劇場が育むものは何かーアイホールと「かむじゆうのぼうけん」

 アイホールの用途転換が検討されていると知ってから、ひと月。「アイホールの存続を望む会」の署名活動は、8/20時点のものを集計し、伊丹市へ提出予定だそうだ。

 一緒に「かむじゆうのぼうけん」で遊んでくれたご家族に、このニュースを届けたく、「かむじゆうのぼうけん」メンバーで集まった。

 私たちは、2018年から、アイホール主催で「かむじゆうのぼうけん」を開催してきた。この作品は、朝から夕方までを、<観て・作って・踊って>おはなしの世界で遊ぶ。参加目安は、4歳くらい。兄弟を含めると、0歳から小学生までの子どもたちが、一緒に過ごしている。

 この3年間で3作品。毎年「かむじゆうのぼうけん」を上演しながら、演劇で伊丹の子どもたちと出会ってきた。伊丹の子どもたちは、優しい。かむじゆうが困っていたら、「大丈夫だよ!」「じゃぁ、こうしたらどう?」と、舞台に声を飛ばしてくれる。そして、家族で工作が大好きだ。お芝居のクライマックスは、魚や怪獣に変身するのだが、大人が夢中になって仮装させていたり、完成した姿を自慢げに見せてくれたりと、その光景は微笑ましかった。

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 いつしか私たちは、伊丹の子どもたちの顔を思い浮かべながら、再会を期待しているし、新しい子どもたちとの出会いも楽しみにしている。

 「予約時間になったら、アイホールの電話が鳴り止まなかったんや。」「横の団地から、チケット買いに来てくれた子がおってな。」「今年は、かむじゆうはやりますか?と問い合わせが来てますよ」と、事業担当の方から教えてもらった時は、伊丹が待ってくれているんだと嬉しかった。

 私たちは、アイホールで「かむじゆうのぼうけん」を続けたい。

 「どこでもできるんじゃないの?」と思われるかもしれない。そりゃ、どこでもやれるように考えます。他の地域でもやりたいとも思ってます。

 でも、アイホールだから、短期間で、子どもたちと再会できる作品に成長できたんです。

 アイホールは、子どもたちの屋内活動に適している。床がカーペットで心地よいこと、天井が高く開放感があること、四方が壁で囲まれていて全体が見渡せること、床がフラットに設定できてることが、安心感を与えてくれ、すぐに走り回りたくなる。子どもの活動は、場所に慣れるところから始まるのだけれど、この空間が、すんなりとクリアさせてしまう。そして、照明と音響を使って、ファンタジーを思いっきり作れるのだ。

 想像してみてください。遊ぶぞーやってきた部屋が、星が出て夜になったり、海に変わったり、雪が降ったりしたら。そんな場所で、ダイナミックな工作やダンスができたら。楽しくないですか?

 それができるのが、アイホールなんです。

 私たちは、アイホールで「かむじゆうのぼうけん」を続けたい。

 想いを動画にまとめました。2分30秒。 

 届きますように。










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