない」と訳さないとバツを食らう中学生諸君を除いて、これは「変えられない」がいいな。変えようとしても変えられない、だから幼女のころから女性になっても、これからもずっと好きでいるんだろう。

英語力の無さ故の誤った理解から生まれた感動ではあるものの、そういう観点から曲を聴くとまた違った世界が見えるなと気づいて、また英語曲の素敵さに溺れていくのであった。

思い返してみれば、これまでのRobo先生の曲は1番と2番で歌詞が同じであることが多かった。それらでも同じように時間経過を感じ取るとまた違った見え方がするのだろうか。そもそもそこに時間経過は存在するのか、それはRobo先生だけが知っていればいいこと。

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