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電気グルーヴについて思うこと

大根仁監督のドキュメンタリー映画「DENKI GROOVE THE MOVIE」がAmazonプライムビデオ対象になっていたので早速観ました。この「タダで観れるから観た」みたいな言い方、作り手にも他のファンにも失礼だと自覚はしているのですが、それはともかく掛け値無しに面白かった。いや別にこの「掛け値無し」って「お金掛けてない」とかそういう意味じゃないですよ(しつこい?)。

脱線しましたがともあれ、良かった。つくづく電気グルーヴという存在の稀有さを実感しました。大根監督もよくぞ膨大な資料をあそこまでまとめあげたなと思いました。そしてただ映像を繋げただけでなく、要所要所で差し挟まれるアルバムジャケットのモーショングラフィックスも非常にかっちょ良かった。平面素材に奥行きを、静止画素材に動きを持たせるあの強引な感じ、シビれます。

で、まあ映画の評価としては「満足!」なのですが、一方で「僕にとっての電気グルーヴ像」と「世間一般の(業界サイドの?)電気グルーヴ像」とがえらい掛け離れてるなーという感想も抱きました。別にそれはそれでいいですし、そんな電気グルーヴ像やそれを支持するファンを否定するつもりは一切無いんですが、こういうファンもいますよーということを書き記しておきたいなと思い、筆をとります。

メジャーデビューから順調にヒット街道を爆走する電気グルーヴが失速するきっかけとして、劇中で失策のアイコン的に描かれていたのが「ORANGE」というアルバムです。これ、僕かなり好きなアルバムなんです。その前の「VITAMIN」も「DRAGON」も持ってますけど、それらよりも全然好きなんです。でも、それらよりもセールスは大きく落ち込んだらしいんですね。これ僕初めて知りまして、大きく驚いたわけです。僕の中では「何だかよく分からないゴリゴリのテクノアーティストになっちゃってたけど、やっぱ電気はこれでないと!」って感想だったんで。で、ここでハタと気付いたんです。僕、割と音楽性はどうでもいいのかもしれません。

僕の中で電気グルーヴは、芸人なんです。音楽に重きを置いた芸人さんなんです。「古坂大魔王のもっと凄い版」みたいな位置付けなんです(時系列的に例えの主客がおかしいのは見逃して…)。オールナイトニッポンでの軽妙な掛け合い、そこから派生したニシイいじり、ヘンテコなPV、ふざけたインタビュー記事、嘘か真実か判別しづらいエピソード、その全てが実に芸人くさい。僕はお笑いが大好きです。テクノもハウスも好きですが、僕は電気グルーヴにそれはあまり求めていなかった。だからインストばっかりのアルバムが出たとき、買いはしたものの釈然としなかった。その点「ORANGE」は素晴らしいですよ。笑いをこらえながらまりんが歌う「ママケーキ」、素晴らしいじゃないですか!

そういう観点から見るとですね、もっと悪ふざけしてる2人を見たかったなーとも思いました。「おなら吸い込み隊」という名前でNHKに出られなかったエピソードとか(ドリルキング大好きなんです)。劇中で天久聖一の尺が少なかったのも、「あーやっぱ芸人的な電気よりテクノアーティスト面をフューチャーしたかったんやなー」という印象でしたね。天久聖一結構いいふざけ方してたじゃないですか。でも全然拾われてなかったですもんね。もしかしたらそういうおふざけは大根監督、好きじゃないのかもしれません。「山田孝之の東京都北区赤羽」でも真剣にふざけてる山田孝之にマジ説教してましたし。

というわけであれですね、是非とも電気のお2人には、大根監督に送りつけたのと同じ映像素材を山下敦弘監督(「山田孝之の〜」監督)にも送りつけてもらってですね、おふざけ電波芸人としての電気グルーヴのアナザーサイドストーリーを作ってほしいですね。インタビューは天久聖一を筆頭に、篠原ともえとかニシイとか、音楽性あんまり関係無い面子を揃えていただきつつ。

というわけで電気絡み(というかピエール瀧と天久聖一絡み)で僕の持っているお宝を披露しつつお別れです。

メカドリル、Windows Vista以降は動かないんですよね。MacもOS9でないと動かない。ろくすっぽ使ってないPower Macを手放さない理由の一つです。

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